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【放浪人生から米農家へ】過酷な山場の田んぼに挑み続ける生き方を米農家14代目が語る

2025 2/22
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コラム
2022年9月16日2025年2月22日
こめむすひ 編集部

「魚沼産コシヒカリ」で有名な魚沼市と新潟を代表する長岡市に隣接し、新潟県のほぼ中央に位置する小千谷市の山間部に真人町という地域があります。

高齢の農家さんが多い中、地域の担い手として米づくりに励む1人の若手米農家、藤巻良太さん。

黒字経営の裏側や労力のかかる山場の田んぼを続けられる秘訣、良太さんのモチベーションになっている背景を伺ってきました。

目次

自然と共に育てる真人地域のお米

平地一面の田んぼ道を抜けて、山道を登っていくと少ない平地の隙間を利用した山場の田んぼの風景が見えてくると真人町へ辿り着きます。

真人町は、小千谷市の中でも高齢化率が一番高い地域。こうした山場の田んぼはアゼや通路が傾斜になっているので、ここを機械や工具を持ちながら昇り降りするのは相当な体力が必要。平均70代ぐらいの米農家さん達が日々この山場の田んぼを管理しながら美味しいお米を育てています。

親ぐらいの世代の米農家さんと共に真人町の米づくりを担っているのが、53歳の藤巻亮太さん。道路を挟んで左右に広がる段々になった田んぼ道を進んで行くと田んぼの目の前にご自宅があります。長岡市出身の奥さんと小学生の息子さんと娘さんとの4人家族です。

作業着姿の良太さんがお出迎え。この日は久々に大雨が降り、日中は水路や田んぼの見回りでいろんな場所を行き来されていました。そんなバタバタしていたにも関わらず、終始笑顔でのんびりとした口調でお話をしてくださいました。

良太さんが育てているお米は特別栽培米のコシヒカリ。農業の自然循環機能を高めることを目的に、節減対象農薬の使用と、化学肥料の窒素成分量を5割以下に抑えて栽培されたお米です。

自然に寄り添った栽培方法だからこそ良太さん自身も自然の変化や力を敏感に感じ取る事が多いそうで、田んぼの仕事を始める雪解けした春先に、久々に土を踏み締めると足からじわじわと大地の力を感じるそうです。

最近では子育てが落ち着いた奥さんも一緒に田んぼで仕事をする機会も増え、土に触れる事が多くなったから奥さんも生き生きと過ごされています。

そしてこの真人地域は土地の力、水の力、自然の力によって山場のお米は美味しく育ちます。いろんなお米を食べている米農家さん達も「山場のお米は美味しいんだよなぁ。」と絶賛されている山場のお米。自然と共に育てているので年によって味の違いもあり、今年はどんな美味しいお米が育つだろうと毎年の楽しみとなっています。

お米にとって大事な要素は、「土質」「綺麗な水」「寒暖差」などの自然の力がとても重要になってきます。この条件を全部持っている真人町。山場の田んぼは重労働で生産性を上げるのも難しいと言われていますが、その分美味しいお米が育つから真人地域の方達は忍耐強く田んぼを育てて行けるのです。こうした難しい地域だからこそ、地域の人同士がとても協力的で新しいことにも挑戦して行ける地域柄があるそうです。

東京放浪人生から米農家へ転身

30歳の時に当時住んでいた東京から地元の真人町にUターンをし、14代目として米農家を継ぎました。

良太さんの家系はいつからか、1家族に男が1人だけ生まれるという家族構成になり、その流れで長男である自分が必然的に家を継ぐのだろうと当時から思い、東京の大学在学中に家の米農家を継ごうと決めていました。

そのため親の定年の時期を迎える30歳ぐらいまでは東京生活を満喫しようと、良太さんの東京放浪人生が始まります。

東京で住みたい街が沢山あった良太さんは、賃貸の更新の時期に合わせて2年ごとに引っ越しを繰り返し、中目黒や高円寺など少しディープでマニアックなお店が多い街を中心に転々としました。東京の中でバックパッカーのような生活をしていたので移動をする度に職も変える事が多く、正社員という選択はせずにフリーターとして身軽なスタイルで生活していました。

そのため経験した仕事は沢山あり、スーパーや本屋さん、イベントスタッフの裏方、屋形船の中で働いていた事もあるそうで、さまざまな経験をしてきたからか今の良太さんはとても柔軟性のある方だなと感じます。

