2022年4月に若栃に来た当初から、「活用できたらいいな」と思っていた古民家民宿「おっこの木」の隣に佇む『蔵BAR』。
※蔵BARとは?については「こんな山奥にバーが!?山奥の村で光を放つ「蔵BAR(小千谷市若栃集落)」に地元の大学生が潜入してきた!」で紹介しています。
そこで初めて飲んだのが、2か月後の6月14日(火)。
(初回は、「男3人+1」で熱く語らいました。)
そして、第1回の「蔵BAR交流会」を開催したのが、7月8日(金)。
当初は、小千谷でのつながりがなかったこともあり、内輪での参加が多く、人数も少な目(4人~6人程度)だったのですが、回を重ねるうちに、多くの方にご参加いただけるようになりました。
12月のライティング・トリップをきっかけに参加してくださった、小千谷出身・埼玉在住の山本由佳さんは、小千谷に戻る際に、「また蔵で飲みたい」とリクエストをしてくださるようになるなど、小千谷ならではのご縁が繋がる場が生まれてきているのを感じています。
※山本由佳さんによる「蔵BAR体験記」はこちらからお読みいただけます。
【以下、過去1年間の開催日】
- 6月14日(火)「男3人+1」で熱く語る会
- 7月8日(金)【第1回】蔵BAR交流会
- 7月22日(金)【第2回】
- 8月5日(土)※若栃にコロナがやってきたため中止※
- 8月20日(土)【第3回】ライティング・トリップとのコラボ
- 9月2日(金)【第4回】
※その後、稲刈りなど繁忙期の為、一時休止
- 12月3日(土)【第5回】ライティング・トリップとのコラボ
※その後、大雪の季節のため、一時休止
- 2月25日(土)【第6回】※雪の中「蔵開き」
- 3月18日(土)【リクエスト飲み会】
- 3月28日(火)【リクエスト飲み会】
- 4月25日(火)【第7回】
- 6月24日(土)【教育談義】
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改めて振り返ってみて、「ライティング・トリップ」とのコラボレーション、つまり、東京近郊から、記事を書くためにツアーで来て、古民家民宿「おっこの木」に泊まられている方々との交流も兼ねて「蔵BAR交流会」を開催するようになってから、盛り上がりを見せるようになってきました。
(合わせて、僕自身が、小千谷で「ごきげんな関係づくりコーチ養成講座」を開講させていただいたのも、大きな転機となっています。
12月以降の蔵には、その受講生と、そのお知り合いの方々が複数名参加してくださるようになり、そのご縁から、さらなるご縁が繋がる場になっています。ただただ、ご縁の力に感謝しています。)
3月からは、「蔵で飲みたい」というリクエストを頂くようになったのも嬉しい限りです。
1回目は、「3家族で語らう飲み会を蔵でやりたい」というリクエスト。
2回目は、「小千谷に蔵BARがある」ということを、「これから社会に出る子どもに見せたい」という話から。
それぞれ、クローズドでの開催でしたが、小学生の子どもたちが2階で楽しく遊ぶ声を聴きながら、時に、その呼びかけに応える形で、楽しく会話したのもいい思い出ですし、これから社会に出る若者と、大人3名が、小千谷の未来、日本の未来、それぞれの未来について、熱く語る会になったのも、豊かな場になりました。
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そして、6月。
オランダでの子育て経験のある方との出会いがあり、
「オランダでの教育と日本の教育の違いについて話を聴いてみたい」
「蔵で飲みながら、そういう対話ができたらいいよね」
そんな話から、小千谷新聞にも記事を掲載していただいて、蔵で「教育談義」が開催されました。
その場には、地元の中学校で「学び合い」を実践されている先生も参加してくださり、教育に想いを持った方々が集って、本当に、豊かな場となりました。
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【なぜ、「蔵BAR交流会」をやろうと思ったのか?】
冒頭に書いた通り、一番の理由は、「そこに施設があるから」。
つまりは、「Mottainai(もったいない)」から。
せっかくある施設を活用することで、
- 若栃に人が来る
- 小千谷の方々のご縁が広がる
- 小千谷と都市の方々のつながりが生まれる
- 「何か」が生まれる場になる
そんな構想が、当初からありました。
「絶対に、『何か』は生まれる」と。
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心理学的な観点から行くと、
「サードプレイス(第3の場)」
なんて言われたりしますが、
①家庭、
でもなく、
②職場、
でもない、
「第3の場」
があることで、
人は、より心豊かに、自分らしく、活力高く、生きていくことができる、
と言われています。
つまり、職場でも、家庭でもない、人と人が出会う場、「自分の居場所」と思える場、「新しい自分」に出会える場があることで、人は安心して、日々をより豊かに生きていけるようになるんですよね。
まずは、そんな「場」があったらいいなという想いから。
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合わせて、「マチの活力」になったらいいなという想いから。
『古事記』の「天岩戸伝説」ではないですが、人が集まるのは「楽しい場所」、それは間違いないですよね。
