玄米にカビ!どうやって見分ける?発見したときの対処法も紹介

長期保存が可能な玄米ですが、「いつの間にかカビが生えていた!」と驚いた経験がある方もいるのではないでしょうか。

玄米の変色はカビが原因である場合と、問題なく食べられる場合の2つがあります。

今回は、玄米のカビを見分ける方法やカビを発見したときの対処法を紹介します。カビを未然に防ぐ保管方法もあわせて解説するので、参考にしてみてください。

玄米にカビが生えた?3つの見分け方

玄米のカビを見分ける方法は、次の3つです。

カビが生えている玄米の特徴。1.色→細かい白・黒・灰注意 2.臭い→カビの臭い 3.手触り→湿ってる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

玄米のカビを疑う色は、次の3つがあります。

白色  粒子が細かい場合はカビの可能性。灰色・黒色  カビの可能性が高い 黒い斑点は虫食いであるため問題ない。緑色  未熟米であるため問題ない。

白色はほとんどの場合、欠けた玄米やもみ殻のくずです。しかし、米袋などから取り出したときに煙のようにふわふわと舞い上がり、粒子が細かい場合はカビの可能性があります。

灰色~黒色は、カビの可能性が高いです。ただし、点状に黒い場合はいわゆる「斑点米」であり、カメムシなどの虫食いによるものが多いでしょう。

斑点米はやや味が落ちるものの、食べる分には何ら問題がありません。

緑色は、カビではありません。成長中の玄米には、緑色として現れる葉緑素が豊富に含まれています。

そのため、収穫時期が早い未成熟米だと葉緑素が多く残って、緑色に見えてしまうのです。また、栄養素が豊富な緑玄米という種類の玄米も、緑色のまま出荷されます。

以上を踏まえると、玄米のカビは白色や灰色~黒色が見られた場合に疑われる、ということになります。

臭い

玄米のカビを疑うときは、色だけでなく臭いにも注目してみましょう。

玄米そのものはもちろん、とぎ汁や米袋がカビ臭いときはカビの発生が疑われます。

手触り

カビは湿気のあるところを好みます。そのため、玄米を触ったときに湿った感じがする場合は、カビの発生を疑いましょう。

先ほど紹介したような色や臭いの異常も発見されれば、カビの可能性は大きくなります。

カビた玄米は食べてはいけない!発見したときの対処法

玄米のカビを発見すると「捨てないと」と思う反面、「せっかく買ったのに、もったいない」と考える方も多いでしょう。

しかし、玄米にカビを発見したときには、食べずに捨てることをおすすめします。なぜなら、カビの原因菌により食中毒やアレルギーになる恐れがあるからです。

精米、洗米によって表面のカビは取れますが、菌糸が白米部分にまで広がっている可能性があります。カビによっては、炊飯の熱でも分解されません。

洗って表面のカビは落としても 菌糸は内部まで侵入している

見た目は食べれそうに見えても、玄米内部の状態まではハッキリわからないため、食べずに捨てる方が安全です。

カビが生えた玄米は食べずに捨てた方が良い2つの理由

カビが生えた玄米は健康を害する可能性があるため、食べずに捨てる方がよいと紹介しました。

その理由をカビの毒性や風味などの観点から、さらに深堀していきましょう。

毒性が強いカビがある

玄米に発生するカビは、原因や毒性の強さが色ごとに異なります。詳しくは、次の表をご覧ください。

カビの色 原因や特徴 毒性
白色 ・空気中に多く浮遊している
・チーズなどに使用される白カビは別物(青カビの1種)
・毒性はもちろん、耐熱性が高い菌もある
・アレルギーを引き起こす可能性あり
灰色~黒色 ・空気中に多く浮遊している
・深く根を張って増殖する
・毒性はないものの、吸い込むと体調不良になるケースあり

この表からもわかるとおり、玄米に発生するカビは毒性の有無にかかわらず、健康を害する可能性があります。

自分や家族の健康のためにも、カビが生えた玄米は潔く捨てるようにしましょう。

風味が落ちている

カビが生えた玄米は、多かれ少なかれ劣化している状態です。デンプンなどの栄養素が分解され、玄米本来の風味も落ちてしまいます。

無理して食べても美味しくないため、食中毒になるリスクを取ってまで食べるほどのものではないといえるでしょう。

玄米にカビを生やさないためのポイント

玄米にカビが生えると、たとえ多量に残っていたとしても捨てる必要があります。

せっかく買った玄米を無駄にしないためには、適切な環境で保管することが大切です。カビの発生条件を踏まえると、保管には気温5~15℃・湿度70%以下が最適です。

OK 気温5~15℃・湿度70%以下 NG 気温25℃前後・湿度80%以上

カビが発生しやすいのは気温25℃前後・湿度80%以上

カビの発生条件には、気温と湿度が関係しています。一般的にカビが発生しやすいのは、「気温25℃前後」「湿度80%以上」です。

特に、湿気が多い梅雨の時期や、高温多湿となる夏場は注意する必要があります。

玄米の保管に最適な環境は気温5~15℃・湿度70%以下

玄米のカビを未然に防ぐためには、先ほど紹介した気温や湿度以下での保存が大切になってきます。

具体的には「気温5~15℃」「湿度70%以下」の環境が理想的です。

なお、気温が20℃以上になると玄米が痛みやすくなるため、農家の貯蔵庫では15℃前後で保たれています。

一般家庭であれば、日陰が多い部屋や床下収納などでの保管がおすすめです。特に、冷蔵庫の野菜室は気温・湿度ともに理想的です。

冷蔵庫での保存方法

玄米を冷蔵庫で保存したい方は、次の手順を参考にしてみてください。

  • 玄米を小分けにして、タッパーやジップロックなどの密閉容器に入れる
  • 空気が入らないように密閉して保存する
  • 使用時は必要な分だけ、汚れや水気を入れないように取り出す

また、玄米を冷蔵庫から取り出す際には、温度変化による結露がカビの原因とならないよう、素早く行いましょう。

さらに、冷凍したい方は、玄米を炊いた後に小分けにして保存することも可能です。保存期間は1か月ほどですが、なるべく早めに消費することをおすすめします。

カビ以外にも!玄米が腐ったときのサイン

実は、玄米に発生する異常はカビだけではありません。

玄米はもともと、薄い茶色です。しかし、色が異様に濃くなったり、黄色や赤色に変色したりすると腐っている可能性が高くなります。

また、ひび割れや粉々に崩れるなどの形態異常も、玄米が腐ったときのサインです。

さらに、炊いた玄米が糸を引いたり、変な味を感じたりする場合も腐っている可能性があるため、それ以上は食べずに破棄しましょう。

玄米が腐る原因は、カビの原因とほぼ同じです。ただし、適切な環境下でも、保存期間があまりに長期化すると腐る原因となります。

玄米を美味しく安全に食べるためには、保存方法に留意しながら早めに食べきることが大切です。

玄米はカビが生えないよう適切な環境で保管しよう

玄米のカビは、色や臭いなどから見分けられます。一見すると「まだ食べられる」と思いえるような状態でも、カビの菌糸は玄米の内部にまで侵食しているものです。

玄米を長く美味しく食べたい方は、カビが生えないよう適切な方法で保管していきましょう。