こめむすひでは、新潟県小千谷市の米農家や農村文化を取材して記事を執筆するツアー「ライティング・トリップ」を開催しています。
ライティングトリップでは、小千谷市に実際に来て、米農家さんや地域の記事を取材・執筆していただきます。記事執筆完了後、報酬として取材した農家さんのお米を「5kg」が6ヶ月毎月届く仕組みです。
この記事では、2022年8月20日から21日に開催されたツアーについてご紹介します。
次回は、12月3日・4日に開催されます。参加者の募集はWorkRiceのWeb サイトで行っております。この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひご応募をお願いします!
※ライティング・トリップは「新潟の食と農を守る地域貢献ツーリズム Work Rice(事務局:にいがたイナカレッジ)」と連携して開催しているツアーです。
ライティング・トリップ概要
まず今回開催されたライティング・トリップの概要をご紹介します。
今回のライティング・トリップでは、3組(4名)の方にご参加いただきました。参加者はいずれも東京在住の方で、遠路小千谷まで来ていただきました。
タイムテーブル
2日間の行程は、以下の通りです。1日目に、2グループに分かれて、3名の方の取材を行います。
▼8月20日(1日目)
13:00 | 農家民宿集合・オリエンテーション |
13:30 | 2グループに分かれて取材先へ移動 |
13:40 | 取材 |
17:00 | 民宿に集合・自由時間 |
18:00 | 夕食 |
19:00 | 交流会 |
▼8月21日(2日目)
8:00 | 朝食 |
9:00 | 集落のお散歩ツアー |
10:00 | 解散 |
1件の取材はおおよそ2~3時間程度です。
取材終了後は、取材対象の方や参加者同士の交流会を開催しました。
宿泊先
今回の宿泊先は、小千谷市若栃集落にある「古民家民宿おっこの木」です。
おっこの木は、けやきで建てられた築150年を超える古民家を改修した民宿です。おっこの木の売りは、何と言っても地元のおばあちゃんたちとの交流。きさくで、おしゃべり好きなおばあちゃんたちが、お客さんを暖かく迎えてくれます。
ツアーの様子を写真つきでご紹介
今回の2日間のツアーを写真付きでご紹介します!こちらは、今回の参加者の皆さんです。それぞれ「農家さんとつながりたい!」「発酵文化について知りたい!」などの動機で参加してくださいました。
参加者の皆さんのバックグラウンドを聞くと、こちらが取材をしたいくらい個性的。向かい入れる側と参加者の皆さん、参加者同士の交流も楽しいものでした。
次に、今回の3件の取材先について紹介します。
取材先①:Mt.ファームわかとち 細金剛さん
まず1件目の取材は、今回の宿泊先でもある若栃集落で、お米や加工品の生産販売、古民家民宿の運営を行っている「Mt.ファームわかとち」さんです。取材には社長の細金剛さんが対応していただきました。
取材は、お米の生産や販売に関することだけでなく、若栃集落の村づくりにまだ及びました(むしろそちらが中心でした 汗)。若栃集落は、2004年にあった中越大震災で大きく被災した集落の1つです。震災から復興活動をきっかけに、様々な村づくりの取り組みをスタートしています。
Mt.ファームわかとちは、村づくりの中心となる組織。地域で耕作できなくなった田んぼを引き受け、農地が荒れないよう持続的な農業経営に取り組んでいます。
完成した記事はこちらです。若栃のお米のことから村づくりのことまで丁寧にまとめてくださいました。
「生きがいを持てる社会をつくる」農業を通じた若栃集落の村づくりの挑戦
取材先②:ポレポレ工房 清野憂さん
2件目の取材先は、岩沢地区で地元食材を使ったお菓子の製造をしている「ポレポレ工房」を営んでいる清野憂さん。
清野さんは東京の生まれ育ちで、2014年に地域おこし協力隊の制度を利用して、小千谷市に移住しました。地域おこし協力隊時代は、農家レストランの経営や農家民宿の立ち上げに関わり、3年の任期終了後にお菓子工房で起業しました。
今回の取材のテーマは清野さんの作る「発酵お菓子」がテーマだったのですが、取材執筆を担当した小宗さんの中で「清野さんの生き方を記事にしたい」という思いが強くなり、記事構成を大きく変更しました。ライティング・トリップでは、こういうテーマ変更は大歓迎。取材を担当した方が心に響いたことをぜひ記事にしてもらいたいと思っています。
完成した記事はこちらです。メッセージ性の強い記事となっているので、ぜひ読んでみてください!
【バブル世代で都会暮らしの方へ】半農半X型イナカフリーランス清野憂さんから学ぶ一本道ではない働き方・生き方
取材は当初の予定を大きく超える、約3時間!清野さんお手製のお菓子もいただきました。
取材先③:米農家 藤巻良太さん
3件目は、小千谷の若手米農家を代表して藤巻良太さんに取材を受けていただきました。藤巻さんは、奥さんとお子さん2人の4人家族。家族経営でお米づくりをしています。
藤巻さんがお米づくりをしている真人(まっと)地区は、小千谷の山間部に位置し、棚田が広がるきれいな村です。しかし平場とは違い1枚1枚の田んぼが小さく、耕作には不利と言われている地域です。そんな地域で、藤巻さんがお米づくりをする思いをお聞きしました。
話はお米づくりだけではなく、藤巻さんの生き方そのもの及びました。外語大に進学するために東京に出て、東京放浪生活を経て、実家の農業を継ぐまでのお話は驚きの連続でした。完成した原稿はこちらです。取材してくださった東福さんのお人柄もにじみ出る素敵な記事に仕上がっているので、ぜひ読んでみてください。
【放浪人生から米農家へ】過酷な山場の田んぼに挑み続ける生き方を米農家14代目が語る
交流会
昼間刺激的なお話をいっぱい伺い、夜は民宿の隣にある「蔵を改修したBAR」でみなさんと交流会。集落のおばちゃんや、昼間取材を受けてくださった清野さんなども参加し、にぎやかな夜になりました。
集落お散歩ツアー
翌日の朝食後には、今年の春から若栃集落で暮らし始めた西畑さんガイドの集落お散歩ツアー。1日目は雨降りであったため集落の中を回ることができませんでしたが、この日が朝から快晴でした。
若栃集落の山の中にある田んぼまで車と徒歩を駆使して行ってきました。山の奥深くまで広がる棚田の美しい光景に出会えました。
そして、西畑さんが無農薬・無肥料で作っている田んぼに皆で裸足で入るというアクティビティ付き。西畑さんの田んぼは、稲刈りを1ヶ月に控えたこの時も、春の田植え時期のように水が張られた田んぼです。西畑さんのおかげで、米農家さんのお話を聞くだけでなく、実際に田んぼに足を踏み入れるという体験ができました。
次回開催は、12月3日(土)‐4日(日)
ライティング・トリップは、こめむすひの記事を執筆するためのツアーではありますが、農業や農村に興味のある方と農家さんの交流に重きを置いています。
テーマや取材先はこちらで準備しますが、できる限り参加者の皆さんの興味に合わせてマッチングを行います。「農村への交流ツアーに参加して、そこで聞いたこと感じたことを記事として残していく」そんな気持ちで参加してもらえたらと思っております。
次回は、12月3日(土)‐4日(日)で開催します。もしかしたらもう雪が降り積もっている恐れがありますが、それはそれで楽しんでもらえたらと思っています。取材のテーマは「郷土料理」「冬の保存食」「わら仕事」です。ぜひご感心のある方は、以下から参加申し込みしていただければと思います。