お米を保管するうえでカビと並んで問題となるのが、害虫の発生です。お米の虫除けグッズとしては「米唐番」などが有名ですが、実は家にあるものの中にも防虫効果を持つグッズがあります。
本記事では家にあるものの中で、お米の虫除けとして有効なグッズの種類や使い方を解説します。虫が発生する原因や取り除き方もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
お米の虫除けは家にあるものでもOK!おすすめグッズ5選
家にあるものの中でお米の虫除けとしておすすめなのは、以下の5つです。
なお、お米を常温保存する際に役立つグッズを知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
1. 唐辛子:おすすめ度★★★★★
「米唐番」にも使われている唐辛子は、そのままでもお米の虫除けとして有効です。お米5kgあたり2〜3本入れることで、唐辛子が持つ辛味成分「カプサイシン」が防虫効果を発揮します。
唐辛子がお米の虫除けとして優れているのは不揮発性の成分が多く、通常の状態ではあまり香りを感じない点です。のちほど紹介するにんにくなどと異なり、臭い移りの心配がありません。
なお、唐辛子の防虫効果は、生と乾燥とで大きな違いはありません。ただし、生の唐辛子は水分がある分、湿気がお米に移ってカビが生えないように注意が必要です。定期的に確認して入れ替えるか、手間を省きたい場合は乾燥した唐辛子を利用するとよいでしょう。
また唐辛子の成分を使った米びつ用防虫剤「米唐番」は、お米へのにおい移りも気にしなくて良いためおすすめです。
2. にんにく ★★★★☆
にんにくに含まれる「アリシン」と呼ばれる香り成分も、お米の虫除けとして有効です。皮をむく必要はなく、2〜3かけら入れるだけで防虫効果を発揮します。
臭い移りが気になる場合は薄めの紙袋に入れてから、お米と一緒に保存容器へ移すとよいでしょう。
3. わさび ★★★☆☆
わさびは唐辛子と同様に、辛味成分が虫除け効果を発揮します。わさびの辛味成分は「アリルイソチオシアネート」と呼ばれ、そのまま入れるのはもちろん、すりおろしたわさびを密閉容器の蓋などに塗るのも有効です。
ただし、にんにくと同様に臭い移りしやすいデメリットがあります。わさびの臭いが気にならない、あるいは使用して保管する期間が短い場合は利用するとよいでしょう。
4. ローリエ ★★☆☆☆
ローリエは清涼感がある香りが特徴的なハーブであり、主にヨーロッパでお米の虫除けとして使用されています。
同じく防虫効果が期待できるラベンダーなどにくらべると、香りが弱い特徴もあります。唐辛子と同様に定期的な交換が必要なものの、臭い移りの心配はありません。逆に言うと強い効果はあまり期待できないため、あくまでも代替品として使うとよいでしょう。
5. 新聞紙 ★★☆☆☆
新聞紙に直接的な防虫効果はありませんが、吸湿効果がお米の虫除けに役立ちます。虫が好む多湿環境を改善できるためです。
ほかの虫除けグッズと併用することで、より高い効果が期待できるでしょう。
お米の虫除けにベストな保存場所
結論から言うと、お米の虫除けにベストなのは冷蔵庫です。お米に発生しやすい虫が活発になるのは20℃以上であり、15℃以下になると活動できなくなります。
冷蔵庫は約0℃〜9℃ほどで、虫の活動を抑えるのに最適です。とくに野菜室は約4〜9℃と冷えすぎず密閉性も高いため、お米の鮮度も保ちやすいメリットもあります。
お米を野菜室で保存するメリットや具体的な方法を知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
お米に発生しやすい虫の種類
お米に発生しやすい虫は、主に下表の4つです。
虫の種類 | 特徴 |
---|---|
コクゾウムシ | 鼻が長い |
ノシメマダラメイガ | 体長約8ミリ程度の小さい蛾 |
シバンムシやコクムスドムシモドキ | コガネムシに似ている |
とくに、コクゾウムシは高温多湿な環境がそろうと爆発的に増殖します。お米の中に茶色や黒い粒がある場合は、虫の混入を疑って早めに対策しましょう。
なお、茶色い粒は虫のほかにも、カビや古米が原因の場合もあります。見分け方や対処法を知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
そもそもお米に虫が発生する原因とは?
ここではお米に虫が発生するタイミングと、活性化しやすい環境について見ていきましょう。
お米に虫が発生するタイミング
お米に虫が発生するタイミングは、主に以下の3つです。
最初から入っていた虫は精米時にある程度は取り除かれるものの、ゼロではありません。のちほど紹介する取り除き方に沿って処理するか、あまりに発生数が多い場合は廃棄することをおすすめします。
一方、購入後に発生する虫の混入は、以下に挙げるような密閉容器で保管することでほぼ防げます。
- 米びつ
- ジップロック
- タッパー など
お米を買った際は米袋のまま保管せず、必ず密閉容器に移し替えましょう。
お米に混入した虫が活発化しやすい環境
お米に混入した虫は、以下のような高温多湿な環境で活性化しやすくなります。
とくに、梅雨の時期や夏場は要注意です。また、米びつなどの保存容器を定期的に洗わず、ぬかが残った状態も虫にとって格好の餌場となります。コクムスドムシモドキなど糠を好む虫が発生しやすくなるため、保存容器は必ず洗ってから新しいお米を入れましょう。
虫が発生したお米は食べられる?家にあるもので取り除く方法
虫が発生したとしても、取り除ける範囲の数であれば十分食べられます。万が一虫を食べてしまったとしても、健康面・衛生面ともに問題ありません。
とはいえ、気持ちの面でおいしく食べられない方も多いでしょう。そのような場合は、お米に発生する虫の「光を嫌う」習性を利用して取り除いてください。具体的には以下のいずれかにお米を広げ、陰干しします。
- 新聞紙
- ビニール袋
- ブルーシート など
なお、干しすぎるとお米が乾燥し、ひび割れなどによって風味が落ちる可能性があります。陰干しは長くても半日程度に留め、その後、密閉容器に戻しましょう。雨の日など陰干しが難しいときは、以下の方法も有効です。
- ザルを使って虫をふるい落とす
- たっぷりの水にお米をつけ、浮いた虫を洗い流す
いずれも家にあるもので対応可能なので、お米の中に虫を発見した場合は手早く処理を済ませましょう。
お米の虫除けは家にあるものでも十分可能!
お米の虫除けはにんにくやわさびなど、家にあるものでも十分役立ちます。臭い移りが気になる場合は、唐辛子やローリエの利用がおすすめです。新聞紙を併用すると吸湿効果によって、より高い防虫効果が期待できます。
お米の虫除けを手軽に済ませたい方は、家にあるものを有効活用しましょう。