春分おめでとうございます!立春を過ぎ、あっという間に春分になりました。冬には一面モノクロだった世界に色が戻ってきて、ウキウキした心持ちになりますね。季節の変わり目は一年に4回ありますが、特に冬と春が同居するこの時期が一番好きかもしれません。
今回は、冬〜春の季節の変わり目はどんな変化が、心や身体に起きるのか、花粉症が辛い時期でもあるので、快適に過ごすコツと合わせてお伝えしたいと思います。
春分とは
春分は、太陽が真東から昇り、真西に沈み、昼と夜の長さが同じ日と言われます。見え方としては、地球の赤道上空を太陽が回る感じです。日本ではお彼岸の中日ですね。イランの暦では春分は元旦にあたります。ユーラシア大陸の国々では、ノウルーズと呼ばれる祭りが開かれ、新年を祝い、農業の実りを祈ります。紀元前9世紀〜6世紀頃には既に、ノウルーズの記録が残っているというから驚きです。
西洋占星術では、最初の星座であるおひつじ座が太陽の位置に入るため、天体の循環の始まりとして、最近では「宇宙元旦」と呼ばれたりもしています。ノウルーズも占星術も、10000年以上前。そんなに昔から春分を意識した暮らしをしていたということには驚きますよね。宇宙との関係をどうやって知ったんだろうといつも不思議に思います。
日本の暦で、季節は3つに分けられていて、春だと初春・仲春・晩春と表され、春分の今は、仲春にあたり、春のピークとも言える時期。
特に雪国では、立夏が過ぎた5月頃が春のピークのように感じますが、もうこの時期は初夏と呼ばれます。これは旧暦から新暦に変わったことも影響していて、旧暦から約1ヶ月ズレていることが原因なんです。旧暦で見ると立春は2月23日なんですが、そのくらいの時期だとなんとなく納得できる季節感ですよね。と、つい暦好きとしては、改暦にはいつもモヤモヤしてしまいます。(笑)
春の楽しみ〜フキノトウ、もう食べました?〜
雪国の民にとっては、待ち焦がれた春!もう、春の野山に分け入ってる方もいるかと思います。春の山と言えば山菜ですよね。フキノトウから始まり、木の芽・わらび・こごめ(こごみ)・ぜんまい・タラの芽・コシアブラなどなど次々と芽吹いてきます。
食べるのは新潟だけかもしれない「木の芽」は、あけびの新芽のこと。サッと湯がいて、卵の黄身を落とし、醤油をかけて食べるのが定番。味付けして混ぜご飯も、香りが豊かです。炊きたてご飯にさっと混ぜ込んで、ハフハフいいながら食べると、鼻から抜ける香りが最高に春!想像だけでヨダレが出ます。
お隣の福島・会津地方も雪国ですが、あけびの新芽は食べません。九州の友人が、新潟で食べた木の芽が美味しくて忘れられず、九州でも採って食べてみたら、苦くて食べられなかったと言っていました。雪がえぐみをとってくれるので、雪国の山菜は苦味やえぐみが少ないと言われます。
今年は雪が消えるのが早いですね。海沿いの早いところはもうフキノトウ終わりかけてる様子です。これから、どんどん色んな芽吹きが続くので、山に入る楽しみが続きますね。
山に分け入って、山菜採ったりすることを「山騒ぐ」と言います。「春は山騒いだりするのが一番好きらな。」という感じです。「山騒ぎたい」とかは言わない気がするので、けっこう限定的な使い方のように感じます。でも、心躍らせながら山に入って山菜を見つけてはキャッキャ言いながら採っている様子が浮かんできますね。
春の地面は芽吹きのエネルギーに満ち満ちていて、その地面を歩くと、春のエネルギーが足から吸収されて、狩猟採集の野生のスイッチがカチッと入る音がします。
春の過ごし方
さて、春は肝臓の季節。冬に溜め込んだ老廃物を排出しはじめるデトックスシーズンです。
春の花粉症は肝臓のデトックスによる影響も大きいと言われています。そして、その症状の強さは冬の過ごし方が反映されてきます。なんだか、通知表をもらうような氣分です。
今年も、立春過ぎた頃から、皮膚が痒くなってきて、あーやっぱりと思ったのでした。甘いもの・脂っこいもの・お菓子など・・・気をつけようと思いつつ食べてしまうものですよねー。
肝臓は溜め込んだ老廃物を出しながら、通常の働きもするのでめちゃくちゃ忙しくなります。
この時期にどんなことが起きるのか、五行色体表で見てみましょう。
表の2段目、緑色の列が春に対応するものです。表の一番下には、それぞれがどんな意味を持つのか、解説しています。
肝臓と怒り
例えば、肝臓は、怒りという感情と結びついています。春先といえば、年度末・年度始まりで、めちゃくちゃ忙しくて、イライラしやすかったり、怒りがフツフツと湧いてきて、爆発したときに泣くくらい怒ってしまうとか、そういうことないですか?
