本記事は、都市部の学生たちと農山村の地域の人々を結ぶきっかけづくりを行う「地域づくりインターンの会」で、小千谷市岩沢地区に約2週間滞在した大学生が執筆しています。
皆さんこんにちは、新潟県小千谷市に地域づくりを学ぶために学生インターン生として私を含め関東から3人小千谷市岩沢地区に訪れました。私は神奈川県川崎市川崎区から来た拙(つたな)い大学2年生です。
なぜこんなところに学びにシティーボーイが来た!?と思う方が多くいると思いますが、私が小千谷市で学ぶ動機はさておき、今回私は皆様に紹介したい小千谷市最高の絶景風呂があります!
それは・・・、小千谷市岩沢地区にある「崖魅湯」です。え?どこ?って多くの方々はなったと思います。小千谷市の住民でも知っている人は岩沢地区の住民ぐらいで穴場秘境温泉になっております。
「崖魅湯」は誰が?何のために作ったのか?
「崖魅湯」が作られることになったきっかけは景色のいい「崖魅湯」の場所を人々が集う安らぎの場所にしたいと考えている「岩沢アチコタネーゼ」の副代表駒井さんの強い思いから、過去に学生インターンで岩沢地区に訪れた学生らと共に「崖魅湯」が作られました。
「崖魅湯」を管理しているのはまちおこし団体の「岩沢アチコタネーゼ」です。まちおこし団体「岩沢アチコタネーゼ」は代表の関口さん、副代表の駒井さんをはじめとする多くの地域住民の方たちで構成されております。
アチコタネーゼの由来である「あちこたね」とは、地域の言葉で「心配ない」「大丈夫」を意味しており岩沢が抱える問題には常に「あちこたね」の心持ちで地域活性化に取り組んでいるそうです。
「崖魅湯」ができてから約6年の年月が過ぎ、今まで「岩沢アチコタネーゼ」が「崖魅湯」を管理しておりました。しかしながら、4年前に新型コロナウイルスが流行してから4年間「崖魅湯」を管理するほどの余力はなく長らく放置されとても荒んな状況に陥っておりました。下の写真は放置されていたころの「崖魅湯」です。
見ていただくとわかる通り風呂に入るどころか周辺環境の整備もしなくてはならない状況です。
私たちの「崖魅湯」再建の記録
そこで私達学生インターン生は、駒井さんの地域住民の集う安らぎの場にしたいという強い思いと過去のインターン生が作り上げた努力の結晶である「崖魅湯」を再建することにしました。
下の写真は5~6年前の「崖魅湯」整備作業の様子です。
「崖魅湯」は大きな黒い鉄窯をレンガやコンクリートブロックで囲いコンクリートで固めて作られた五右衛門風呂で、幅約1m50㎝高さ約1m10cmで作られています。
荒廃した「崖魅湯」を再び使える状態に戻すために私達インターン生はまず「崖魅湯」周辺の草刈りと杭打ちを分担して行いました。
1日目の作業
草刈り、杭打ち、木材に防腐剤を塗り終了
2日目の作業
防腐剤の2度塗りと脱衣所(木材パレット)、ベンチの作成(木材パレット)
3日目の作業
ベンチの設置、目隠し用のよしずの設置、転落防止柵の設置、景観改良
4日目の作業
五右衛門風呂内部の錆び取りと排水管の設置
before
after
再建完了
こちらが私たちが作った「崖魅湯」です!
こちらは改善された素晴らしい景色です!
「崖魅湯」再生完了まで要した総時間約14時間!「岩沢アチコタネーゼ」の方たちの協力もありとてもスムーズに怪我無く安全に作業することができました。
私たちが再建した「崖魅湯」は過去のインターン生が作り上げた「崖魅湯」の外見とは全く違うものになってしまったかもしれませが、五右衛門風呂内部と看板は再利用し、景観とマッチさせるように木材を中心に使用し施工(木材の腐食はあまり深く考えず)、ベンチや脱衣所の木材は地面と木材の間にコンクリートブロックを置くことで風通しを良くし湿気を逃がすように工夫しました。
少し地面から木材を離すだけでもだいぶ木材が長持ちすることを「里地・子育て広場 木のこん」という未就学児を対象にした施設からアイデアをいただき私達なりに工夫し利用しました。
「崖魅湯」の使用状況とヒヤリング調査
コロナが明け、私たちインターン生は再び「崖魅湯」を整備し人々が集う場所にするにはどのように何を工夫したら人々が集まるのか学生同士で話し合い、ただ「崖魅湯」を整備するだけにとどまらず様々なアイデアを考えました。私たちはヒヤリング調査を行い「崖魅湯」が作られた当時の利用状況やその他状況を知り今後どの様にして運営管理していくか考えました。
ヒヤリング調査で分かったことは、当時(コロナ前)「崖魅湯」を利用する人はとても少なく近くにある農家民宿「へんどん」(現在休業中)を利用する人だけで、地域住民も集まらず理想とする人々が集う安らぎの場には程遠い状況になっていたことがわかりました。
さらに、「崖魅湯」のある集落は空き家が多く現在集落で暮らしているのはたったの2世帯で、普段東京などの首都圏で暮らし時間のある時に畑を管理するために集落に戻ってくる人が多くそもそもの人口が少ない場所だから人が集まらないこと、駐車場が小さいことや駅から遠い、Google mapにも載っていないから行きにくいなど聞けば聞く程様々な課題があることを知り、人が集まらないのだと気づきました。
「崖魅湯」を人々の拠り所にするためヒヤリング調査実施しましたがお祭りのお手伝いや「アチ庫ホール」(アチコタネーゼが管理している倉庫)の看板づくりなどほかの作業の関係もあり自分たちの考えを実現することはできませんでした。しかし、再整備した「崖魅湯」はとてもきれいな場所に戻ったので多くの人に来ていただけたいです。
越後岩沢駅から「崖魅湯」までのルート
お待たせいたしました。最高五右衛門風呂「崖魅湯」までの道のりは下の画像から分かる通りでございます。車で最速6分、徒歩51分、片道最短3.8km、の道のりの先に絶景の五右衛門風呂「崖魅湯」があります。ちなみに「崖魅湯」までの道のりで、車で15分のルートは道中にある田んぼの風景と森林がとても綺麗です。
崖魅湯までの経路は「JR越後岩沢駅から崖魅湯までのルート(Googleマイマップ)」からご確認ください。車は2台駐車できるスペースがあります(正式な駐車場はありません)。崖魅湯までは駐車場に車を置いて徒歩でお越しください。
「崖魅湯」は過去のインターン生が作り上げた努力の結晶であり地域を活性化したいと考えている地域住民の思いの詰まった場所になっております。五右衛門風呂からの景色も周りの田園風景も全てが素晴らしいのでぜひ訪れてください。