無洗米は洗う必要がない便利なお米ですが、「ベチャベチャになってしまって上手に炊けない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は、無洗米とはどのようなお米なのか、なぜベチャベチャになってしまうのか、その原因や美味しく炊く方法をあわせて解説します。
ベチャベチャになってしまったときの対処法や無洗米の注意点についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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無洗米と精米の違い
まずは、無洗米について理解するために、精米との違いを解説します。
精米は玄米からヌカを取り除き、薄い「肌ヌカ」だけを残した状態のお米ですが、無洗米には肌糠(はだぬか)も付いていません。
精米を研いだときに水が白く濁るのは、肌ヌカが剥がれ落ちて水に溶け出したものであるため、肌ヌカのない無洗米は研ぐ必要がないのです。
一般的な精米方法は精米機を使い、摩擦でヌカを取り除きますが、無洗米の場合は、主に以下の方式で肌糠を除去します。
- 肌ヌカの粘着性を利用したBC精米製法
- タピオカ粉に肌ヌカを吸着させるタピオカ式
- ブラシなどで削って肌ヌカを落とす研磨式
- 水で肌ヌカを落として乾燥させる水洗い式
これらの方法で肌ヌカを取り除いた無洗米は、精米に比べるとお米の粒が小さめなので、同じ計量カップで測ると量が少し多くなることが特徴です。
無洗米がベチャベチャになる2つの原因
「いつも通りの炊き方で無洗米を炊いたらベチャベチャになってしまった」という経験がある人は多いかもしれません。無洗米がベチャついてしまう原因を2つ紹介します。
無洗米を研いでしまった
精米のようにしっかり研いでしまったことで、無洗米が水分を吸いすぎてしまうことが原因として考えられます。
無洗米には肌ヌカが付いていないので、力を込めて研ぐとお米が割れて、そこからでんぷんが溶け出し、べチャっとした仕上がりになってしまうのです。
水を入れたときに濁りが気になる場合は、研ぐのではなく1度すすぐ程度にしましょう。
水を多く入れすぎてしまった
無洗米はお米の粒が小さく、同じ1合でも精米が150gであるのに対し、158g程度になります。そのため、精米よりも、多めの水で炊く必要があります。
しかし、どのくらいの量を増やすべきなのか把握せずに炊いてしまうと、水加減に失敗してしまうこともあります。水を多く入れすぎて炊いてしまったことも、ベチャベチャになってしまう原因のひとつです。
正確な量の水を入れるためにも、炊飯器の内釜は平らな場所に置かなければなりません。また、お米の量が安定していないと必要な水の量も毎回変わってしまうので、計量カップに入れたお米はすり切って測ることが大切です。
無洗米を家庭で美味しく炊く3つの方法
無洗米を家庭で美味しく炊く簡単な方法を紹介します。ポイントをおさえて美味しいご飯を炊きましょう。
お米に水を十分吸わせる
ふっくらした無洗米を炊くためには、浸水が重要です。お米はしっかり水を吸わせることで、芯がなく甘みや旨味の強いご飯に仕上がります。
精米は研ぐタイミングで一定の水を吸っていますが、無洗米はその工程がありません。なので、夏場は30分以上、冬場は60分以上水を吸わせます。
また、夏場は水が傷みやすいため、冷蔵庫に入れて浸水させると良いでしょう。水の温度が低い方が、均一に吸水されるので美味しく炊くことができます。
適切な水の量で炊く
無洗米は水加減がとても大切ですが、「なんとなく多めにしておこう」と目分量で水を入れてしまうと、安定した美味しさで炊くことができません。
水は無洗米の量(g)に対して1.45倍程が適量です。精米は1合150gですが、無洗米は肌ヌカがない分、量が増え158g程度です。
水加減はこの違いに合わせて、精米は1合に対し200ccですが、無洗米の場合は230ccの水を入れるようにしましょう。
炊飯器の無洗米モードを使用する
炊飯器の中には「無洗米モード」という機能が搭載されているものもあります。無洗米モードはじっくり時間をかけて炊き上げてくれる点がポイントです。
