新潟県では農村集落の将来にわたっての維持・活性化を支援するためビレッジプラン2030という取り組みを行っています。この記事ではビレッジプランではどのようなことが取り組まれているのか紹介していきます。
新潟県ビレッジプラン2030とは

新潟県では、地域社会の維持・活性化を目的としてビレッジプランの策定と実践を支援しています。
ビレッジプランの支援内容
主な支援内容としては、以下の点が挙げられます:
- 交流の場や宿泊施設の整備による交流の充実
- 廃校を活用した女性等の活動拠点づくり
- 農地の受け皿や所得確保の基盤となる農業法人の設立
- 特産品等の開発による地域ブランドづくり
- 連続講座受講者による話合いやワークショップ等のサポート
- 持続可能な地域社会総合研究所による現地支援
令和4年度からは、プランの本格的な実践に先立つ試行的な取組等が支援されています。令和3年度までには、計29地区で現状分析や将来プランの策定が支援され、このうち12地区でプランが策定されました。
ビレッジプランの事例
資料には、重点地区の動き・事例として、出雲崎町釜谷地区と関川村金俣地区の取り組みが紹介されています。
出雲崎町釜谷地区
出雲崎町釜谷地区では、将来プラン策定・実践のための活動組織が設立され、営農継続、梅産地、担い手づくり、鳥獣害防止の4チームに分かれて話合いが実施されています。
梅の生産性向上や地区住民と地区外の若者グループとの交流を目的とした剪定研修会も実施されています。策定されたプランの内容は住民向けの報告会で説明され、町長も出席しています。
地区が目指す姿として、貴重な農業(梅・米)が地区内外の協力によって守られ、住民や関係者が安心・安全・快適に過ごせる環境づくりが掲げられています。具体的な取り組みとして、中山間地域等直接支払交付金を活用した水田畦畔の草刈り体制づくりやイノシシ被害防止の電気柵設置、梅を活用した地域ブランドづくりなどが計画されています。
関川村金俣地区
関川村金俣地区では、地区の若手グループ「金俣開発部」が中心となり、将来プランの策定に向けて検討会が重ねられています。地区住民向けの報告会も開催され、地区が目指す姿や取組の計画が説明されました。
プラン検討と並行して、交流拡大イベントとして「砂金採り・稲刈り体験ツアー」が開催されています。
これらの事例から、新潟県のビレッジプランは、地域住民が主体となり、地域の特性や課題を踏まえた将来像を描き、その実現に向けた具体的な取り組みを進めることを支援するものであると言えます。交流促進、産業振興、生活環境整備など、多岐にわたる分野での活動が展開されており、中山間地域等の活性化 にも貢献することが期待されます。
小千谷市真人地区のビレッジプラン

小千谷市においては真人地区でビレッジプランに取り組んでいます。
真人地区のビレッジプランは、地域社会の維持・活性化を目指した総合的な取り組みであり、その内容は多岐にわたっています。主な取り組みはのとおりです。
- 公共交通対策としてのコミュニティバスの導入と活用 [参照: 会話履歴]: 高齢化が進む真人地区において、住民の移動手段を確保するため、コミュニティバスの導入が計画・実行されています。実証実験を経て、本格的な運行に向けた準備が進められており、買い物支援、通院、温泉への送迎など、多岐にわたる活用が検討されています 。
- 地域農業の振興、特に「まっと米」のブランド化: 真人地区の特産品である「まっと米」の価値向上と販路拡大に向けた取り組みが行われています。これには、品質診断の実施、販売促進シールの作成、地域外へのPR活動などが含まれます。
- 住民の生活支援: 買い物支援として、買い物ツアーの実施 や買い物支援冊子の発行 など、日常生活における利便性向上を目指した取り組みが行われています。
- 地域資源の活用: 使われなくなった公共施設(旧真人保育園など)を地域活動の拠点として活用するための実証実験が行われています。子供たちの遊び場や交流の場としての活用が検討されています。また、旧真人温泉の源泉を活用した足湯の設置も計画されています。
- 地域コミュニティの維持・活性化: 住民間の交流促進や新たな住民の受け入れ(移住支援)、地域活動の後継者育成など、地域社会の繋がりを強化するための取り組みも進められています。真人和風あい交流館が住民の交流拠点として活用されています。
これらの活動は、主にビレッジプラン実践委員会が中心となって推進しており、小千谷市や地域住民との連携を図りながら、具体的な事業として展開されています。ビレッジプランは、地域が抱える課題に対応し、将来に向けて持続可能な地域社会を築くための重要な指針となっています。