現在では黒字経営をされ山場の米農家を引っ張っていく存在の良太さんですが、継いだ当初は農家のノウハウがわからない状態でした。

最初はご両親の手伝いをしながら農業のノウハウを教わっていましたが、長年の勘だったり、感覚でやっていることが多く農家に転身したばかりの良太さんにとってはわからないことばかり。生活習慣も東京時代とはガラッと変わり、朝早く起きる事もキツく、米農家の生活に慣れるのも大変でした。

そんな中、農業用のラジコンヘリコプターの防除団体があることを偶然知り、興味本位で良太さんはその団体の会に参加をしてみました。防除団体に参加している方たちは、米農家界でも代表的な農家さんばかりで、一生懸命にお米を育てるために活動し、最先端の技術も学んでいる姿に良太さんはこの時深く影響を受けました。

この出会いがきっかけとなり、そこから農業の知識を吸収するためにありとあらゆる研修を受けに行きました。座学では専門的な知識を学び、実践の学習ではノウハウや技術を学んでいく中で、「同じような農業のやり方だけではなく、自分なりのスタイルで新しい農業をやっていきたい。」と思い始めました。

そこで良太さんは、ご両親に「1枚の田んぼだけ自分の好きなようにさせて欲しい」とお願いしました。この田んぼは、ご両親の干渉なく自由に自分なりに育てていこうと決め、最初の3年間はその1枚の田んぼに全力を注ぎました。

山場の田んぼ作業の助けとなる様々な機械を取り入れ、自分なりの農業スタイルを作っていきました。すると、その頑張る姿を見ていた周りの人達から段々と認められるようになり、良太さんのお米はじわじわと浸透し今では地域の担い手として活躍するまでになりました。

最初の機械に投資する額は大きくても、作業の負担軽減や効率性も上がり、結果として生産性を上げることに成功し、現在では水稲12町分(12ヘクタール)の田んぼを良太さんと奥さんで育てています。

マイケルジョーダンに会う日を夢見て上京

フランクで気さくな良太さん。自己紹介の時点で私のイメージしていた米農家さんとはだいぶ違うぞ?とその気さくと自分の世界観を持った良太さんに引き込まれていきました。

今の良太さんへと繋がる東京上京エピソードがあります。大学へ行くために東京に上京する良太さんですが、その背景には良太さんらしい理由がありました。

良太さんが入学したのは神田外国語大学の英語科。もちろん英語を学ぶために入学したのですが、きっかけは当時憧れていたバスケ界のレジェンド”マイケルジョーダン”。”マイケルジョーダン”といえば、フリースローラインからとんでもない跳躍力でダンクシュートを決めるなど数々の歴史に残る伝説を残してきました。

その”マイケルジョーダン”にいつか会った時に英語で直接質問したいことがあったそうです。

それは「地上の上を歩くよりも空中を歩く方が得意ですよね?」と。そして”マイケルジョーダン”から「そうだとも。」と答えてくれる事を期待して英語を学ぼうと決めた良太さん。

まさかのきっかけを聞いて私は一気に「藤巻良太」という人物のファンになってしまいました。残念ながらその夢は未だ叶ってはないようですが、まだ諦めず今の時代ならネットを通じていつか彼に伝えてみようかな?と違う方法も視野に入れているそうです。

先代の想いを背負いながら山場の田んぼを続けられる

山場の田んぼは斜面になっているので平場よりも重労働で生産性が悪く、米農家で生計をたてるのは難しい地域。

平場よりも1枚の田んぼが狭いため、アゼ(水田と水田との間に土を盛り上げてつくった小さな堤。水をためる役割や境界・通路になる。)や法面(のりめん、田んぼと田んぼの間にある斜面)が広く、草刈りがとても大変になります。

傾斜になっているため機械を使うのも一苦労。そんな手間がかかる山の田んぼをなぜ続けられるのでしょうか?

