玄米は、浸水時間が長かったり、ボソボソしたりすることから敬遠されることも少なくありません。
そこで今回紹介したいのが、玄米を煎って食べやすくする方法です。香ばしい玄米を炊いて食べたり、玄米茶やヘルシーなスイーツに変身させたりと玄米にはいろんな楽しみ方があります。
栄養満点な玄米を美味しくいただくために、一工夫してみましょう。
乾煎り玄米の効果とは
玄米に一手間加えて「乾煎り玄米」にすると、玄米のデメリットを改善し、よいところを引き出してくれます。玄米を手軽に楽しめるので、ぜひ試してください。
ここでは、乾煎り玄米の効果を紹介します。
毒抜きができる
玄米には毒があると聞いたことはあるでしょうか?近年、玄米に含まれるアブシジン酸が健康を害する可能性があると噂されています。
アブシジン酸は、200℃程度の加熱で失活するのが特徴です。そのため、玄米を強火で煎るとよいとされています。
しかし、アブシジン酸は、実際には害があると言われているだけで、しっかりとした研究結果が発表されている訳ではありません。
植物が成長する上で欠かせない植物ホルモンのアブシジン酸。過剰に心配する必要はないでしょう。
浸水が不要になる
玄米を煎ると、外皮にヒビが入り通常の玄米より容易に水を吸うようになります。
浸水時間を長く取らなくても、炊くことができるので、調理時間が短縮できるのが利点です。
また、外皮は食物繊維で消化しにくい部分となります。外皮が割れて細かくなるので、通常の玄米より消化しやすくなるでしょう。
外皮が硬く浸水時間をしっかりと取らないと美味しく食べられない玄米が、煎るだけで食べやすくなります。
香ばしさがでる
玄米の香りは、食べづらいと感じる原因の一つです。ぬかや胚芽が含まれる玄米には独特な匂いがあります。
玄米を煎ると玄米独特の香りがなくなり、香ばしく食べやすくなるのがメリットです。
ぬかや胚芽は栄養素がたくさん含まれており、この部分を取り除き精米したものが白米となります。
日頃、白米を食べなれている人にも乾煎り玄米はおすすめです。
どんな香りがするのかイメージしづらい方は、玄米茶などの香ばしさをイメージするとよいでしょう。
本サイトの「日本全国お米図鑑」では、玄米食に適したおすすめのお米を紹介しているので、以下のバナーからチェックしてみてください!
玄米の乾煎りの方法
玄米は、フライパンで簡単に煎ることができます。まずは、玄米を水で洗い、ゴミなどを取り除き、ざるに上げて水気をしっかりと切りましょう。
その後はフライパンに入れて火にかけて煎るだけです。難しいことはあまりないので、以下の注意点を確認して、煎ってみましょう。
強火で炒める
玄米を煎る場合は、強火で炒めましょう。ただし、しっかりと木べらなどでお米をかき混ぜる必要があります。
できるだけ均一に火を入れたいので、火にかけて全体が乾いてきたら、こまめに混ぜてください。
黒く焦がさないように気をつけて、火を入れましょう。黒くなりそうな場合は、中火くらいでも構いません。
コゲは逆に身体によくないので、うっすらと茶色くなるくらいがベストです。
焦げないようにあおる
フライパンを上手に扱えるなら、全体を入れ替えるために時々フライパンをあおるとより均一に火が入ります。
初めは1分間に2〜3回程度で構いません。全体が乾いてきたら、火の入り具合を見ながら焦げないようにフライパンをあおるとよいでしょう。
ただし、フライパンをあおるのに慣れていないと、玄米をまき散らしかねません。
フライパンをあおるのは意外と大変なので、その場合は木べらを使って混ぜましょう。
胴割れ米、斑点米を取り除く
玄米にはよく見ると黒い斑点のついた斑点米や、お米の内部に亀裂の入った胴割れ米などがあります。
斑点米は、カメムシなどにデンプンを吸われ、その後にカビが生えたものです。お米を洗う前にざっと手ですくって確認しましょう。
