玄米は、白米よりも長期保存が可能だといわれています。しかし、年単位で放置してしまった玄米を見つけると、「食べても大丈夫?」と不安になるでしょう。
今回は、玄米の賞味期限を踏まえながら、日持ちさせる保存方法を紹介します。
古くなった玄米をおいしく炊き上げる方法も合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
玄米の賞味期限はどれくらい?
玄米が白米よりも長期保存ができるのは、その構造ゆえです。
まずは、玄米の賞味期限がどれくらいか、なぜ長期保存ができるのか見ていきましょう。
- おいしく食べられるのは収穫から1年未満
- 保存状態が良ければ1~3年の古米の味に違いはない
- 発芽玄米はやや賞味期限が短い
一つひとつ詳しくみていきます。
1. おいしく食べられるのは収穫から1年未満
そもそも、賞味期限とは「おいしく食べられる期限」を指します。一方、消費期限は「安全に食べられる期限」です。
実は、玄米のような農産物には、賞味期限も消費期限もつけられていません。スーパーなどに並ぶ野菜に表示されていないように、玄米も賞味期限がないのです。
とはいえ、保存期間が長くなると劣化するため、味は落ちてしまいます。お米が劣化する原因は、表面にある脂肪分の多い糠(ぬか)が酸化することです。
玄米は白米部分が空気に触れにくいため、白米よりも劣化しにくくなっています。よって、玄米は白米よりも長く保存できるのです。
2. 保存状態が良ければ1~3年の古米の味に違いはない
玄米をまとめ買いしたり、大量にもらったりすると、どうしても残ってしまうケースもあります。
中には、玄米があることを忘れて、数年単位で放置してしまった方もいるのではないでしょうか。
しかし、低温で一定の湿度が保たれた場所など保存状態がよければ、多少古い玄米でもそれほど味の違いはわかりません。
とくに専門店であれば、非常によい状態でお米が保存されています。買って帰るまでは、新米も古米もほぼ同じ状態の玄米と言えるでしょう。
ただし、5年以上前ともなると、さすがに味が落ちてまずく感じる可能性は高くなります。その際は、後ほど紹介する「古くなった玄米の炊き方」をぜひ参考にしてみてください。
3. 発芽玄米はやや賞味期限が短い
玄米と同様に栄養価が高く、健康志向の方に好まれているのが発芽玄米です。
発芽玄米は、玄米を水につけて発芽させています。つまり、空気に触れる表面が通常の玄米より広がっている状態です。そのため、開封後の酸化や乾燥が玄米より速く、味が落ちやすいといえます。
発芽玄米は玄米よりもやや保存期間が短い、と覚えておきましょう。
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玄米の賞味期限を長くする保存方法
厳密には玄米に賞味期限はないものの、保存期間が長くなると味が落ちてしまうとわかりました。
では、玄米を日持ちさせ、かつおいしく食べられるようにするためには、どのような工夫が必要でしょうか。
ここでは、玄米の賞味期限を長くする保存方法を2つ紹介します。
- 密閉性を高める
- 冷蔵庫に入れる
一つひとつ見ていきましょう。
1. 密閉性を高める
玄米をはじめとしたお米類で一番心配なのが、高温多湿によるカビや虫の発生です。
米袋のまま放置すると、袋の表面に開いた小さな穴から湿気が入ってしまいます。
カビや虫の発生を抑えるためにも、玄米を保存する際は密閉性の高い容器を活用しましょう。
米びつやタッパーはもちろん、ジップロックやペットボトルなども保存容器として使えます。
中には、玄米を真空パックで販売しているところも珍しくありません。未開封の真空パックは、保存場所さえ気をつければ1年はもつといわれています。
「長期的に食べ続ける予定があるけど、保存容器がない」という方は、真空パックの玄米を購入するのもひとつの方法です。
2. 冷蔵庫に入れる
お米にカビや虫の発生が発生しやすいのは、高温多湿の環境と紹介しました。具体的な数値でいうと、高温多湿とは「気温25度前後」「湿度80%以上」です。
逆に「5~15度」「湿度70%以下」の環境であれば、カビや虫の発生を抑えられます。
とくに、冷蔵庫の野菜室は温度や湿度を一定に保ちやすく、玄米の長期保存にうってつけです。
結露が生じないよう出し入れを素早くすると、より長く保存できるでしょう。
玄米が冷蔵庫に入らない場合の保存方法については、関連記事の「お米が冷蔵庫に入らない!NGなのは?上手な保存方法を解説!」で詳しく解説します。こちらも参考にしてみてください!
古くなった玄米の炊き方
玄米は賞味期限・消費期限がないため、基本的に古いものでも食べられます。とはいえ、時間が経っている分、おいしく食べるためには少し工夫が必要です。
こちらでは、古くなった玄米の炊き方を3ステップに分けて紹介します。
- しっかり洗米する
- 長めに浸水する
- 一工夫加えて炊く
一つひとつ見ていきましょう。
1. しっかり洗米する
まずはしっかり洗米し、お米についた汚れなどを落としましょう。
粉々に崩れたり、ひび割れが目立ったりするようであれば、玄米が腐っているサインです。その際は、食べずに捨てることをおすすめします。
また、洗米することで、通常の状態では見つけられなかった虫も浮いてくる可能性があります。こちらも、他に保存している玄米ごと捨ててください。
2. 長めに浸水する
玄米は長期保存が可能とはいえ、時間の経過により乾燥が進んでいる可能性があります。
おいしく炊き上げるには、通常の浸水時間(6~12時間)よりも長めに浸水させるとよいでしょう。
ボウルごと冷蔵庫に入れ、低温でじっくり浸水させる方法もおすすめです。
3. ひと工夫加えてから炊く
きちんと洗米・浸水を行ったあとは、次のようなひと工夫を加えてから炊きましょう。
- ひとつかみのもち米を混ぜる
- 新しいお米と混ぜる
- 酒、またはみりんを少量加える
- サラダオイルを数滴加える
- にがりを加える
このうち、とくにおすすめなのがみりんです。米1合に対して大さじ1/2程度入れると、甘味を伴ったつやのある玄米を楽しめます。
玄米の炊き方については、関連記事の「玄米を炊く際の水加減は1.77倍・白米は1.42倍!混ぜて炊くときの目安も紹介!」で詳しく紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
玄米の賞味期限は白米よりも長い!
玄米は白米より栄養価が高いだけでなく、賞味期限も長くなっています。1~3年ほどの古米であれば、味の違いがさほど感じられないほどです。
玄米を最後までおいしく食べたい場合は、高温多湿を避け、冷蔵庫の野菜室に入れて保存していきましょう。