炊いたごはんを急速に乾燥させたアルファ米は、非常食やキャンプなどのアウトドア時に役立つお米です。手軽さが売りの反面、調理方法を間違えると「まずい」と感じる原因にもなりかねません。
本記事ではアルファ米が「まずい」と感じやすい原因と、解決するポイントを紹介します。道具別のおいしく炊く方法や、味付きのアルファ米におけるメリットなどもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
アルファ米が「まずい」と感じる3つの原因
アルファ米とは、炊飯後のご飯を急速乾燥させることでアルファ化(※)を維持し、水やお湯を加えるだけでご飯に戻る仕組みになっています。アルファ化とは、デンプンがやわらかくなり、消化しやすい状態になることを指します。
アルファ米が「まずい」と感じる原因は、主に以下の3つです。
- 芯が残っている
- パサつきが強い
- 粘り気を感じにくい
再加熱を必要としない反面、調理方法を間違えると上記のような状態になり、「まずい」と感じかねません。とくに災害時に食べる場合は、ただでさえ不安やストレスを感じている分、まずいご飯は食べたくないものです。
アルファ米をおいしく食べる方法を知りたい方は、次項を1つずつチェックしていきましょう。
アルファ米はまずくない!おいしく食べるための3つのポイント
アルファ米の「まずい」を解決し、おいしく仕上げるポイントは以下の3つです。
- 水の量を守る
- 水の代わりにお湯を入れる
- 保温カバーでお米が冷めるのを防ぐ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 水の量を守る
アルファ米は、以下の写真のように水を入れる目盛りが付いています。こちらの目盛りどおりに水を入れないと固くなります。
水の量が袋に書かれた線まで達しているかは、アルファ米が沈み切った状態で確認しましょう。アルファ米が浮き上がっている状態のまま封をすると、必要量の水に達していない可能性が高いためです。
アルファ米は乾燥していて軽い分、水を入れると上に舞い上がります。パサつきを抑えるためにも水はゆっくりと入れ、アルファ米が沈み切ってから足りない分を追加するとよいでしょう。
2. 水の代わりにお湯を入れる
よりおいしいアルファ米を食べたい場合は、水の代わりにお湯を入れましょう。吸水スピードが上がり、芯が残るのを防げるためです。ほかにも下表のような違いがあり、いずれもお湯を入れたほうに軍配が上がります。
水を入れた場合 | お湯を入れた場合 | |
---|---|---|
完成までにかかる時間 | 約60分 | 約15分 |
味 | 冷やご飯のよう | 炊きたてご飯のよう |
食感 | やや固め | ほどよい柔らかさ |
香り | あまり感じない | 炊きたてご飯のよう |
お湯を入れたアルファ米は、完成までにかかる時間が4分の1となるうえ、炊きたてと変わりない味や食感を楽しめます。キャンプや普段使いのときなど、お湯を準備できる際は積極的に活用しましょう。
3. 保温カバーで冷めるのを防ぐ
たとえお湯を入れても、冷めてしまうと「まずい」と感じる原因になります。そのため、とくにアウトドアや冬場の災害時に利用する場合は、保温カバーにアルファ米の袋を入れて温度低下を防ぎましょう。
保温カバーは、一般的に流通しているアルミ生地のもので十分です。アウトドアメーカーでも販売しているため、キャンプや登山でアルファ米を利用する機会が多い方は1つ持っておくと便利でしょう。
【道具別】アルファ米を普段使いする際においしく炊く方法
アルファ米を普段使いする際においしく炊く方法について、以下に挙げる2つのパターンを解説します。
- 炊飯器で炊く場合
- 鍋で炊く場合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 炊飯器で炊く場合
アルファ米を炊飯器で炊く手順は、以下のとおりです。
- 袋から脱酸素剤など不要なものを取り出す
- 炊飯器に水とアルファ米を入れる
- 軽く混ぜたあと、早炊きモードで炊く
炊飯器で炊くことで、普通のお米と同じような粘り気のあるご飯に仕上がります。なお、水量の目安は下表のようになっています。
アルファ米の袋 | 水の量 |
---|---|
1袋 | 200ml |
2袋 | 370ml |
3袋 | 540ml |
4袋 | 700ml |
5袋 | 860ml |
※商品によって必要な水の量が変わる可能性があります。
ベチャベチャとした炊き上がりにならないように浸水時間は設けず、内がまに入れたあとはすぐに炊飯しましょう。
2. 鍋で炊く場合
アルファ米を鍋で炊く場合の手順は、以下のとおりです。
- 袋から脱酸素剤など不要なものを取り出す
- 鍋に水とアルファ米を入れる
- 軽く混ぜたあと、強火で沸騰させる(約3分)
- 弱火にしたあと、表面の水分がなくなるまで加熱する(約5~10分)
- 「パチパチ」という音が聞こえてきたら、火を止めて蒸らす(約20分)
しっかり蒸らしたあとは、かき混ぜて完成となります。なお、浸水時間が不要な点や必要な水の量は、炊飯器で炊く際と同じです。停電時にもできる方法のため、いざというときに備えて鍋で炊く方法も身に付けておくと安心でしょう。
味付きのアルファ米はまずくない?多様な種類があるのでむしろおすすめ
結論から言うと、味付きのアルファ米はまずくありません。むしろ、下記のように多様なバリエーションがあり、単なる白米のアルファ米よりも食べやすいと感じる方が多いようです。
- わかめご飯
- 五目ご飯
- 山菜おこわ
- ドライカレー
- ピラフ など
災害時の非常食として利用する際も、野菜などが含まれたアルファ米であれば、栄養を少しでも補充できます。おかずがないとお米を食べれない子どもも、味付きのアルファ米であれば問題ありません。
普段使いとしても味付きであれば時短になり、ドリアなどへのアレンジも簡単です。とくにこだわりがない場合は味付きのアルファ米を購入して、そのメリットを最大限活用しましょう。
アルファ米の「まずい」は工夫次第で解決できる!
アルファ米は「まずい」と思われがちですが、その多くは水分量や炊き方が原因となっています。十分な水の量を入れるのはもちろん、水の代わりにお湯を使うといった工夫で炊きたてご飯のような味や食感を楽しめます。
また、炊飯器や鍋でも炊けるため、普段使いで時短につなげるのも有効です。味付きのアルファ米であれば、子ども・大人問わず誰でもおいしく食べられます。
災害時やアウトドアで有効活用できるよう、アルファ米の正しい炊き方を身に付けていきましょう。