美容や栄養成分が豊富で、昔から食事・掃除・美容に使われてきた日本の「米ぬか」。近年、エコな生活に最適な素材として注目されています。
米ぬかは、料理・化粧品・掃除・肥料などたくさんの利用方法があるうえ、意外と簡単に作ることができるのも人気の理由です。
自然素材なので、小さな子供がいても安心して使えると話題です。今回は、家庭で簡単にできる「米ぬか」の利用方法を紹介します。
米ぬかとは
米ぬかは、玄米を精米して白米にするときに作られます。栄養が9割以上含まれるお米の果皮・種皮・胚芽などが粉末状になったものです。
昔は、料理や掃除などにも利用されていましたが、経済成長とともに使われなくなりました。
しかし、近年の自然志向や健康ブームにのって、改めて注目され始めています。
1. 米ぬかはどこで買える?
米ぬかは、製品として販売されているものを「ネット等で購入する」他、「ライスセンターや精米所でもらう」「お米屋さんから購入する」ことができます。また自宅用の精米機を使えば、米ぬかを取ることができます。
- ネット通販で購入する
- JAのライスセンターや米の精米所でもらう
- お米屋さんから購入する
- 自分で精米する
近くに精米所やお米屋さんがない場合は、ネットなどで購入するのが簡単かもしれません。
気軽に手に入るぬか漬け用には、食塩や唐辛子などが加えられているので、掃除や美容目的など、さまざまな使い方をしたい方は、米ぬかの粉だけを購入するのがベストです。
まずは、近所にお米を精米して販売しているお店があるか確認をしましょう。
2. 米ぬかも酸化する
米ぬかは、米油が取れるほど油分を含んでいるので、酸化しやすい特徴があります。精米したときから酸化が始まり、賞味期限は1週間程度です。
米ぬかに含まれる不飽和脂肪酸は健康によい要素ですが、酸化して過酸化脂質になると健康を害することもあります。
できるだけ精米仕立ての米ぬかを手に入れ、早めに消費するのがおすすめです。
料理や肌に触れる化粧品には新しい米ぬかを使い、古くなったものは掃除や洗い物などに利用するとよいでしょう。
3. 米ぬかの保存方法
酸化しやすい米ぬかは、密封できるジップロックに入れ、冷蔵・冷凍庫で保存しましょう。冷蔵庫で約2週間、冷凍庫で約1〜2カ月保存可能です。
常温では、冬場で1週間、夏場は3日程度しか持たない可能性もありますので注意しましょう。
通販で購入する場合は、真空パックされているものや出来立てを詰めたものを選ぶと良いでしょう。
また、たくさんの米ぬかを手に入れた場合は、軽く煎って水分を飛ばして密封保存するのもおすすめです。殺菌や劣化防止になるので、日持ちしやすくなります。
ぬか袋を使ったおすすめ掃除方法
それでは、米ぬかの活用方法を紹介します。まずは、ぬか袋を使った掃除方法です。
油汚れにも効果が期待できる米ぬかは、家の中の掃除でも大活躍します。
化学的な薬剤を使わずに、家をきれいにしたい方におすすめです。
1. ぬか袋の作り方
ぬか袋は自分で手作りできます。袋の素材は木綿のハンカチやガーゼ、いらなくなった肌着などで十分です。
ぬか袋の作り方は「Hint-Pot おうちでできるやさしいおてあて 「ぬか袋カイロ」を作ってみよう」で紹介されている方法を参考にしてみると良いでしょう。
1、表布、裏布を重ね、裏布が外側にくるようにして長い側を2つに折りたたみ、ずれないようにまち針で止める
Hint-Pot おうちでできるやさしいおてあて 「ぬか袋カイロ」を作ってみよう
2、短辺1辺から長辺を続けて端から5mm程度内側を本返し縫いで縫う。1辺の縫い始めと縫い終わりは、かがり縫いを同じ場所で数回する。角をカットする。
