お米を保存していると、黄ばみが発生するケースがあります。とくに炊く前から変色していると、「残っているお米も食べられるの?」と不安になる方も多いでしょう。
本記事では、お米の黄ばみが炊く前・炊いたあとにある場合の原因を解説します。黄ばみがあるときは食べられるのか、どのように防げばよいかもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
炊く前のお米に黄ばみがあるときの原因
炊く前のお米に黄ばみがある場合、考えられる原因は主に以下の3つです。
- お米が古くなっている
- 精米・洗米が足りない
- カビが生えている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. お米が古くなっている
お米の鮮度が落ちると酸化が進み、全体的にうすい黄色に変色しやすい傾向があります。
このようなお米は古米と呼ばれ、以下の特徴もあります。
- 食感がパサパサする
- 酸味を感じる
- ぬか臭さが出てくる(古米臭)
とくに精米日が1〜2か月以上前だと、黄ばみが出てくるケースが少なくありません。自宅に保存しているお米が古くなっているか、見分け方などを知りたい方は、関連記事の「古いお米の見分け方|どれくらい大丈夫?新米との違いも解説」もあわせてチェックしてみてください。
2. 精米・洗米が足りない
精米・洗米が不十分だとお米にぬかが残り、黄ばみの原因になります。分づき米であれば、米の角に残った胚芽が黄色くなりやすい傾向にあります。
なお、栄養価を重視して、あえてぬか成分を残して精米する販売店も少なくありません。お米の変色が気になる場合は、買う時点で注意する必要があるといえるでしょう。
分づき米の基礎知識やおいしい食べ方について知りたい方は、関連記事の「分づき米って何?玄米をおいしく食べる炊き方も紹介します!」もぜひ参考にしてください。
3. カビが生えている
炊く前のお米に黄ばみがある場合、カビによって黄変米(おうへんまい)になっている可能性もあります。とくにお米全体ではなく、数粒だけに濃い黄ばみがある場合は要注意です。
カビは高温に強く、炊飯しても毒素は残るため、発見した際は潔く廃棄したいところです。
お米の黄ばみが炊いたあとに出てきたときの原因
炊いたあとのお米に黄ばみがある場合、考えられる原因は主に以下の3つです。
- 硬度の高い水で炊飯した
- 保温時間が長い
- 炊飯器に汚れが残っている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 硬度の高い水で炊飯した
硬水のミネラルウオーターで炊飯すると、お米に黄ばみが生じる可能性が高まります。
炊飯後お米が黄色くなる大きな原因は、アミノカルボニル反応(メイラード反応、メラニン反応とも言う)です。アミノカルボニル反応とは、米に含まれる「糖」と「アミノ酸」が反応して、褐色の物質を生じさせることです。
硬水には「カルシウム」や「マグネシウム」が豊富に含まれています。「カルシウム」や「マグネシウム」は、アミノカルボニル反応を促進させる作用があるため、お米の褐色化が進んでしまうのです。
また、ミネラル成分がお米に付くと、吸水を阻害する原因にもなります。食感も悪くなるため、お米を炊く際はミネラルウオーターの使用を避けるのが無難です。
2. 保温時間が長い
お米の黄ばみは、保温時間が長くなることでも発生しやすくなります。高温の保温が続くと、アミノカルボニル反応がさらに進むためです。
ミネラルウオーターで炊いたお米であれば、さらに反応が助長されます。保温時間が長くならないよう、炊く量や保存方法に工夫が必要だといえるでしょう。
3. 炊飯器に汚れが残っている
炊飯器の汚れも、お米に付着すると黄ばみのように見えます。フッ素被膜がはがれたところや細かくついた傷にデンプンが残ると、頑固な汚れとしてなかなか取れません。
放置すると臭いも強くなるため、早めの対処が大切です。
炊く前のお米に黄ばみがあっても食べられる?
炊く前のお米に黄ばみがあっても、カビ以外が原因であれば食べられます。ただし、古米特有の食感や臭いが苦手という場合は、思い切って買い替えるのも1つの方法です。
カビによって黄ばみが出る黄変米は、食べないほうがよいでしょう。長く食べ続けると、カビの毒素が肝臓や腎臓に悪影響を与えます。とくに以下の特徴がある場合は、カビと判断して廃棄するのが無難です。
- いつもと臭いが違う
- 全体ではなく、一部分だけ黄色い
- 黄ばみの度合いが濃い
自分や家族の健康を守るためにも、カビが生えたお米は「もったいない」と思わず、潔く買い替えましょう。
お米の黄ばみを防いでおいしく食べる方法
お米の黄ばみを防いでおいしく食べる方法は、以下の5つです。
- 新鮮なお米を買う
- 精米の設定を変える
- 水道水でよく洗う
- なるべく早く食べきる
- 炊飯器を丁寧に洗う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 新鮮なお米を買う
炊く前のお米に黄ばみを発生させないためには、鮮度がよいお米を買うことが大切です。具体的には精米から1か月以内など、あまり日が経っていないお米を買いましょう。
買ったお米は密閉容器に入れ、冷蔵庫などで保存すると鮮度を保ちやすくなります。お米の保存方法について詳しく知りたい方は、関連記事の「お米が冷蔵庫に入らない!NGなのは?上手な保存方法を解説!」もあわせてチェックしてみてください。
2. 精米の設定を変える
精米の設定時に分づき米を避け、白米・上白米などに設定するとお米の黄ばみを防げます。
概要 | |
---|---|
白米 | もっともスタンダードな精米方法 |
上白米 | 白米をさらに削り、真っ白にする精米方法 |
家庭用精米機であれば、純白米というコースがあるものも少なくありません。自分で行う手間を省きたい場合は、精米にこだわっているお米を選ぶのも1つの方法です。
3. 水道水でよく洗米する
お米の黄ばみを防ぐためには、水道水で十分洗米することも大切です。洗米のポイントは、主に以下の3つになります。
- 2~3回に分けて
- ぬかをしっかり落とすように強めに
- お米のとぎ汁を吸水しないように素早く
にごりが若干残る程度まで、しっかり洗米しましょう。
4. なるべく早く食べきる
お米が黄ばまないように、炊いたあとはなるべく早く食べきりましょう。保温時間が長くなりすぎないように、食べきれなかった場合は小分けにして冷凍します。分づき米であれば炊飯器で保温せず、食べるときにレンジで温めるのもおすすめです。
また、お米の保存期間を短くして鮮度を保つうえでは、1回で買う量を調整することも大切です。家庭でどれくらいのお米が必要か、目安を知りたい方は、関連記事の「一人暮らしのお米|何キロ消費する?ベストな保存方法とは」もぜひ参考に参考にしてみてください。
5. 炊飯器を丁寧に洗う
炊飯器の汚れもお米に黄ばみを発生させるため、丁寧に洗うことも心がけましょう。炊飯後は毎回、やわらかいスポンジで優しく洗うことが大切です。
内釜を洗い桶として使うと、食器とこすれあうことで細かい傷が付きやすくなります。傷に汚れが残って黄ばみを発生させないよう、洗い桶が必要な場合は内釜以外のものを準備してください。内釜の寿命は3〜4年ほどのため、時期を見て買い替えるのもよいでしょう。
お米の黄ばみが炊く前にある場合は要注意!
炊く前のお米に黄ばみがある場合、鮮度の低下や精米の仕方が影響している可能性があります。通常は食べても問題ありませんが、カビが生えている場合は買い替えが必要です。
お米に黄ばみを発生させたくない場合は精米日が近いものを選ぶ、洗米を十分行うといった工夫をしていきましょう。