2014年に神奈川県から小千谷市の岩沢集落に移住して早10年が経ち、11年目に突入しました、せいのうれいと申します。
栄養学を学び、食品メーカーの研究所勤務を経験し、はたまたNGOのボランティアとしてケニアで子供の支援に関わったり、そのほかにも介護職や事務職や飲食業や、あれやこれやと職を転々としてここにたどり着きました。
現在の本業は(何が本業か分からないのですが、中でも自分が事業主として行っているものは)【ポレポレ工房】という菓子製造業ということになりますでしょうか。お米や地元の素材を生かしたお菓子、オーダーケーキ、時にお弁当やお惣菜なども作っています。

また、成り行きで始めた農的暮らしにすっかり魅了され、畑や田んぼで土と戯れる、いわゆる【半農半エックス】的な生活も板についてきて、最近では『本業は農家ですか?』とまで聞かれるようになりました。(笑)
実際のところポレポレ工房以外にも、農業法人のお手伝いや受託の事務仕事などいくつかの収入源を持ちつつ、本業も暮らしも楽しむイナカフリーランスです。
そんな私も気が付いたら移住から10年を過ぎ、町内の役員も断れない立場になっております。
今回は、小千谷市が移住したい町ランキングにランクインしたらしいという噂を聞いたので、少し調査してみました。
情報の出どころは宝島社でした
皆さんは、宝島社の【田舎暮らしの本】という雑誌をご存じですか。移住に興味のある方なら何度かは目にしたことがあるのではないでしょうか。こちらの2025年2月号の特集で、住みたい田舎ベストランキングなるものが実施されておりました。
これはなかなか興味のわく特集ですね。
というわけで、さっそく内容を見てみました。
今回の調査は全国547市町村を対象にアンケートを行い、その回答を基準に様々な観点からランキングを行ったというものでした。
新潟県内からは15自治体が対象となっています。新潟県には全部で30の市町村があるのでちょうど半数ですね。
回答しているのは自治体ですので、移住のためにどんな対策がされているのか?実際の移住者はどのくらいいるのか?
などの客観的事実に基づいたランキングということですね。
読み進めていくと我が小千谷市の名前がちらほらと見えてきますので、一つずつ見ていきたいと思います。
移住者増の人気地ベスト100にランクイン
まずこちら、移住者が増えている人気の地域ということで、移住者数の人口に占める割合と、過去2年間の転出と転入の差、いわゆる社会増減、他県・首都圏・国外からの転入者の増加、若年女性の人口の増加等を指数化してランキングにしたものです。
その結果、ベスト3はこのような結果です。
1位:茨城県境町
2位:山梨県丹波山村
3位:長野県栄村
小千谷市は、81位にランクインしていました。しかも、新潟県では唯一の100位以内入賞です。割と地味なイメージの小千谷市ですが、実力はなかなかのものだということでしょうか。
ちなみにわたくし、小千谷市の【移住サポーター】の委嘱も受けておりまして、移住相談、発信業務のお手伝いなどもさせて頂いているのです。こちらのサイトもよかったら参考にしてみてください。
他の自治体もそうだと思いますが、行政としても様々な取り組みを行っています。
さて本誌では、ベスト3の特徴が紹介されていました。簡単にご紹介します。
≪茨城県境町≫
●25年間住み続けると無償譲渡される新築の賃貸住宅が完備。家賃補助など子育て新婚世代への住宅支援が充実。
●町立の小中学校、保育園での英語教育が先進的であり、小中学生の英検保有率が高い。
●保育施設、小中学校の給食無料、第2子以降の保育料無料、20歳学生まで医療費無料。
≪山梨県丹波山村≫
●人口約500人と少ないにもかかわらず、地域おこし協力隊や、大人の山村留学などで20~40代と子供の人口が増加している。そのつながりで訪れる関係人口も増えている。
●30年以上続く【親子山村留学】に多くの親子が参加、大自然のなかでのびのびと学べる制度がある。
●移住定住促進協議会が見学会や移住相談などを実施、受入れのサポート体制が厚い。
≪長野県栄村≫
●古民家物件が手頃な価格で入手できる。首都圏から移住しセルフリノベーションする若者が増えている。
●空き家対策が充実。村が空き家を借り上げリフォームして貸し出す村営住宅を制度化。
なるほど、それぞれその土地の特徴を生かし、移住者や住民向けの対策を行っているのですね。やはり若者や子供たちが住みやすい地域というのが、大きなポイントではあるようです。
人口規模別のランキング
次に、自治体の人口規模ごとに、年代別の部門を設け人気ランキングを行っています。
自治体の人口規模として【5000人以下】【5000人以上1万人未満】【1万人以上3万人未満】【3万人以上5万人未満】
さらに、【5-10万人】【10-20万人】【20万人以上】で分類。
年代別部門は、【シニア部門】【子育て世代】【若者世代・単身者】、そして【総合】と分けられています。
小千谷市の人口は現在約32,000人ですので、【3万人以上5万人未満】に分類されます。自治体数は合計98となっています。それぞれの部門ごとにベスト20が発表されていました。
年代別部門では残念ながらランクインはされていませんでしたが、総合で19位に入賞していました。
いわば『平均してバランスよくどの年代にもまあまあ住みやすい環境』と理解できますね。
新潟県内の自治体を探してみると、
【子育て世代】部門で佐渡市が17位、【若者世代・単身者】部門でお隣の十日町市が6位と健闘しています。
確かに、佐渡も十日町も確かに元気なイメージがあります。
エリア別のランキング
次に、エリア別のランキングです。北海道、東北、北関東、北陸、甲信、東海、近畿、中国、四国、北部九州、南九州沖縄、と細かく分類されています。
小千谷市は北陸エリアですね。31自治体中の部門別ベスト10が出ています。
