農業ド素人ですが何か・・・?

皆さん初めまして。2014年に神奈川県から小千谷市の岩沢集落に移住して早8年、せいのうれいと申します。

本業は(何が本業か分からないのですが、中でも自分が事業主として行っているものは)【ポレポレ工房】という菓子製造業ということになりますでしょうか。たまに講師業なんかもしています。

そのほかにも、農業法人での事務のアルバイト、受託の事務仕事、地元集落のお年寄りの集いの場お手伝い、などもしており、いわゆるフリーランス的な働き方です。少し前にこれを、【イナカフリーランス】と名付けてくれた人がありましたが、いい肩書で気に入っています。

その傍ら、畑と田んぼで作物を作るということもしている次第です。でも全然そんなつもりなかったんです。はじめは。

これが、やり出したらめちゃめちゃ楽しくなっちゃって困ってます。っていうことを皆さんにお伝えして良ければなと思います。

なぜ私が興味のなかった【農】にかかわることになったのかをまずお話させていただきます。

この記事を書いてる人

そもそも畑をやるつもりなどありませんでした。

 

もともと、現代の食生活には多大なる疑問を持っており、都会の暮らしが性に合わないとか、組織に雇われて働くのが性に合わないとか、いろんな理由から移住をしてきたのですが、主に地域の食に関わる仕事がしたくて地域おこし協力隊として着任した当初のミッションは、『農家レストランの企画運営』だったと記憶しています。

協力隊の『受入れ元』となる農家レストランの某運営団体は、いわゆる地域活性化を目指す団体で、他にもいろんな活動をしていました。イベントの運営、都会の人たちとの交流事業(いわゆる農業体験ツアーの実施)、農家民宿の運営、冬場には高齢者世帯の除雪支援、そして耕作放棄地の活用なんかも。。。ですので飲食業以外にもこれらの活動に関わる業務に追われ、日々バタバタと過ごしておりました。

 

耕作放棄地とは

過疎化が進んでいる地域ですので、もちろん人や家はどんどん減っています。

それで、主を失った田んぼや畑が増えてくるわけです。これを『耕作放棄地』といいますが、実際は【放棄】されたわけではなく、人々が耕作することが【困難】になってしまった土地ですよね。

ですから、地域の活性化をテーマに活動する私の受入れ団体が、空いてしまった土地を使って何か作物を作ろうってことになったのです。その時の私は農作業なんてしたこともない、畝(うね)なんて言葉も知らない素人、ただみんなの活動だから手伝いましょうかねえ。という立場で農作業という経験が始まりました。

 

初めはみんなで蕎麦の栽培から始めました。収穫して出来た蕎麦は農家レストランで提供したり販売したり、なんとか形になりました。

が、2年目が不作でほぼ収穫できず。天候も原因の一つだと思われますが、なんか作業も結構大変だし、飽きてきたし、違うものを作ろうじゃないかとなりました。

というわけで翌年はいちご。

実ったいちごは地元の保育園児たちに『いちご狩り』体験してもらったりしていました。シーズン中1回か2回ぐらい。
作物ってたくさん作ると大変なんですね。毎日毎日たくさん採れるんです。収穫時期には私も毎朝せっせと収穫しに畑に通っていました。でも収穫物の使い道もちゃんと決めてなかったし、どんどん採れるいちごを持て余すばかりでした。

畑の管理って楽じゃない。初めは張りきって蕎麦撒いたりいちご植えたりしていた人たちも、だんだん畑の存在を気にしなくなり、次第に忘れていき。。。
気づいたら約2反(20アール・600坪)の畑には誰も来なくなっていた。という状況です。

だったら好きにやりましょう

それまでは、人の主導で手伝っていた畑作業。

残されたのはたった一人。逆に考えれば、自由自在に使っていいことになったわけです。

じゃあ好きなようにやってみよう!となりますよね。

実は、見たり教わったりする中で、いろいろな疑問があった訳でして。ド素人だからこその違和感で、ほぼ個人的な感覚によるものです。

まず、石灰をまくこと。春になって雪が解けて、畑に何かを植えますよってなると、なぜかみんなまず石灰をまく。

もうここから疑問。石灰って、運動会の時に地面に線引く時に使うあの白い粉?

それから、カラフルな色の粒々(化学肥料です)を地面に投入するという行為。

それから、茶色いむき出しの土に黒いビニール(ポリマルチ)を張るという行為。見た目がなんか好きになれないなあ…という、これも感覚そのもの。

はたまた雑草をやけに嫌う。畑に雑草が増えてくると、親の仇みたいにとにかくその存在を抹消しようと抜いたり切ったりして、畑の外へ運んで捨てます。『草がどんどん生えて嫌だねえ』はほぼ夏のあいさつです。

はて。なんでそんなに草を嫌がるのだろう…。『なんで草が生えてちゃいけないんですか?』と人に聞いたこともありました。

これらの『自分が違和感を感じるもの』『なんとなくしっくりこない』ことからなるべく遠ざかり、自分が心地よいと思える楽園をここに作りましょう。と、名付けて【ポレポレ農園】を作り上げていくことが始まりました。

それからはいろいろ調べましたよ。なぜ石灰をまくのか?化学肥料を使うのか?ポリマルチを張るのか?

理由はわかりました。なるほど合理的だし、確かに理にかなっています。でもやっぱりしっくりこないのです。好きになれないものはなれないのです。その原因は何だろうって、本を読んでみたり、動画を探してみたり。

で、たどり着いたのが自然農だったわけです。農薬はもちろん、基本的には肥料も使わない栽培方法です。