前記事「中山間地域等直接支払い制度・多面的機能支払交付金による集落の農道・水路の維持管理活動」では、農村集落の農道・水路などのインフラ維持への公的支援策について解説してきました。
この記事では、実際にどのようなインフラ維持の取り組みが行われているのか、小千谷市山辺・吉谷地区の具体的な活動を元に紹介していきます。
住民自らの手で行う農道のコンクリート舗装
まず紹介するのは、郡又集落協定で毎年継続して行われている農道のコンクリート舗装です。
集落の人口減少・高齢化に伴いインフラ整備は、建設会社に発注するところも多くなっています。しかし郡又集落では、中山間地域等直接支払い制度で資材を購入して、住民自らの手で施工をしています。
メンバーはだいたい10名くらいで行われます。平均年齢は70歳くらいでしょうか。。

まずはコンクリート舗装箇所に型枠を作っていきます。土建会社で働いた経験がある方も多いので、お手の物です。

コンクリートは、地元の生コン屋さんがミキサーで持ってきてくれます。

そこからは、ひたすらにコンクリートを鳴らしていく作業です。

実に美しくコンクリートが引かれていきます。

仕上げはコテできれいに仕上げていきます。


郡又集落では、毎年20~30万円程度の費用で少しずつコンクリート舗装を進めています。農道がじゃりのままですと、すぐに穴が空き、軽トラックで進入するのに苦労をします。このように住民自身で施工することで、安価に安全な道を作ることができます。
水路法面の防草シート張り
次に紹介するのは、水路の法面の防草シート張りです。法面とは、下の写真のように田んぼと水路の間にある斜面のことです。
こちらの山本地区では、田んぼを大きくし、きれいに整形するために、圃場整備事業が行われました。圃場整備をすると、広い田んぼができるのですが、どうしても法面が広くなってしまいます。
法面の草刈りは傾斜があるため非常に危険です。そのため、草刈りをやらなくて済むように、防草シートというものをかぶせて草が生えてこなくするのです。
山本集落では、圃場整備後毎年少しずつ、防草シートを中山間地域等直接支払い制度で購入して、自分たちで施工をしています。

メンバーはだいたいいつも5~10名程度で行われます。

シートはピンのようなものを複数箇所に刺して止めていきます。

きれいにシートを張らないと、そこから風が入りはがれる原因になります。法面にピッタリと合わせていかないと、風で地面とシートがこすれて、破れてしまうのですね。

農家が減少する中では、以下に日常的な管理を省力化していくかが大切になります。防草シートを張ることで、危険な斜面の草刈りを行わなくて済み、安全面でも労力面でも大きな効果があります。
土側溝からU字構への伏せ換え
最後に紹介するのは土側溝からU字構への伏せ換え作業です。中山間地域では、田んぼに水を入れるための水路がまだまだ土側溝のままという箇所も少なくありません。
土側溝とは、農道の脇に溝が掘ってあるというだけのものです。土に詰まりやすく、管理も大変なためU字構を入れると便利になります。

こちらは郡又集落での取り組みですが、中山間地域等直接支払い制度でU字構を購入し、こちらも施工は自分たちで行います。

下の写真のようにU字構を入れると水の流れが良くなり、管理もしやすくなります。

この記事では3つの中山間地域等直接支払い制度でインフラ整備をした事例を紹介しました。中山間地域等直接支払い制度では、自分たちで必要な整備を、自分たちの裁量で少しずつでも進められることが大きなメリットですね。