玄米には白米より数倍多くの栄養素が含まれており、「完全食」とも呼ばれています。しかし、玄米だけでは不足してしまう栄養素もあるのです。
玄米に足りない栄養素は、それらが多く含まれる食材をおかずとしてプラスすることで補うことができます。
本記事では、玄米に足りない栄養素やそれらを補うことができる食材について解説していきます。
玄米に含まれる栄養素
玄米とは、白米を精米する前の状態のお米を指しています。
玄米は私たちに必要な栄養素が豊富であり、白米より数倍多い栄養素が含まれていると言われています。
まずは、玄米に豊富に含まれる栄養素についてチェックしてみましょう。
1. 玄米とは
玄米とは、稲からもみ殻だけを取り除き、表皮やぬか層(薄い皮の部分)、胚芽(芽になる部分)が残ったままの状態のお米のことです。
お米にある多くの栄養素は、この表皮やぬか層、胚芽に含まれているため、玄米には身体に必要な栄養素が40種類以上含まれているのです。
2. 玄米は白米より栄養価が高い
玄米を精米し、表皮やぬか層、胚芽を取り除いたものが白米です。精米することで白くて綺麗なお米になりますが、精米の段階で多くの栄養素も取り除かれてしまいます。
このため、玄米は白米より圧倒的に栄養価が高いと言えるのです。
3. 玄米に豊富に含まれる栄養素
玄米には実に多くの栄養素が含まれていますが、代表的なものは次に挙げられる栄養素です。
ビタミンB群は糖質やエネルギーに変え、疲れにくい身体を作る役割があります。
ミネラルとは、マグネシウムや鉄などの身体の機能を整える役割のある栄養素です。マグネシウムや鉄には筋肉や血液を正常に保つ役割があり、不足すると貧血などの体調不良を引き起こすため注意が必要です。
食物繊維は便秘改善に役立つほか、血糖値やコレステロールの上昇を緩やかにする働きがあります。
玄米の栄養成分については、関連記事の「玄米の栄養成分とは?美容や健康に効果的って本当なの?」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
玄米に足りない6つの栄養素
ここでは、玄米に足りない栄養素と、それぞれの役割について紹介します。
玄米にはビタミンが豊富といわれていますが、ビタミンの種類によっては玄米に含まれていないものがあるため、他の食材で補うことが必要です。
1. ビタミンA
ビタミンAには皮膚や粘膜を正常に保ち、免疫力を維持する働きがあります。ニンジンやかぼちゃなどのβカロテンを摂ると体内でビタミンAに変わります。
2. ビタミンD
ビタミンDにはカルシウムやリンの吸収に関わり、骨や歯を作る働きがあります。その他にも免疫力を高める働きも持っています。
ビタミンDは小魚やきのこなどに豊富に含まれているほか、日光浴をすることで体内のビタミンDを増やすことができます。
3. ビタミンK
ビタミンKにはコラーゲンの働きを助けたり、血液の凝固を助ける働きがあります。他にも骨を丈夫にする役割も持っています。
4. ビタミンB12
ビタミンB12には神経機能を維持する働きがあるほか、様々な生体反応に関わっています。不足すると貧血の原因になることもあるため注意が必要です。
ビタミンと言えば野菜や果物を連想してしまいますが、ビタミンB12は肉や魚などの動物性たんぱく源に豊富に含まれています。
5. ビタミンC
ビタミンCはたんぱく質と一緒に摂ることでコラーゲンの合成を助けたり、鉄の吸収を高めるなど様々な役割があります。
ビタミンC普段の食生活で不足する可能性は高くありませんが、ストレスの多い生活や喫煙によってビタミンCの必要量が増大するため注意が必要です。
6. カルシウム
カルシウムには骨や歯を作る働きがあります。不足すると骨折や骨粗鬆症の原因となるため注意が必要です。
本サイトの「日本全国お米図鑑」では、玄米食に適したおすすめのお米を紹介しているので、以下のバナーからチェックしてみてください!
玄米と合わせて食べたい食材4選
ここでは、玄米に足りない栄養素を補うために一緒に食べておきたい食材を紹介します。
玄米食を作るときに、これらの食材をおかずに使うことでより一層バランスの良い食事を作れます。
1. 肉、魚介類
肉や魚介類には、玄米に足りないビタミンAやビタミンB12が豊富に含まれています。
特にビタミンAやビタミンB12が多い肉や魚介類には、次のようなものが挙げられます。
- レバー
- サケ
- 青魚(サバ、アジなど)
2. 納豆
納豆にはビタミンKが豊富に含まれているため、玄米食と一緒に食べておくと安心です。
また、納豆はおかずとして簡単にプラスできる食材であることも魅力です。
3. 緑黄色野菜
緑黄色野菜には、玄米に足りないビタミンAやビタミンCが豊富に含まれています。また、小松菜にはカルシウムも豊富であるため、ビタミンDの多い食材と合わせて食べると効果的です。
主な緑黄色野菜には、次のようなものがあります。玄米食のおかずとしてプラスしてみましょう。
- ブロッコリー
- にんじん
- 小松菜
- かぼちゃ
4. きのこ
きのこには玄米に足りないビタミンDが豊富に含まれています。
また、きのこは火が通りやすい食材であるため、料理にプラスするときも手間がかかりません。
玄米に足りない栄養素を手軽に補う方法
玄米は栄養素が豊富な食材であるため、簡単なおかずを少量プラスするだけで、足りない栄養素を補えます。
ここでは、玄米に足りない栄養素を補うためのおかずを簡単にプラスする方法について解説していきます。玄米食をよりバランスの良いものにするための参考にしていただければと思います。
1. 味噌汁を具沢山にする
玄米に合わせる味噌汁を作るときは、野菜などを多めに使った具沢山なものにするだけで、足りない栄養素を補うことができます。
例えば、味噌汁の具に小松菜などの緑黄色野菜やきのこをプラスするだけでも効果的です。
2. 納豆や焼き魚を加える
納豆には玄米に足りないビタミンKが豊富に含まれているため、玄米食にプラスしておきたいおすすめ食材のひとつと言えます。
ビタミンAやビタミンB12を補うためのたんぱく源は、焼き魚であれば簡単にプラスできます。特に焼き魚はサケやサバ、アジなどの青魚がおすすめです。
3. 玄米の炊き込みご飯にする
玄米を炊くときにサケやきのこ、野菜を一緒に入れて炊き込みご飯にするという方法もあります。
また、玄米はパサパサして食べづらいという方でも、炊き込みご飯の半分を玄米、半分を白米にすれば豊富な栄養素を手軽に摂ることができます。
玄米と合わせる食材については、関連記事の「玄米と味噌汁でOK?カラダを整える理想の食事バランス」で詳しく紹介しています。ぜひチェックしてみてください!
簡単なおかずでバランスの良い食事に
玄米は白米より栄養豊富であるため、足りない栄養素を補うおかずは簡単なもので大丈夫です。
玄米に足りない栄養素を知っておき、玄米に合わせるおかずの参考にすることで玄米食を更にバランスよくしてみましょう。