3、米ぬか、玄米、自然塩をビニール袋に入れよく混ぜる
4、2で作った袋の上部を表に返し、3で混ぜた材料と好みのハーブを入れる
5、袋の口を内側に織り込み、まち針で押さえる。端から5mm程度の場所を刺繍糸を使って本返し縫いで縫う
2. フローリングの掃除
ぬか袋で小学校の廊下掃除したことある人同級生 pic.twitter.com/Ik0bYktYb7
— ユースケ@s123loss…_(:3 」∠)_ (@en_ici) January 1, 2020
それでは、作ったぬか袋を使って、部屋の汚れを落としていきましょう。
米ぬかには油分が含まれるので、フローリングの掃除にも最適です。
<フローリングの掃除方法>
- 雑巾でホコリやゴミを空拭きする
- ぬか袋で木目にそって拭く
米ぬかは、元々ワックスの代わりに使われていた自然素材のため、拭き上がりはツヤっとするだけでなく、汚れもつきにくくなります。
汚れがひどい場合は、硬く絞った雑巾に米ぬかを挟んで拭くと落ちやすいでしょう。
畳の掃除
米ぬかには、畳を長持ちさせる効果もあります。手入れ方法はとても簡単で、ぬか袋で畳の目にそって軽く拭くだけです。
い草のつやを蘇らせ、汚れにくくする効果のある米ぬかは、古くから畳のお手入れに使われています。
長年使用したい畳だからこそ、米ぬかできちんとお手入れをして長持ちさせるのがおすすめです。米ぬかの油分は畳を保護して、ささくれ防止にも効果を発揮します。
米ぬかの匂いが気になるという方は、拭いた後にしっかりと換気をしましょう。
お風呂の掃除
米ぬかはお風呂掃除でも活躍します。ぬか袋で気になる部分を擦るだけで水垢を落とし、鏡もきれいにすることが可能です。
ぬかの油分が作用して水垢をきれいに落とします。研磨成分は入っていないので、しっかり擦っても大丈夫で、傷がつくこともありません。
ただし、擦りすぎるとぬかが袋から出てきてしまうことがあります。そのまま流すと、排水溝が詰まる原因になる可能性があるので注意が必要です。
お風呂の掃除にぬか袋が利用できるなら、ぬかを余らせてしまう心配も少なくなるでしょう。
米ぬかで美容やスキンケアに
次にご紹介するのは、米ぬかを使った美容方法です。米ぬかにはビタミンをはじめ、美容に効果のある成分がたくさん含まれています。
米ぬかをスキンケアに利用して肌美人を目指しましょう。
1. 米ぬかパック
米ぬかパックは、米ぬか・水・小麦粉を混ぜるだけです。小麦粉は、肌に吸着させるために入れます。
小麦粉の量を変えて自分好みの硬さに調整することも可能です。
<米ぬかパックの配合>
- 米ぬか 大さじ3
- 小麦粉 大さじ1
- 水 適量
清潔な肌に米ぬかパックを塗って5分ほどおきましょう。パックはコットンなどで擦らないように拭き取ります。
米ぬかパックは、週に1回程度がおすすめです。まずは、腕の内側などで試して、異常がないか確認してから使い始めましょう。
米ぬかを使ったパックは、様々な種類の製品が市販されています。
2. 米ぬか石鹸
米ぬか石鹸は、無添加せっけんを用意して作る方法がおすすめです。
<用意するもの>
- 無添加せっけん
- 米ぬか(石鹸の5〜10%)
- お湯(無添加せっけんの25〜30%くらい)
- 牛乳パック
- ジップロック
- おろし金
<米ぬか石鹸の作り方>
- 無添加せっけんをおろし金で細かくする
- きれいな牛乳パックに、細かくした無添加せっけんを入れ、お湯を加える
- めん棒で潰すようにこねる
