精米した米をいざ食べようとしたとき、「臭い」と感じたことはありませんか。実は米の状態によっては、独特の「ぬか臭さ」を発する場合があります。
とはいえ、精米したばかりだともったいなく感じ、「食べられるなら食べたい」と考える方も多いでしょう。
本記事では、精米した米が臭い状態になる原因や対処法について紹介します。米の選び方や保存など臭いを予防する方法もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
精米した米が臭い2つの原因
精米した米がぬか臭い原因は、主に以下の2つです。
- ぬかが多く残っている
- 米が古くなっている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. ぬかが多く残っている
精米に問題があり、ぬかが多く残っていることが考えられます。さらに保存方法などに誤りがあると、ぬか臭さが発生しやすくなります。
とくに高温多湿な場所での保管はNGです。カビの発生や虫の混入を増長させる恐れもあり、さらに臭くなるうえ、食べられずに捨てるはめになります。
2. 米が古くなっている
精米したあとに時間が経って古くなるのも、臭いが発生する原因の1つです。米が古くなるとぬかが酸化し、洗米や炊飯をしてもなかなか取れません。
たとえ適切な方法で保管していても、米は経年劣化します。米の味を楽しむためには、あまり古くなりすぎないうちに食べきることも大切です。
精米した米が臭い場合でも食べられる?
結論から言うと精米した米が臭い場合でも、基本的にぬかが残っていることが原因のため、問題なく食べられます。
ただし、米が古くなっている場合は味や風味が落ちている可能性が大です。また、保存状態が悪く、カビや虫が発生している場合は無理に食べるのはおすすめできません。
そもそものぬか量が多い新米や、精米・洗米が不十分だったゆえに臭い場合に限り、次項の対処法を実践してから食べるとよいでしょう。
精米した米が臭いときの対処法5選
精米した米が臭いときの対処法は、主に以下の5つです。
- 再度精米する
- 丁寧に洗米する
- 炊飯器を洗う
- ひと手間加えて炊飯する
- 保温時間が長くしない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 再度精米する
精米した米が臭いときは、再度精米するのがもっとも手っ取り早い対処法です。その際、純白米を選択するとぬかの量を限りなく減らせます。
ただし、米の水分が少なくなる分、割れやすい傾向にあります。米粒の破損により風味を落としたくない場合は精米後、早めに食べきることを意識しましょう。
2. 丁寧に洗米する
臭いの原因となるぬかを落とすためにも、精米した米は洗米も丁寧に行うことが大切です。
ただし、やりすぎは禁物です。ぬかを落とそうと力任せに研いでしまうと、米粒が割れてしまいます。
そのため、こまめに水を変えながら、優しくかき回して研ぐことを心がけましょう。
3. 炊飯器を洗う
精米した米を炊いたあとに臭いと感じる場合は、炊飯器を丁寧に洗うのも大切な対処法の1つです。
一度釜についたぬか臭さは、放置するとなかなか取れません。新しく精米した米でも、釜に臭いが残っていると炊飯時ににおい移りしてしまいます。
また、雑菌が繁殖すると、さらに臭さが悪化するケースも少なくありません。そのため、大きな部品はスポンジを使って水洗いし、隙間などは濡らした綿棒で拭き取りましょう。
4. 一手間加えてから炊飯する
「精米した米が臭いけど、もう1回精米しに行く時間がない」という場合は、以下のようなものを加えて炊飯するのもおすすめです。
加えるものによって風味が変わるため、自身や家族の好みに合わせていろいろと試してみてはいかがでしょうか。
5. 保温時間を長くしない
せっかく精米した米に嫌なにおいがなくても、炊飯後の保温時間が長すぎると独特の臭さが発生します。雑菌の繁殖やメイラード反応(※)を増長させるためです。
※糖類とアミノ酸などが熱によって茶色く変色する化学反応
米は1回で食べきれる量を炊き、難しい場合は早めに冷凍保存するなど、保温時間を短くする工夫を実施していきましょう。
精米した米が臭い状況を避ける予防方法
最後に、精米した米が臭い状況を避ける予防方法について、以下に挙げる3つの観点から紹介します。
- 選び方
- 買い方
- 保存の仕方
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 選び方
精米した米が臭い状況を確実に避けたい方は、無洗米を選ぶのがおすすめです。
無洗米はぬかが取り除かれた状態のため、酸化しにくい傾向にあります。つまり、ぬか臭さが発生しにくい米です。
甘味を感じにくいデメリットはありますが、洗米が不要な分、食感や時短を重視する方に向いているでしょう。
また、なるべく新しい米を選ぶのも有効です。しっかりと精米・洗米することでぬかが落ち、かつ新米ならではのおいしさを堪能できます。
新米の選び方や保管方法について詳しく知りたい方は、関連記事の「新米の時期はいつから?おいしいお米の選び方と保管方法」もぜひ参考にしてみてください。
2. 買い方
精米した米が臭い状況を避けるためには、長期保存による劣化を防ぐよう、食べきれる量を買うことも大切です。
たとえば、1日2杯のごはんを食べる場合、5kgのお米は約33日で消費できます(※)。
※1合(150g)から、茶碗2杯分のお米(300g)が炊きあがることを想定
家族の人数やおかわりの回数などを踏まえ、自分の家庭に合った購入量を把握しましょう。
なお、1か月あたりに消費する米の量などについて詳しく知りたい方は、関連記事の「一人暮らしのお米|何キロ消費する?ベストな保存方法とは」もあわせてチェックしてみてください。
3. 保存の仕方
精米した米が臭い状況にならないためには、密閉容器を使い、冷暗所で保存するのがもっとも適切です。
密閉容器は米びつやタッパーなどがありますが、いずれもお米がなくなった時点で洗うようにしましょう。ぬかなどが残っていると、新しく精米した米でも臭くなってしまうためです。
また適度な冷暗所が思いつかない場合は、冷蔵庫での保存がおすすめです。ジップロックなどに炊飯1回分の米を入れておくと、計量の手間も省けます。
米をおいしく食べるためにも、上記のような精米後の扱い方についても留意しましょう。
お米の保存方法については、関連記事の「お米が冷蔵庫に入らない!NGなのは?上手な保存方法を解説!」もチェックしてみてください!
「精米した米が臭い」は予防・対処できる
精米した米が臭い場合は原因に応じて対処することで、通常の米とそれほど大きな差異を感じることなく食べられます。
また、においを極力避けたい場合は、米を選ぶ・買う時点での工夫が必要です。無洗米や新米を選び、短期間で食べきれる量を買えば、精米後のにおいを減らせます。
精米した米が臭いと感じる方は、今回紹介した予防・対処法をぜひ実践してみてください。