炊飯器よりもおいしくご飯が炊きあがるとして、土鍋を使う方も多くいます。しかし、あまり馴染みがない方からすると、「浸水なしでも炊ける?」「炊飯器よりも時短になる?」などの疑問があるでしょう。
本記事では、土鍋ご飯を浸水なしで炊く方法を紹介します。おいしく炊くコツや、土鍋を使うメリット・デメリットもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
土鍋ご飯は浸水なしでも炊ける?
結論から言うと、土鍋で炊くからと言って浸水が不要になることはありません。
おいしくごはんを炊くためには、土鍋であっても、炊飯器で炊く際と同じように夏場が30分、冬場が1時間〜1時間半ほどの浸水が必要です。
ただし土鍋は、炊飯器よりも炊く時間を短縮できることがメリットです。土鍋の場合30分もあればごはんを炊ける上に、炊飯器の早炊きモードよりも味や食感が落ちにくい特徴があります。
そのため朝や帰宅後などどうしても時間がないときは、浸水なしで土鍋でごはんを炊くことも悪くはないでしょう。
土鍋ご飯を炊く手順5つのステップ
浸水なしで土鍋ご飯を炊く手順は、以下のとおりです。
- 土鍋に研いだお米を入れる
- 土鍋に水を入れる(お米1合につき240mlが目安)
- 最強火で沸騰させる
- 少し吹きこぼれた時点で、最弱火にする(15分)
- 火を消し、蒸らす(10分)
最弱火の時間は、下記の要素によって多少異なります。
- 使用する土鍋
- 炊くご飯の量
- ガスコンロの火力
何度か試行錯誤しながら、ちょうどよい方法を見つけてみてください。なお、土鍋ご飯はIHクッキングヒーターでも炊けます。火力が数字で表される分、火加減を調整しやすいため、土鍋ご飯を失敗したくない方は有効活用しましょう。
土鍋でのごはんの炊き方は、こめむすひライターの西畑さんが実践している方法を「美味い!早い!ラクチン♪お鍋で激ウマ!直火炊きご飯の炊き方」で詳しく紹介しています。鉄鍋やステンレス製の鍋の特徴も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
土鍋ご飯をおいしくする浸水のコツ
土鍋ご飯をおいしくする浸水のコツは、以下の3つです。
- 通常より少し多めの水を入れる
- 季節にあわせて時間を調整する
- 氷を入れる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.通常より少し多めの水を入れる
土鍋で炊く際の水の量は、炊飯器よりも少し多めがおすすめです。
厳密に言うとお米の状態や種類によって異なりますが、おおよその目安は下表のようになっています。
お米の量:水の量 | お米1合(180ml)に対する水の量 | |
---|---|---|
土鍋の場合 | 1:1.3 | 約230ml |
炊飯器の場合 | 1:1.2 | 約210ml |
お米や水の測り方について詳しく知りたい方は、関連記事の「お米の計量カップがないときは?代用できる?簡単な測り方4選」もあわせてチェックしてみてください。
2.季節にあわせて時間を調整する
炊飯器で炊くときと同様に、土鍋ご飯も季節にあわせて浸水時間を調整しましょう。具体的には夏場が30分、冬場が1時間〜1時間半ほどです。
なお、浸水する際はボウルなど、土鍋以外の容器を使います。水を吸いやすい素材の土鍋で浸水させると、強度が下がってしまうためです。おいしい土鍋ご飯を長く楽しめるよう、容器の入れ替える工程は省かないようにしましょう。
3.氷を入れる
浸水時に氷を入れるのも、おいしく炊きあげるコツの1つです。水温が低くなると吸水がゆっくり進み、お米の中心部にまで水が行き渡ります。お米1合に対して1個の氷を用意し、氷分以外の水量を追加しましょう。
なお、氷がない場合は、冷蔵庫に入れて浸水させるのも1つの方法です。冷蔵庫での浸水方法について詳しく知りたい方は、関連記事の「お米の浸水時間は?冷蔵庫で長時間おけばワンランク上の炊きあがり」をぜひ参考にしてください。
土鍋でご飯を炊く3つのメリット
土鍋ご飯は炊飯器よりもおいしく、かつ早く炊ける以外にも、3つのメリットがあります。
- 自分好みの炊き方を見つけられる
- 保管しやすい
- 洗い物が少ない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.自分好みの炊き方を見つけられる
土鍋ご飯は火力を調整できるため、以下のように自由な炊き方が可能です。
- 火力強めで、おこげを付ける
- 火力弱めで、やわらかい食感にする など
基本の炊き方を身に付けたら、自分や家族の好きな食感を目指して、試行錯誤してみるとよいでしょう。
2.保管しやすい
土鍋ご飯のメリットはふたが付いているゆえに、鍋ごと保管できる点にあります。食べるまでそれほど時間が空かない場合は、テーブルの上に置いておくことも可能です。土鍋は冷めにくい性質も持っており、炊飯直後と同じようなおいしさを楽しめます。
また、時間が空く場合は土鍋ごと冷蔵庫に入れて保管できます。食べる際は土鍋ごとレンジで再加熱できるため、炊飯から食事まで全体を通して手間がかかりにくいといえるでしょう。
3.洗い物が少ない
土鍋ご飯は炊飯器よりも、洗い物が少ない点もメリットです。下表のように、土鍋は本体とふたのみ洗えばOKであり、炊飯器の半分以下になります。
土鍋の場合 | 炊飯器の場合 |
---|---|
・本体 ・ふた | ・内がま ・内ぶた ・外がま ・外ぶた ・蒸気口 など |
また、洗い方にも違いがあります。炊飯器は柔らかいスポンジで優しく洗い、場合によってはセスキやクエン酸などが必要です。一方、土鍋は頑丈なため、たわしで力強く洗っても問題ありません。
土鍋は食器洗いにおいても時短となるため、忙しい主婦の方にもうってつけのアイテムといえるでしょう。
土鍋でご飯を炊くデメリット
土鍋ご飯のデメリットは炊き方の自由度が高い分、最初は失敗しやすい点にあります。具体的な失敗例は、以下のとおりです。
- 焦げてしまう
- 芯が残る
- ベチャベチャになる など
土鍋ご飯が失敗しやすい理由は本体が温まりにくく、火力や加熱時間の調整が難しいためです。「強火→弱火→蒸らし」の手順を押さえながら、何度か挑戦し、自分好みの炊き方を見つけていきましょう。
土鍋ご飯は「浸水なし」より「浸水あり」のほうがおいしい!
土鍋ご飯は浸水なしでも炊けますが、やはり浸水ありのほうがよりおいしく炊きあがります。いずれにしても炊飯器で炊くよりもメリットが多く、土鍋ご飯に挑戦する価値は非常に大きいといえます。
ふっくらもちもちとしたご飯を楽しみたい方は、土鍋での炊き方を身に付けていきましょう。