- 滑らかになったら、米ぬかを加え混ぜる
- ジップロックに入れて、お湯(配合外)につける
※せっけんが半透明になって溶けてくればOK - 牛乳パックに戻し固める
- 型から外し風通しのよい日陰で乾燥させる
コツは、無添加せっけんをうまく溶かすことです。電子レンジで溶かすことも可能ですが、吹きこぼれやすいので気をつけて行いましょう。
米ぬか石鹸は市販もされています!まずはお手軽にこちらで試してみるのも良いでしょう。
3. 米ぬか入浴剤
スキンケアで一番簡単にできるのが、米ぬかの入浴剤です。ぬか袋をお風呂に浮かべて、少し揉むと乳白色のお湯になります。
温泉気分も味わえる優れものです。中身があふれ出ないように気をつけましょう。
ゆっくりと湯につかりながらぬか袋で肌をさすると、肌がすべすべになります。ぬかの油分で湯船に湯垢が付きにくくなるのも嬉しいポイントです。
米ぬかを初めて利用するのであれば、手軽に試すことができる入浴剤から始めてみましょう。
米ぬかでキッチンもキレイに
米ぬかはキッチンでも大活躍します。油汚れなどもしっかりと落ちると話題です。洗剤を使わずきれいになるため、環境にも配慮することができます。
自然のものなので、成分が残っていても安心です。気軽に使えるよう常備しておいてもよいでしょう。
1. 食器洗い
米ぬかは脂肪が含まれるので、食器洗剤の代わりとして利用できます。使い方は、水を含んだスポンジにのせて、汚れた容器などをこするだけです。
さらに米ぬかは、コップや急須などの茶渋を落とすこともできます。自然素材なので、野菜やフルーツの表面を洗うときにもおすすめです。
利用する際は、網目の細かい排水用ネットを重ねてセットしておくと、排水溝が詰まる心配がありません。
また、油を吸った米ぬかは、新聞などに包んで生ゴミとして捨てれば、後片付けが簡単です。
米ぬかを使った洗剤は、以下の商品など市販されています。
2. 廃油処理
米ぬかを使う廃油処理は、米ぬかがたくさん余ったときの活用方法にも最適です。
牛乳パックに米ぬかを半分くらい入れて、廃油を注ぐだけで完了します。
油が多く液体状になるときは、米ぬかを追加するとよいでしょう。あとは袋に入れて生ゴミに出すだけです。
また、廃油を米ぬかに加えて肥料を作ることもできます。
<肥料の作り方>
- 米ぬかと油を合わせて、米ぬかをポロポロとそぼろ状になるくらいにする
- 密封して1週間程度置いて発酵を促す
- 土と混ぜてさらに発酵させる
- 1週間ごとにかき混ぜる
水気がなくなり、発酵がおさまってきたら出来上がりです。通気性のよい麻袋などに入れて保管しましょう。
3. 消臭剤として
最後に紹介する米ぬかの利用方法は、消臭剤です。
<消臭剤の作り方>
- 米ぬかを軽く色づくまで煎って、水気を飛ばす
- 通気性のよい袋に入れる
※袋がないときは、コーヒーフィルターなどもおすすめ
靴箱や冷蔵庫、生ゴミ、クローゼットなど臭いの気になるところに置いておけば、嫌な臭いを吸い取ってくれます。
定期的に取り替える必要があるので、ぬかの余りをうまく活用するとよいでしょう。自然の消臭剤なので、ペットやお子さんがいたずらしても安心です。
米ぬかを生活に取り入れてみよう
米ぬかは、まさに万能アイテムです。こんなにもたくさんの利用方法があることを知らなかった人も多いでしょう。
米ぬかは料理や掃除、美容アイテムだけでなく、肥料にも活用できます。嬉しいことに、洗剤の代わりに使えば、手が荒れる心配もありません。
自然にも身体にも優しい米ぬかを活用して、今のケミカルな生活を見直すきっかけにしてみませんか?