家族の人数が多いと、お米の消費量は自然と激しくなります。
とはいえ、1回に買うお米の量が多すぎると冷蔵庫に入らず、保存方法に悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、お米が冷蔵庫に入らないときの保存方法を紹介します。
お米を常温保存するときに役立つアイテムもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
お米にカビや害虫が発生する環境とは
そもそも、お米の保存方法に注意が必要な理由は、カビや害虫の発生を抑える必要があるからです。
カビは気温25度前後、湿度80%以上で発生しやすいといわれています。コクゾウムシやノシメマダラメイガといったお米に発生する虫も、気温15度以上の環境で活動が活発になります。
ちなみに、高温多湿が影響するのは、カビや害虫ばかりではありません。精米された白米の表面には、脂肪分が多い糠(ぬか)の粉がついています。この糠が空気に触れて劣化すると、味が落ちる原因にもなるのです。高温多湿だと、その劣化はさらに速くなります。
お米を安全に、かつおいしく食べるためにも、お米を保存するときは高温多湿を避けたいところです。
お米が冷蔵庫に入らないときのNG保存方法
高温多湿を避けるために、冷蔵庫へお米を保存する方も多いでしょう。
しかし、お米の量が多くなると、すべてを冷蔵庫で保管するのは簡単ではありません。やむをえず常温保存する場合は、冷蔵庫以上にカビや害虫に気をつける必要があります。
ここでは、お米を保存するときのNGな方法を3つ見ていきましょう。
- 水気の多いところに置く
- 米袋のまま保存する
- 保存容器を洗わずに使い続ける
一つひとつ見ていきましょう。
1. 水気の多いところに置く
お米が冷蔵庫に入らないとき、次のような場所で保存する方もいます。
- コンロの下
- シンクの下
- 洗面所の戸棚
これらは日陰で温度も低いものの、湿気が多い場所であり、カビや害虫の発生を防ぎきれません。
また、お米には臭いを吸収しやすい特性があります。上記の場所では洗剤や油の臭いがお米に移り、まずく感じる原因にもなってしまうでしょう。
2. 米袋のまま保存する
実は、米袋には小さな穴がたくさん開いており、密閉性が低くなっています。そのため、米袋のまま保存すると湿気が入り込み、カビや害虫が発生しやすくなるのです。
面倒でも、お米を買ったときは密閉性の高い容器へ移し替えるようにしましょう。
3. 保存容器を洗わずに使い続ける
保存容器を洗わずに使い続けるのも、お米のNG保存方法です。とくに米びつは、底に残った古いお米や糠の粉から虫が発生する可能性が高くなります。
移し替えるときは古いお米を使いきり、綺麗に洗浄・乾燥させてからが望ましいです。
お米が冷蔵庫に入らないときの上手な保存方法
では、お米が冷蔵庫に入らないときには、どのように保存したらよいのでしょうか。
適切な保存容器と場所、期間について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 保存容器は密閉性の高いものを使う
- 保存場所は高温多湿を避ける
- 適切な保存期間内に消費する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 保存容器は密閉性の高いものを使う
保存容器は密閉性が高いものを選び、新しいお米を入れる前には必ず洗うようにしましょう。おすすめの保存容器は、次の4つです。
- 米びつ
- タッパー
- ジップロック
- ペットボトル
このうち、ジップロックは1回に炊く量を小分けにして保存できます。シリコン製のジップロックなら洗えるため、繰り返し使いやすいでしょう。
ペットボトルは、縦でも横でもスペースに合わせた保管ができます。少量ずつ取り出しやすい点も、大きなメリットです。
ただし、ペットボトルはその形状ゆえに、洗いにくい点がデメリットとなります。そのため、お米を買うタイミングで新しいペットボトルを用意するのがおすすめです。
なお、米袋のまま保存したい場合は、布団用圧縮袋を活用しましょう。布団用圧縮袋に米袋を入れ真空に近づけることで、湿気が入り込むのを防げます。
2. 保存場所は高温多湿を避ける
先ほど紹介したように、高温多湿ではカビや害虫の発生や味の劣化を引き起こしかねません。そのため、お米の保存場所は気温5~15度、湿度70%以下の日陰がおすすめです。
冷蔵庫に入らない場合は床下収納や日陰の多い部屋、クローゼットの一角などを活用していきましょう。
3. 適切な保存期間内に消費する
お米の保存期間は、精米日が基準となります。冬は精米日から1か月まで、夏は2週間までが最適な保存期間です。
お米を常温保存するときは保存期間が長くなりすぎないよう、1回に買う量の調整も必要になります。なお、お米の消費量は1人当たり約4.8kg/月といわれています。
1人暮らしや夫婦2人暮らしは5~10kg、家族4人暮らしは20~30kgあれば1か月もつでしょう。
夏にお米を買うときは冬の半分量にするなど、時期によって購入量を調整するのもひとつの方法です。
お米の保存期間については、関連記事の「米の賞味期限ってある?いつまで食べられる?おいしさの目安とは」で詳しく解説しています。参考にしてみてください。
お米を常温保存するときに役立つアイテム
お米が冷蔵庫に入らないとき、保存容器などに注意しても「やっぱり、カビや害虫が心配」という方も多いでしょう。
最後に、お米を常温保存するときに役立つアイテムを3つ紹介します。
- 米唐番
- 竹炭
- ガスバリア袋&カイロ
冷蔵庫保存へ移行したときにも使えるものも多いので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 米唐番
もっともスタンダードな米唐番は、唐辛子や発酵アルコールなどの成分により虫よけ効果が期待できます。似たような効果があるとして、鷹の爪やニンニクを入れる方法も珍しくありません。
米びつやタッパーは米唐番、ジップロックやペットボトルなど小さな保存容器は鷹の爪など、使い分けるのもよいでしょう。
2. 竹炭
竹炭は虫よけと同時に、お米の臭いを脱臭する効果も期待できます。
お米に刺すだけでなく、置いたり吊るしたりもできるため、保存容器に合わせた使用が可能です。とくに、臭い移りが気になる方は、ぜひ一度利用してみてはいかがでしょうか。
3. ガスバリア袋&カイロ
ナイロン袋などのガスバリア袋を使った保存では、酸素を遮断することでお米の酸化を抑えられます。
一緒に入れる脱酸素剤は、カイロでも代用可能です。カイロの鉄分が酸素と結合し、無酸素状態になります。すると、発熱が止まって温度が下がり、問題なく常温保存できるのです。
少々手間はかかりますが、お米の味を落としたくない方にとって挑戦する価値は十分あるといえるでしょう。
お米が冷蔵庫に入らないときは保存方法を工夫しよう
お米が冷蔵庫に入らないときは高温多湿を避け、密閉性の高い容器で保存することが大切になります。お米の劣化が速い夏であれば、冬よりも1回の購入量を減らすのもひとつの方法です。
お米を常温保存するときは保存方法を工夫し、カビや害虫の発生を防いでいきましょう。