また、胴割れ米は、稲の生育状況や天候、気温などさまざまな原因で起こります。割れると食味が低下してしまうので、気付いたら取り除くのがおすすめです。
洗っているときに浮いてくるお米などは取り除きましょう。
炒り玄米の炊き方
次に、炒り玄米を美味しく炊く方法を紹介します。
香ばしく炒った玄米も炊いてご飯として食べられるので、ぜひ挑戦してみてください。
炒り玄米はすでに水洗いして火が入っている状態のものなので、洗う必要がありません。常備しておくとすぐに使えるので便利です。
炒り玄米は、
- 炒り玄米に対して、1.3〜1.5倍程度の水を入れる
- 白米モードで炊く
これだけで美味しく食べられます。
ぬかや胚芽の臭みが気になる方は、塩を少し入れるとよいでしょう。塩は玄米の浸水率をよくしてくれるので、より柔らかくしたい人にもおすすめです。
また、炒り玄米のみで炊くより、白米と玄米を半々にして炊き上げた方が美味しいという声もあります。
お米の柔らかさや混ぜ具合は好みに合わせて調整しましょう。
乾煎り玄米をおいしく食べられるレシピ
次に、乾煎り玄米を美味しくいただくためのレシピを紹介します。
そのまま食べても美味しい乾煎り玄米は、スイーツやトッピングなどにも最適です。
乾煎り玄米のアレンジレシピをぜひ試してみてください。
レシピ1:乾煎り玄米の炊き込みごはん
白米と乾煎り玄米を使った、簡単な炊き込みごはんの作り方を紹介します。
- 白米2合を水で洗い、炒り玄米1合を加えて炊飯器にセット
- 水を3合のメモリまでいれ、昆布1片・塩ひとつまみ・生姜2片・きのこ100gをいれ、炊き込みご飯モードで炊く
- 甘鮭2切れを魚グリルで焼いてほぐす
- 炊き上がったら、3を加えて全体を混ぜる
- 茶碗によそって、青ネギやごまをかけたら完成
好みで醤油やかつお節をかけてもよいでしょう。
レシピ2:大根サラダやお茶漬けのトッピングに
しっかりと火をいれた乾煎り玄米は、カリカリとした食感になります。大根サラダやお茶漬けなどのトッピングに最適です。
大根サラダの作り方は簡単。大根10cmをスライサーでスライスして、千切りに。わかめを水で戻し、醤油・出汁・わかめとあえて、韓国のりとごま油をかけます。
仕上げに乾煎り玄米をかけるだけです。豆板醤などを加えて、アレンジするのもおすすめ。
お茶漬けは、多めに入れてゆっくり食べると、だんだんと食感の変わる玄米を楽しむことができます。
レシピ3:玄米バーでおやつに!
乾煎り玄米とナッツやドライフルーツ、ココナッツパウダーを合わせた美味しいスナックバーの作り方を紹介します。
- 玄米1/2カップとオートミール1/2カップ、ナッツ類1/2カップを合わせる
ナッツはアーモンドやくるみ、カシューナッツと好みのナッツを用意 - 米飴大さじ3〜4を鍋に入れて火にかける
- ぶくぶくしてきたら、1を加えて全体を混ぜる
- 熱いうちにクッキングシートを敷いたトレーに移し平らにする
- 冷やして固まったら、好みのサイズにカット
乾煎り玄米の保存方法
乾煎り玄米は、水分がなくなっているので、長期間保存ができます。瓶などしっかりとした密封容器に入れておくとよいでしょう。
湿気の多い場所や暑い場所は避けて、涼しい場所に置いておくのがベストです。
梅雨などで湿気が気になる時期は、乾燥剤を一緒に入れておくとカリッとした感触を保てます。
電気やガスが止まっても、水を入れて置いておくだけでお米のように食べられるので、非常食として多めに保管しておくと便利です。
玄米を食事に取り入れよう
玄米をより手軽に美味しく取り入れたい方におすすめの乾煎り玄米。白米のように炊くことができるので、すぐにご飯として炊きたい場合にも重宝します。
健康のために、豊富な栄養素を含む玄米を気軽に取り入れてみませんか?
ぜひ自分好みのアレンジレシピを見つけてください。