小千谷市街から、車で15分ほどのところにある若栃という山地であっても、「楽しさ」をコンセプトに、何かをやり続けることができたら、確実に、「人が集まる場」が生まれ、そこから、出会いの掛け算、ご縁の掛け算が生まれていく、そんな想いがありました。
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最後に、「自分自身のため」に。
昨年、4月に、小千谷に来た目的の1つが、「手仕事を取り戻す」こと。
かつて、新潟・粟島に住んでいた時(2009年4月~2012年3月)には、船が欠航したり、荒れる予報のため、土日のお休みに、自宅に帰れなくなってしまった先生方がいらっしゃいました。
そんな方々にお声かけさせていただき、自宅で、料理を振る舞い、一緒にお酒を飲みながら語らう、ということを、よくやっていました。
(それが楽しみでした。昨年末には、その中のお一人と、新潟市内で再会し、一献酌み交わすというご縁の結び直しをさせていただきました。)
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2014年に、コーチとして、コミュニケーション研修の講師として独立をして、料理をする頻度も減り、(妻が嫌がることもあって本当に台所に立たなくなってしまい)、自分の「生きる力」が失われていく恐怖感を感じながら過ごしていた時期もありました。
昨年4月からは、「自主的単身赴任」を開始して、一人楽しく料理をして味わうこともあります。
それももちろん、幸せだし豊かなことではあるのですが、やっぱり、自分一人で作って食べるだけだと、どこか物足りなさを感じます。
「誰かに食べてほしい」
「誰かのために料理を作りたい」
そんな想いがムクムクと湧き上がってきたのでした。
ちょうど、折よく、昨年6月頭に、「男3人で語ろう」ということになり、その時から、料理を担当させていただくことになり、いろんな料理を作るようになりました。
結果、自分一人では作らない料理にチャレンジする機会となったり、参加される方の「好きな料理・苦手な料理」を事前アンケートで確認し、「みなさんが喜んでくださる料理を作ろう」と心がけることで、最近では、
「料理の腕を上げましたよね!」
という嬉しいお言葉を、いただくことも増えてきました。
(嬉しかったのは、小学生の子どもたちが、僕の作った「ひじきの煮物」と「切り干し大根」を喜んで食べてくれたこと。)
(それに味を占めて、6月の教育談義でも、気合を入れて、「ひじき」と「切り干し」を料理したら、あまり減らなくて、ちょっと残念な気持ちを味わいました)
(それもまた、経験ですね)
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先日の「教育談義」では、参加してくださった方が、数日後、
「我が家の新定番」
と、僕の大好きな「きゅうりと玉ねぎの塩もみwithおからサラダ」を写真で送ってくださいました。
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僕の料理は基本、
- 味の母
- 塩
- 醤油
- 味噌
- ダシ(昆布・かつお・椎茸・わかめ・のり・小魚など)
この5つがベースになっています。
(砂糖や「だしの素」などは使いません)
どうしても、茶色い料理になりがちですが、それでも、
「おいしい」
と言って食べてくださる方々がいらっしゃること、喜んで持って帰ってくださる方がいることが、調理する喜びになっています。
「蔵BAR交流会」の日は、だいたい、朝起きたら料理、その後、ぶっ通しで料理することが多いですが(その結果、作り過ぎますが)、
「仏教では、料理はえらい人がする修行」
と思って、「心を整える修行」を楽しんでいます。
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- 豊かな対話を通じて、豊かな未来が紡がれていく、「ご縁の広がる場」を目指して
- おいしいご飯と、おいしいお酒、豊かな時間で、翌朝からの「活力」を得ていただくことを目指して
- 自然の中の異空間「蔵BAR」での非日常体験「心の癒し」を提供することを目指して
蔵BARを活用して、交流会を開催してきて、得たものがたくさんあります
これまで小千谷で出会ってくださった方、蔵BARに来てくださったすべての方々に、心より感謝しています。
最後になりましたが、蔵BARを一緒に盛り上げてくださった細金創さん、「こめむすひ」の仕掛け人であり、蔵BARにも初期の頃は、皆勤で参加してくださった阿部巧さん、お二方に心より感謝申し上げます。
細金創さんは、元東京・渋谷のホテルの30数階にあるバーのバーテンダーを務めたお方。
「そんな腕の持ち主が若栃にいるのに、腕を振るわないなんてもったいない!」と思ったことも、蔵BAR交流会を開催するきっかけとなりました。
また、僕が毎回、泥酔したり、先に寝てしまったり、使い物にならなくなる中で、最後の砦として、後片付けをやり通してくださることに、本当に、助けられました。
本当にありがとうございました。
また、阿部巧さんには、蔵を盛り上げる企画を考えてくださったり、阿部さんのご縁から、学生を連れてきてくださったり、ライティング・トリップとのコラボが生まれたり。
すべては阿部さんのアイデアのおかげ様です。
本当にありがとうございました。
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長くなりました。
人のつながりがすぐに生まれる小千谷に、ワクワクしながら、遊びに来ていただけたら嬉しいです。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。