また、炊飯器の内釜に無洗米目盛がある場合や、無洗米専用の計量カップが付属されている場合は、それらを活用しましょう。自分で水加減を調整する手間が省けるので、失敗するリスクも少なくなります。
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ベチャベチャになってしまったご飯の3つの対処法
水の量を間違えて、ベチャベチャになってしまったときでも無駄にすることなく無洗米を美味しく食べる対処法を3つ紹介します。
再炊飯する
時間がある場合は、炊き直しすることをおすすめします。その際は、かき混ぜてご飯をほぐしてからもう一度炊飯してください。かき混ぜすぎてしまうとお米の粒がつぶれて粘りが出てしまいますので、しゃもじでお米を切るようにして混ぜましょう。
炊き直すことで水分が飛び、お米がちょうど良い硬さになります。ただし、あまりにも柔らかすぎるご飯は、炊き直しても水分が飛びきらない場合がありますので注意してください。
電子レンジで水分を飛ばす
電子レンジでもベチャベチャご飯を復活させることができます。ご飯の量が少ないときや、時間がないときは電子レンジを使ってみましょう。
加熱の際は、平らで大きめのお皿に広げるように盛って、ラップをしないことがポイントです。30秒から1分程の間隔で様子を見ながら加熱してください。
電子レンジの場合も、ベチャベチャすぎるご飯は復活できない可能性があります。
アレンジして食べる
炊飯器での炊き直しや電子レンジでの加熱でもどうにもならないときは、アレンジして美味しく食べましょう。
水分の多さを活かすのであれば「雑炊」「リゾット」「おかゆ」などがおすすめです。雑炊の場合は、鍋で煮込む前に一度水洗いしてお米のぬめりを取ると、さらに食べやすくなるでしょう。
あえてベチャベチャご飯をこねて焼き、五平餅やお焼きにして食べる方法もあります。他にも、小麦粉の代わりにご飯を使ってお好み焼きのようにしてみても良いかもしれません。
多く炊いてしまった場合は小分けに冷凍して、後日さまざまなアレンジ方法で楽しみながら食べてみてください。
無洗米に関する2つの注意点
無洗米をより美味しく食べるために覚えておきたい注意点を2つ紹介します。
高温多湿を避けて保存する
無洗米は肌ヌカが取り除かれている分、酸化しにくいため精米よりは長期保存できる特徴があります。しかし、生鮮食品であることは変わりないので、お米が苦手な高温多湿を避けて保存することが大切です。
理想は冷蔵庫の野菜室ですが、スペースが確保できない場合もあるかもしれません。その場合は直射日光の当たらない涼しい場所に置いておきましょう。
また、無洗米を購入したときの袋は通気性を良くするために小さな穴が開いていますので、自宅で保管する際は、においが移らないよう密閉容器に移し替えることをおすすめします。
水が白く濁っても問題ない
無洗米は洗う必要がないとはいえ、白く濁る水が気になる人もいるでしょう。しかし、無洗米に入れた水が白濁するのは肌ヌカではなくお米のでんぷんが溶け出したものです。
ヌカだと思って何度も洗い流してしまうと、お米の旨味や栄養分も一緒に捨ててしまうことになりますので、あまり気にせずそのまま炊きましょう。
小さなゴミや汚れを落とすためにサッと水で洗い流す程度は問題ありません。
ポイントをおさえてベチャベチャしない無洗米を炊こう
無洗米は精米に付いている肌ヌカが除去されているので、精米よりも米粒が小さく、同じ1合分でも少し量が多くなります。
このような特徴から無洗米は水の量も少し増やす必要がありますが、水加減が難しいため、水の入れすぎでベチャベチャな炊き上がりになってしまうパターンが多いのです。
しかし、適切な水の量や吸水時間などを把握することで、家庭でも美味しく無洗米を食べることができます。また、無洗米の水が白く濁るのはヌカではなく旨味成分であることも理解しておきましょう。
もしもベチャっとした炊き上がりになってしまった場合でも、今回紹介した対処法を参考に、余分な水分を飛ばしたりアレンジしてみてください。
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