「ホシユタカ」は佐賀県オリジナルの長粒米です。長粒米とは「細長い」見た目で、一般的にアミロース値が高い「粘りが少ない」お米を指します。粘りが少ない特徴は、イタリアンやフレンチ、エスニック料理に適しており、調理用米として一定の需要があります。
また近年では、家庭用でもお米にこだわる方向けに「カレー用」「リゾット用」などのお米の流通が進んでいます。このような需要の変化の中で「ホシユタカ」は、お米屋さんからのリクエストで開発が始まった特殊な経緯のあるお米です。
この記事では「ホシユタカ」の特徴や購入方法、さらには美味しい食べ方・レシピについても紹介します。「ホシユタカ」「長粒米」に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
佐賀県オリジナル長粒米「ホシユタカ」の特徴
「ホシユタカ」は佐賀県でオリジナルに開発された長粒米です。こちらでは「ホシユタカ」の特徴を以下の3つから紹介します。
- 長粒米とは
- 「ホシユタカ」の味・見た目
- 「ホシユタカ」開発の経緯
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1. 長粒米とは
アジアで栽培されているイネ(アジアイネ)には「ジャポニカ種」と「インディカ種」の2つの種類があります。
ジャポニカ種は日本で栽培されているイネのことですが、世界のイネの栽培面積の中では10%に過ぎず実は少数派です。世界的に見れば、アジアイネの中では「インディカ種」が栽培面積といしては圧倒的に多くなっています。
「インディカ種=長粒米=パラパラしている」というイメージを持っている方は多いと思います。しかし、厳密にはインディカ種だから長粒になる、粘りがなくパラパラしているという対応関係はありません。実際にはインディカ種の中にも単粒や中粒のお米があり、粘りのあるお米もあります。
つまり長粒米とは、インディカ米とジャポニカ米という区別とは厳密には関係のない特徴と言えます。
ホシユタカ(佐賀県)、プリンセスサリー(石川県)、華麗舞(新潟県・石川県・茨城県)、サリークイーン(宮城県)
2. 「ホシユタカ」の味・見た目
「ホシユタカ」の最大の特徴は、長粒種のインディカ米と単粒種のジャポニカ米の交配種であることです。そのため、いわゆる長粒種に比べて粒の長さが少し小さい見た目です。それでもコシヒカリなどの単粒種(一般的な主食用米)に比べれば1.3~1.7倍ほどの長さがあるため、一目で長粒種のお米であることがわかります。
食味は「ジャポニカ米らしいもっちりとした食味や香り」があり、その上「いわゆるインディカ米特有の粘りが少なくパラパラ感」の両方を兼ね備えています。
いわゆるインディカ米は、炊き上がり地にポップコーンのような特有の香りがします。しかしホシユタカはジャポニカ米のなじみのある香りがするため、違和感を感じることもありません。
3. 「ホシユタカ」開発の経緯
「ホシユタカ」の開発は、埼玉県の米問屋「金子商店」の5ツ星お米マイスターの金子真人さんが「ほど良いパラパラ感と美味しさのバランスに優れた長粒米を国内で作れないか?」と佐賀県に提案したことが始まりました。
金子さんは、これまで長粒米を使っている専門店は輸入品に頼るしかなかったため、国内で日本人の好みに合わせた香りや食味のお米を開発すれば需要があるのではないかと考えたそうです。
「ホシユタカ」の開発には、佐賀県、佐賀県農業試験場、JA、伊万里市などが携わっています。2012年に試験栽培・品種選定会から始まり、2013年には農家さんの田んぼで実際に栽培し、そして2014年晴れて全国デビューとなりました。
佐賀県オリジナル長粒米「ホシユタカ」の購入方法
「ホシユタカ」はインターネットでは、amazon(金子商店)または楽天市場(九州米大将)で購入できます。
amazonには、開発の発案者である金子商店さんが出品しています。楽天市場では、福岡県久留米市の米屋さん「九州米大将」さんが出品しています。
九州米大将さんでは「300g・600g・1kg・5kg」の4つ量で販売されており、自身の利用方法に合わせて選べるので便利です。
佐賀県オリジナル長粒米「ホシユタカ」の食べ方・レシピ5選
「ホシユタカ」は、エスニック、フレンチなど様々な国の料理に適しています。こちらでは、以下5つの代表的な食べ方のレシピを紹介します!
- カレー
- リゾット
- チャーハン
- パエリア
- カオマンガイ
ぜひ参考にしてみてください!
1. カレー
「ホシユタカ」の最もお手軽な活用方法はカレーです!シャバシャバ系のカレーとの相性がいいようですね!
カレーで食べる場合には、ホシユタカを通常の同じように炊飯器で炊いてご活用ください。
今日のお昼は【大谷米店】の「カレー2種とお米2合のセット」を!日本の長粒米ホシユタカがいい。軽くて、ちょっとシャバいカレーを吸い込む感じ。バクバク入っちゃった。銀ちゃん分はまた別のセットにしよう! #十条カレーポッターズ #大谷米店 #ホシユタカ pic.twitter.com/mOvpR47EC7
— ひぃママ (@hii_mama) June 30, 2023
2. リゾット
「ホシユタカ」の活用方法として、リゾットも人気です。以下は、Xに投稿されていたホシユタカを使った「舞茸のリゾット」です。
クリフウセン&椎茸リゾットうまい。ホシユタカがリゾットに凄くイイ pic.twitter.com/rJp0hXZaX7
— カルクウ (@karukoo) October 5, 2023
以下は、ホシユタカを使った「舞茸のリゾット」のレシピです。ポイントは、ホシユタカを好みの硬さになるまで煮ることです。リゾットをゼロから作ることが面倒な場合は、リゾットの素を使っても問題ありません!
