「炭酸水を使うと料理が一段と美味しくなる」と聞いたことはありませんか。お米もしかりで、炭酸水を使ってお米を炊くと味や食感、見た目までもはるかに美味しくなるのです。
今回は「炭酸水で炊飯すると本当においしいご飯ができあがるのか」ついて深く掘り下げていきます。
本記事を読むことで、炭酸水を使っておいしいご飯ができる理由を知ることができます。普段食べているお米を簡単に甘くし、もっとふっくら炊きたい方は参考にしてください。
小さな気泡が全体に熱を伝えお米をふっくらさせる
炭酸水で炊くと、お米にまんべんなく熱が伝わりふっくらする効果があります。炊飯による加熱で米粒の中に浸透した炭酸が気泡化し、米つぶ全体に熱を伝えられるためです。
また、お米がふっくらするだけなく、味そのものがいちだんと濃くなります。これはお米本来の味わいをより引き出せたからです。
炭酸水で炊いたお米の2つの特徴
「炭酸水で炊いたお米」と「水道水で炊いたお米」では、外観等に以下の2つの違いがあります。
- 炊き上がりのお米の量が増える
- お米の中に小さな空洞ができる
ここでは、炭酸研究の第一人者である国際医療福祉大学の前田眞治教授の実験から、お米の外観の違いを紹介します。
1. 炊き上がりのお米の量が増える
炭酸水で炊いたお米は、水道水で炊いたお米より量が増えます。実験では、炭酸水で炊いたお米の方が、1.3目盛りもかさが増えるという結果ができました。
炭酸水が染み込むことで、お米が膨張したことが原因とのことです。炭酸水炊飯は、お米がふっくら炊きあがることで、水道水炊飯よりも量も増えるということがわかります。
2. お米の中に小さな空洞ができる
炭酸水で炊いたお米の外観は、水道水で炊いたお米と違い、割面に小さな空洞ができます。これは炭酸水がお米の中で気泡化したことが理由です。
以下の実験写真を見ると、外観の違いがよくわかるでしょう。
実験では、お米以外の食材でも、炭酸水を使った調理をすると、内部に気泡ができることが確認されています。
天ぷらは衣に炭酸水を加えるカラッとあがり、オムレツは内部に空洞ができることで、ふんわり焼けます。
このように炭酸水は他の料理でも食感を変えることができたり、おいしくすることができます。古くなってしまったお米も炭酸水で炊けば、水道水で炊くよりもふっくら炊き上がるでしょう。
炭酸水を使った炊飯の3つの手順
こちらでは炭酸水でお米を炊く手順を以下の3つのステップで解説します。
- 通常の1.2倍の炭酸水を入れる
- 泡を立てないように炭酸水を注ぐ
- 15分浸水させてから炊飯する
一つひとつ見ていきましょう。
1. 通常の1.2倍の炭酸水を入れる
水道水で炊く際の1.2倍の量、または目盛りよりも2mm多めに炭酸水を入れましょう。
3合のお米を炊く際は、500mlのペットボトルの炭酸水でほぼちょうど良いくらいです。
炭酸水は炭酸ガスが溶け込んでいる水なので、時間がたってガスが抜けると水道水よりも水量が少なくなってしまいます。
そのため炊飯釜の目盛りどおりに炭酸水を入れると浸水中にガスが抜け、目盛りよりも水かさが減り、普段炊く時よりも少ない水の量で炊いてしまうことに。
2. 泡を立てないように炭酸水を注ぐ
炊飯器に炭酸水を注ぐ際には、炭酸の泡が抜けないようにするため、泡をできるだけ立てずに静かに注ぐことが大切です。
水に溶けこんだ炭酸ガスをより多くお米に浸透させるよう、注ぐ際は気をつけましょう。
3. 15分浸水させてから炊飯する
炭酸水炊飯の浸水時間は、水道水炊飯よりも短くすることがポイントです。15分を目安に浸水すると良いでしょう。
浸水時間が長すぎると、炭酸ガスが抜けてしまう恐れがあるためです。
15分という浸水時間はお米がほどよく炭酸水を吸水浸透し、ガスが抜けはじめない時間です。長い時間浸水しすぎないよう気をつけましょう。
お米の硬さは人それぞれ好みがありますので、はじめに15分試したあとに自分好みの硬さになるよう浸水時間を調整しましょう。
簡単にできる炭酸水炊飯をぜひ試してみてください
ご紹介した炭酸水炊飯は、特別なテクニックや道具は必要ありません。
すでにご自宅にあるお米に炭酸水を入れて炊くだけで、いつもと違ったお米のおいしさを堪能できます。
ごはんが主役の丼メニューや特別な日の食卓に。また人にご馳走する際にひと手間加えて炊飯しておけばOK。
まずはお米の食感はふっくらするのか、味わいは濃くなるのかなど、水道水炊飯と炭酸水炊飯で食べ比べしてみてはいかがでしょうか。