また「『木の芽どき』に変な人が出る」みたいなこと聞いたことありませんか?
なぜか春先はイライラしやすい。眠れない。目の痒みが出やすいなど、そんな風に表を見ると対応しています。
ちなみに痒みは、血の汚れと関係していて、溜まった老廃物が排出されてくると血がドロドロしてきたり、働き過ぎの肝臓が熱を持ち、さらに体内の水分を失ってしまったりします。さらにドロドロになった血液が細い血管を通るときに、通りにくいことから血管が詰まったり渋滞して痒みになります。そうすると、さらにイライラしてきて・・・そんな悪循環に陥ってしまう前に、解消したいですよね。
肝臓には酸味
酸味は肝臓の働きを助けます。五行色体表でいう酸味は、漬物の古漬けや梅干し、柑橘の酸味など。雪国では残念ながら地元産の柑橘は手に入りませんが、ハッサクやいよかん、文旦など様々な柑橘類がスーパーに並ぶのをみると春だなーと嬉しくなります。柑橘の香りは氣の滞りを改善してくれます。
春には身体を動かす
五行色体表の五主には、筋と書いてあります。筋肉は、血液の影響を受けますので肝臓がキレイにしたサラサラの血液が流れていれば、春先から田畑に出てもすぐに動けますが、血がドロドロしていると、肩こりやぎっくり腰、筋肉がつるなどの症状が出やすくなりますので、血液サラサラも運動とセットで超重要です。また、氣が上に上がりやすいので、カッカしやすくなるのですが、身体を動かすことで氣をめぐらせることもできます。
春の皿には苦味を盛れ
五行色体表からは離れますが、古くからのことわざで、「春の皿には苦味を盛れ」というものがあります。これは、野山に芽吹く山菜・野草を食べることで、身体が目覚めるからだと言います。現代の栄養学で解説すると、苦味にふくまれるポリフェノールが新陳代謝を高めてくれるので、老廃物を排出して身体を軽やかにしてくれるということなんですが、昔の人はよく知っていたんですね。昔の人の智慧は、なんでこれ知ってたの?っていうことが多いですよね。ホントすごいです。ちなみに、冬眠からさめた熊は、大量に山菜と食べて、大量のフンをすることで、身体を目覚めさせるんだそうです。
春にオススメの食材
- 緑茶:働き過ぎて熱をもった肝臓を冷ましてくれます。
- 発酵食品:少し酸味の出た漬物は肝臓を助け、腸内環境が整うことで老廃物排出の力がアップします。腸内会活動だいじです。
- 柑橘類:香りが氣をめぐらせて、酸味が肝臓を助けます。ビタミンCも取れますね。
- 芽吹き野菜:山菜、タケノコなど。
- 春の青モノ野菜:ニラ、小松菜、アブラナ科の野菜(菜花・とう菜)など
- よもぎ:山の芽吹きの中でも特に!推しはよもぎです。血液浄化や抗酸化作用など薬効がたくさんあって、ヨーロッパではハーブの女王と呼ばれているんです。春に草餅を食べることは単に美味しいだけじゃない理由があったんですよね。
などなど、旬のものを食べることは、自然のリズム・身体のリズムに添っていて、健康に暮らすには無理なく無駄なく、とても合理的ということが分かります。
みなさんも、春の味覚を楽しみながら、身体を起こしていきましょう。