<材料(2人前)>
- ホシユタカ(1合)
- ニンニク(1片)
- 舞茸(1パック)
- 水(400ml)
- 牛乳(200ml)
- 生クリーム(100ml)
- コンソメ(1個)
- 塩(2つまみ)
- ピザ用チーズ(60g)
- 黒コショウ(多め)
<レシピ>
- 舞茸を手でほぐす
- フライパンに「ホシユタカ・ニンニク・舞茸・水・牛乳・生クリーム・コンソメ・塩」を入れ、フタをして中火にかける
- 沸騰したら弱火にして約20分待つ
- 米がアルデンテに煮えたら、チーズを入れて混ぜ合わせ、黒コショウを振る
3. チャーハン
チャーハンは多くの人がおうちで作る料理の一つではないでしょうか。チャーハンを美味しく仕上げるには、お米をパラパラにすることがポイントです。ホシユタカであれば、一般のお米に比べて段違いにパラパラに仕上がるのでおすすめです。
以下はXで見つけた卵チャーハンの投稿です。チャーハンがいつもべちゃっとなってしまうとお悩みの方は、ぜひホシユタカを使ってみてください。
サケチャーハン②。この日の米は、ホシユタカ。佐賀県産の日本初の長粒米は、チャーハンに使うと見事はまでにパラパラに仕上がります。中華鍋を煙が出るまで熱して胡麻油を入れ、溶き卵を入れ、固まらないうちにご飯投入。 pic.twitter.com/68Q2uGXAkJ
— yuki (@yukiJUNKLAND) March 19, 2016
4. パエリア
「ホシユタカ」は、パエリアづくりにも適したお米です。お米がべちゃつかないので美味しく仕上がります。具材の準備などの手間はかかりますが、ぜひ一度お試しください。
フライパンでパエリア🦐
— なえ子 (@naeko_8) March 17, 2020
ホシユタカってお米で作ってみたんだけど美味しくできた! pic.twitter.com/btUTMrB297
以下は、パエリアのレシピです。具材はお好みで選んでみてください!
<材料>
- ホシユタカ(2合)
- あさり(150g)
- えび(中4尾)
- 鶏もも肉(1/2枚)
- 玉ねぎ(1/2個)
- パプリカ(1/2個)
- オリーブオイル(大さじ2)
- レモン(適量)
- 調味料 おろしにんにく(小さじ1)、サフラン(ひとつまみ)、顆粒コンソメ(大さじ1)、塩(適量)、ホワイトペッパー(適量)
<作り方>
- サフラン水を作る(サフランに600mlに20分つけて色出しする)
- 材料を切り、塩・ホワイトペッパーを振る(玉ねぎはみじん切り、パプリカを細切り、鶏肉は一口大、エビは殻剥き)
- フライパンにオリーブオイル、おろしにんにくを入れて火にかける。
- 香りが出てきたら、あさり以外の具材を炒める(えび、パプリカは炒めたらフライパンから取り出す)。
- ホシユタカ、サフラン水、コンソメを加えて強火にする。
- 沸騰したら弱火にして、あさりを加えて、フタをして15~20分炊く。
- えび、パフ理科を飾り付けて、20秒程度強火で水分を飛ばす。
- フライパンを火から降ろして、レモンを添えて出来上がり。
5. カオマンガイ
カオマンガイは、ごはんを鶏スープで炊いて、茹でた鶏肉をのせたタイ料理です。ごはんに染みた鶏肉の旨味が美味しい人気のメニューです。
#あわいの民の晩ごはん
— あねさん (@poyo57) July 20, 2023
先日買った国産長粒米と冷凍庫で眠っていた鶏胸肉を使っておうちカオマンガイ
ご飯パラッパラだよ!すごいねホシユタカ! pic.twitter.com/3CfEoF7nJ4
以下は、カオマンガイのレシピです。多くの調味料が必要ですが、意外と家にあるものばかりなので、ぜひお試しください!
<材料>
- ホシユタカ(1合)
- 鶏もも肉(1枚・250g)
- ショウガみじん切り(大さじ1/2)
- にんにくみじん切り(1個)
- 長ネギみじん切り(1/4本)
- 調味料 塩(少々)、鶏がらスープの素(小さじ1)、酒(大さじ1)、水(160ml)、醤油(大さじ1)、ナンプラー(大さじ1)、オイスターソース(大さじ1)、レモン果汁(大さじ1)、砂糖(小さじ1)
- 水
- きゅうり(適量)
- ミニトマト(適量)
- パクチー(お好みで)
<作り方>
- 鶏もも肉の皮目をフォークで数回刺し、塩を振る
- フライパンにホシユタカ、しょうが、にんにくを入れる。
- 鶏もも肉を皮目を下にしてのせ、鶏がらスープの素、酒、水を入れる。
- フランパンに蓋をして、中火で沸騰するまで加熱し、弱火にしてさらに15分加熱。火を止めて、10分蒸らす。
- 長ネギ、調味料すべてを混ぜ合わせてソースを作る。
- フライパンでの蒸らしが終わったら、鶏もも肉を取り出し、食べやすい大きさにカットする。
- 皿にごはんを盛り、鶏もも肉をのせ、ソースをかける。
- きゅうり、ミニトマト、パクチーを添えて完成。
佐賀県オリジナル長粒米「ホシユタカ」をぜひお試しください
「ホシユタカ」は、日本で長粒米をもっと広めたいという思いで開発されたお米です。1kg以下など少量での購入ができるので、リゾットやパエリアなどを作る際にぜひ一度お試しください!