新米は甘みやつやがあって美味しいと言われますが、いつも通りに炊いたらべちゃべちゃになってしまったという人も多いのではないでしょうか。
水分量が多く、みずみずしさを感じられるのが新米の特徴です。今回は、新米の特徴を踏まえて、べちゃべちゃになる原因を解説します。
新米を美味しく炊くコツも紹介していますので、炊き方の参考にしてみてください。
新米とは収穫年の12月31日までに精米・包装されたお米
食品表示法で定める新米の定義は、「収穫年の12月31日までに精米し、容器包装に入れられたお米」とされています。
一般的にお米は9~10月頃に収穫されるので、秋から年末までの約3か月の間に精米・袋詰めされたお米だけが、新米として販売することができるのです。
新米と古米は明確に区別されていませんが、収穫から1年以上経過したお米のことを古米と呼ぶことが一般的です。
短い期間でしか販売されない貴重な新米は鮮度が高く、甘み・つや・粘り・香りが強く、美味しいと言われています。
一方、古米は新米に比べると水分量が少ないため、硬めの炊き上がりになり、古米独特のにおいがします。また、光沢や透明感がなくなり、古いほど黄ばみも増してくるでしょう。
しかし、現在市場に出回っている古米は、温度調整された環境で保存されていることが多く、昔に比べると古米でも美味しく食べられるようになっています。
新米がべちゃべちゃになる3つの原因
新米がべちゃべちゃになる原因は、お米に含まれる水分量が大きく関係しています。ちょうど良い硬さで新米を美味しく炊くためにも、べちゃべちゃになってしまう原因を把握しておきましょう。
- 組織が柔らかいため
- 研ぎすぎてお米が割れてしまったから
- 長時間水に漬けたから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 組織が柔らかいため
新米は一般的に水分量が多いことから、べちゃべちゃになりやすいと考えられていますが誤解です。
お米は収穫後、乾燥機などの機械で水分量を15%程度まで減らすため、新米だから水分量が極端に多いということはありません。新米が柔らかく感じるのは、組織が柔らかいためです。
2. 研ぎすぎてお米が割れてしまったから
新米は古米よりも組織が柔らかいので、力を入れて研ぐと割れやすいお米です。
割れてしまうと断面からお米のでんぷんが水に溶け出すため、炊飯したときに粒が崩れやすく、べちゃべちゃした食感の悪いご飯になってしまうのです。
割れたところからうまみ成分も抜け出し、美味しさも失われてしまいますので、新米は丁寧に優しく研ぎましょう。
3. 長時間水に浸けたから
お米を芯までふっくら美味しく炊くためには、しっかり浸水させることが重要です。しかし、長時間の浸水は、お米の粒がもろくなり、崩れやすくなる恐れがあり、べちゃっとする原因になります。
お米は長時間水に浸けたとしても吸水量には限界があり、約2時間程で飽和状態になります。お米の浸水は、夏は30分、冬は1時間を目安としましょう。
新米を美味しく炊く3つのコツ
新米に含まれる水分量を考慮して炊飯することが、新米を美味しく炊くための重要なポイントですが、研ぎ方や水の種類などに気をつかうことも大切です。
新米を美味しく炊くためのコツを3つ紹介します。
- 優しく研ぐ
- 通常の水の量で炊く
- 蒸らす時間を短くする
一つひとつ見ていきましょう。
1. 優しく研ぐ
ギュッと押し付けて研ぐのではなく、力を入れず円を描くよう優しく研ぎましょう。精米技術が進歩している現在は、ゴシゴシと強く研ぐ必要はありません。
また、研ぎすぎはお米が割れる原因になりますので気を付けましょう。約3~4回水を入れ替えたら、研ぐ工程は完了です。水が完全に透明になるまで研ぐ必要はありません。
2. 通常の水の量で炊く
新米だからと言って水を減らす必要はありません。まずは通常の水の量で炊き、2回目以降好みに合わせて調整すると良いでしょう。
3. 蒸らす時間を短くする
通常、お米は炊飯後に10分程度蒸らすことで美味しく食べられます。しかし、新米は香りが良いので、炊きたてのふわっと広がる香りを楽しむため、蒸らさずすぐに食べるのもおすすめです。
出来立て熱々の新米は、普段食べているお米と違った美味しさが味わえるでしょう。
炊き上がりと同時にしゃもじで底からふんわり混ぜ、軽くほぐします。新米は柔らかいので、混ぜすぎないようにしてください。
新米を美味しく保管する方法2選
新米を美味しく炊く方法を紹介しましたが、正しい保存方法や新米ならではの食べ方を知ることで、さらに美味しく食べられるでしょう。新米を美味しく食べる方法を紹介します。
- 冷蔵庫で保存する
- 多く炊いたときは冷凍する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 冷蔵庫で保存する
新米のみずみずしさや美味しさを長く保つためには、鮮度を落とさないことが大切です。何も対策をしないで保管していると、乾燥によって水分量が減り、味が落ちてしまいます。
気温や湿度が高い場所で保存しているとお米の劣化が早まるため、冷蔵庫で保存しましょう。
また、お米は空気に触れると酸化しやすくなります。ジッパー袋のような密閉できる袋で保存すれば、冷蔵庫内にも入れやすいのでおすすめです。
お米が冷蔵庫に入らない場合の保存方法については、関連記事の「お米が冷蔵庫に入らない!NGなのは?上手な保存方法を解説!」で紹介しています。ぜひチェックしてみてください!
2. 多く炊いたときは冷凍する
新米をたくさん炊いたときは、冷蔵保存ではなく冷凍することがおすすめです。
お米は長時間炊飯器で保温していると、黄ばみやにおいが気になるようになります。そのため、なるべく早くラップにくるんで冷凍保存するようにしましょう。
新米は冷凍しても美味しいので、電子レンジで温めるだけで炊きたてのような味がいつでも楽しめます。
べちゃべちゃしない美味しい新米を食べよう
新米は甘みや粘りが強く、香りの良いお米です。水分量が多く柔らかいという特徴もあるため、水を少し減らす調整をしないとべちゃべちゃになってしまう可能性があります。
水加減だけでなく、お米が割れることのないよう優しく研ぐことも、新米を美味しく炊くためのポイントです。
新米が食べられる期間は短いので、今回紹介した美味しく炊くコツを参考に、新米を美味しく食べましょう。