部門別に見ていきましょう。
≪シニア世代≫
1位 富山県南砺市
2位 新潟県新潟市
3位 新潟県上越市 4位 新潟県三条市 5位 新潟県長岡市 6位 新潟県柏崎市 7位 新潟県胎内市
新潟県が多くランクイン、比較的交通の便が良さそうな地域がランクインしていました。
≪子育て世代≫
1位 富山県魚津市
2位 富山県氷見市
3位 富山県南砺市 4位 富山県黒部市 5位 石川県白山市 6位 新潟県佐渡市 7位 福井県福井市
富山勢が圧倒的ですね。
≪若者世代・単身者≫
1位 福井県福井市
2位 新潟県十日町市
3位 富山県南砺市 4位 新潟県柏崎市 5位 富山県氷見市 6位 新潟県佐渡市 7位 新潟県三条市
小千谷市は9位です。
そして≪総合部門≫にて、5位に小千谷市ランクイン。やはりバランスが良いのが小千谷市。
本誌には、そのほかにも多種多様な自治体の取り組みや実績、移住者の生活の様子などが紹介されています。興味のある方はぜひ手に取って読んでみてください。
小千谷市の実際の取り組み
さてそんな我が小千谷市、実際にはどんな取り組みや制度があるのかをご紹介してみます。
●今熱いのは何といっても昨年度オープンした市立図書館、その名も【ホントカ。】
ここは市としてもかなり力を入れているようです。
施設内には小千谷ならではの郷土資源などの展示スペースもあります。またイベントスペースも充実しているので、読み聞かせイベント、マルシェなどがよく行われています。
そして子供が自由に動き回れるスペース、なんとも心躍る空間です。自分が子供だったら毎週遊びに来たいかもと思いました。

また、本の貸し出しにはカード不要の顔認証システムを導入しています。身一つで行って本が借りられるなんて、なんてラクチンなのでしょう。市民としては利用しない手はないですよね。
●地域おこし協力隊
現在5名の隊員が活動中。それぞれ、農業、観光、商店街の活性化などの分野で頑張っています。
また、2名の隊員を募集中です。
私自身も元協力隊。移住仲間が増えるのは嬉しいことです。
任期終了後には、県から起業支援のための助成金の制度もあるので定住のための足掛かりとしてはとても良い制度だと思います。
募集については小千谷市、JOINのホームページなどを参考にしてください。
小千谷市地域おこし協力隊募集要項
https://www.city.ojiya.niigata.jp/soshiki/nigiwai/hontoka-kyoryokutai.html
JOIN
https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/index.html
●住宅取得支援制度
定住促進のため、マイホーム取得補助金があります。
50歳未満の方が対象で、新築、建売、中古いずれでも申請でき、基本額20万円に下記のような要件を満たせば加算金が出ます。
①子育て世帯若者夫妻 20万円
②転入者 20万円
③市内業者と契約 20万円
④子供加算 5万円
詳しくは、建設課に問い合わせをしてみてください。
https://www.city.ojiya.niigata.jp/soshiki/kensetsu/teiju-sokusin.html
●2拠点でも利用可。滞在型農園クラインガルテン
こちらは、専用の農園を備えた簡易住居形態の宿泊施設です。生活には十分な機能を備えており、年間利用料(約40万円)と光熱費の負担で利用することができます。200平米の畑がついており農作業の指導や、道具の貸し出しもあります。『2拠点生活』や『週末移住』、『農園体験』などを通して小千谷の生活を試してみたい方には最適な施設だと言えます。
R7年度の利用も募集中です。興味のある方はこちら、にぎわい交流課へどうぞ。
https://www.city.ojiya.niigata.jp/soshiki/nigiwai/fureainosato-taizai.html#osusume
●子育て支援制度
出産給付金金5万円、子育て応援給付金5万円に加え、3歳児以上は全員無償となりました。
3歳児未満については、課税額に応じた負担がありますが3人目以降は無償となります。
詳しくは教育・保育課までお問い合わせください。
https://www.city.ojiya.niigata.jp/soshiki/education/hoikuryou.html
代表的なものをご紹介してみましたが、いかがでしょうか。
住みやすさは人それぞれ。個々のニーズにあっているかどうか。
今回は、雑誌のランキングをもとに小千谷市をご紹介しましたが、私自身が思う小千谷市の魅力は、このような物理的な支援制度以外のところにもあります。
たとえば、四季折々の季節の美しさ、畑や田んぼで好きなように作物を作れる環境、お米や野菜や魚が美味しいこと、出会う人々との交流などなど、一言では言い尽くせないくらいの良さがあります。住めば済むほどいろいろな発見もあり、それらの魅力は増しているんです。
過去のコラムやSNSなども参考にして頂けたらと思います。
↓↓↓
Instagram
移住とまではいかなくても、小千谷市を訪れてみたいとか、ちょっと興味あるなどという方のきっかけ作りのお手伝いになったら嬉しいです。
ご相談や質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
せいのうれい 半農半X型イナカフリーランス
2014年地域おこし協力隊として移住。任期終了後にポレポレ工房を起業、地元の食材や自家栽培の素材などを使ったお菓子や料理の製造販売を行う傍ら、農業法人でのアルバイト受託仕事やをしながら生計を立てている。なりゆきで畑や田んぼをあてがわれてから野菜や米作りに魅了され、趣味と実益を兼ねて農作業にいそしむ。