良太さんは私達を家の窓へと案内し、窓からの景色を見せてくれました。ずっと先まで広がる山場の田園風景が広がっていました。良太さんのご自宅までに通ってきた道を上から一望できるこの場所。

この日はあいにくの雨で雲が厚かったですが、晴れていれば八海山などの山々と田園風景とが一望できる最高のパノラマが広がります。その景色を毎朝見て「さぁ、今日も頑張ろう!」とこの景色が良太さんのモチベーションになっています。

風が吹く日には風の動きに合わせて穂がなびき「まるでネコバスが通っているみたいに感じるよ。」と子ども心も匂わせてくる良太さん。小学生の2人のお子さんには見えているのかもしれませんね。

その景色を見せてくれた後、田んぼに水を送る水路の話をしてくれました。

今では山場の地域でもいろんなところで田んぼを作ることができていますが、昔は今のような水路は通っていませんでした。溜池や水の流れを作る場所がなかったので、当時は2ヘクタールぐらいの農地しか作れなかったそうです。

それではお米も十分に生産出来ず、米農家としても普段の生活を成り立たせられないので、どうにかするべく先代達は動き出し始めました。機械もない時代だったので手作業で地道に日々コツコツと着実に作業をし、いつしかそこにはダムのような大きな溜池ができました。

先代達は忍耐強く諦めずに田んぼを作りたいという想いだけで作り続け、今でもその溜池は真人地域の山の田んぼを作る人たちにとって大事な溜池となっています。

私もその溜池の場所へ行かせてもらいました。車がすれ違えないぐらい狭い山道を進んでいくと、そこには大きな溜池が広がっていました。今では整備されてはいますが、当時は車や便利な機械もない中この山奥の場所へ足繁く通って溜池を作った先代の方達は本当に偉大な存在です。

こうした背景があるからこそ「自分達の世代で山の田んぼを絶やしてはいけない。先代の想いも背負いながら山の田んぼを続けなくてはいけない。」と力強さを感じました。
こうして田園風景が今見れているのも、遠い先代方のおかげです。

これからの真人地域、田んぼをどう守っていきたいか

勢いのある良太さんは田んぼのエリアを広げようと、他の地域の水利組合に加入してどんどんと拡大中です。しかし、そのエリアごとにやる事がそれぞれあるので、現在は農業以外の地域での仕事、事務的な仕事も多くエリアを拡大したい反面、農業だけに集中というのは現在難しい状況のようです。

スタッフが入れば仕事の量も分散はできるのですが、良太さんは人と人との信頼関係をとても大事にされています。今までの実績や「藤巻良太」という人柄だから任せてもらえることや柔軟に対応してもらえることもあるため、良太さんを軸に活動をされています。

若手米農家である良太さんは、真人地域で新しい活動をしている人達と、高齢化率の高い米農家さんとを繋げる中立的な立場にもなっています。しかし、高齢化率の高い業界なので今後は共に真人地域の農業を盛り上げていく人たちが減っていってしまうのが現状。そのため、農業者以外の業界の人たちとの連携がとても大事になってくると良太さんは言います。

その中で今考えているアイデアがあります。小千谷市では毎年2月に雪景色の中に色とりどりの気球を打ち上げる「おぢや風船一揆」という冬の風物詩があります。そのイベントとコラボして「気球はさかけ米」を計画中。

お米を収穫した後自然乾燥をするため、「ハサ」と呼ばれる棚に掛けて天日干しさせたお米があり、それを打ち上げる気球にかけるという斬新なアイデア。なんとも良太さんらしい考えです。話している時もとても楽しそうで、良太さんだから思いつくこの自由な発想。是非とも実現してほしいです。

全国から多数の人が集まる小千谷市の一大イベント「おぢや風船一揆」の新たな名物になること間違いなし!

さまざまな想いと共にいただくお米は特別な味

難しい山場の田んぼを日々楽しみながら育てている良太さん。ポジティブ思考なその姿を見ているご家族からもとても温かみのある雰囲気を感じました。小学生のお子さん達は二人でいつも一緒にいて仲が良さそうでした。普段からコントのような掛け合いをしているようで、賑やかなご家庭なのが想像つきます。

家族の大黒柱であり田んぼの主でもある良太さん。米農業界に革命を起こしてくれるのではないかと、今後の活動そして生き方から目が離せません。

さまざまな想いを背景に楽しそうに仕事をされている良太さんの特別栽培米。
そして地域の方達の協力と自然と共に育った真人地域のお米。
想いを巡らせながら頂けば、食卓も気持ちも素敵なひと時となるでしょう。
是非一度、ご賞味くださいませ。

藤巻良太さんのお米を食べてみたい!という方は、こめむすひ編集部までご連絡ください。
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この記事を書いた人

東福真理

コラム
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