お米が茶色く変色したり、茶色い粒が混じっていると驚き、「食べても大丈夫?」と不安になるでしょう。しかし、お米に茶色い粒がある場合の原因にはさまざまなものがあり、適切な知識を身に付けることで変わらずおいしく食べられます。
本記事では、茶色い粒のお米が現れる主な原因や、健康への影響について紹介します。適切な保存方法やおいしく食べる方法もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
お米に茶色い粒が混ざる原因とは?
お米に茶色い粒が混ざる原因は、主に以下の5つです。
- カメムシによる食害:取り除けばOK
- ぬか玉の混入:取り除けばOK
- 酸化:食べれるがおいしくない
- 多湿によるカビ:食べてはいけない
- 虫の混入:取り除けばOK
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. カメムシによる食害:取り除けばOK
お米の一部に斑点が出ている場合、カメムシによる食害が原因として考えられます。
カメムシはお米が成長して硬くなる前に、デンプンの汁をします。この際お米に刺した針が刺傷痕となり、斑点として残ってしまうのです。
全国の田んぼでは食害を防ぐために農薬がまかれますが、無農薬米や減農薬米などは斑点米が混ざる可能性が高くなります。とはいえ、食べる分には問題がないため、洗米時や炊飯後に取り除くとよいでしょう。
2. ぬか玉の混入:取り除けばOK
お米に茶色い塊や粘土のようなカスが混じっている場合は、ぬか玉の可能性があります。
ぬか玉とは、お米が流れる経路に付着するぬか成分です。経路の清掃が不十分な場合などは、付着したぬかが落せつし、お米に混入するケースがあります。
こちらも斑点米と同様に、取り除けば問題なく食べられます。不安がある場合は現物を保管し、購入元などへ確認するとよいでしょう。
3. 酸化:食べれるがおいしくない
お米が酸化した場合、茶色い粒に変色する可能性があります。通常、袋が開封された後や、お米が長期間保存された場合に起こります。
食べる分には問題ありませんが、酸化したお米は色や風味が変化するため、あまりおいしく感じられないケースも少なくありません。
お米を買う際は長期保存を前提とせず、1か月で食べきれる量はどれくらいか、把握してから買うとよいでしょう。
自分の家庭でどれくらいのお米が必要なのか目安を知りたい方は、関連記事の「一人暮らしのお米|何キロ消費する?ベストな保存方法とは」もぜひ参考にしてみてください。
4. 多湿によるカビ:食べてはいけない
湿気によって発生したカビでも、お米の粒が茶色くなる可能性があります。
多湿になる原因は、主に不適切な保存方法です。とくに以下のような保存方法だと、カビが発生しやすくなります。
- 購入時の袋そのままで保存している
- 水気の多い場所で保管している
- 冷蔵庫で保管しているものの、結露している
適切な保存方法について知りたい方は、後述の「お米に茶色い粒を発生させない適切な保存方法」をぜひ参考にしてみてください。
なお、カビの中には有毒な種類もあるため、食べるのは避けたほうが無難といえるでしょう。
5. 虫の混入:取り除けばOK
お米の中に茶色い粒がある場合、下表に挙げるような虫の混入も原因として考えられます。
虫の種類 | 特徴 |
---|---|
コクゾウムシ | 鼻が長い |
シバンムシやコクムスドムシモドキ | コガネムシに似ている |
マダラメイガの幼虫や成虫 | 幼虫:ネバネバしている 成虫:蛾のように大きい(2cmほど) |
虫の混入は稲刈り前はもちろん、貯蔵時や保管時にも発生しうるものです。ただし、取り除けば、お米は問題なく食べられます。
具体的な取り除き方は、後述の「茶色い粒のお米をおいしく食べる方法」をぜひ参考にしてみてください。
お米に茶色い粒を発生させない適切な保存方法
お米を新鮮な状態で保つためには、適切な保存方法が必要です。具体的には、以下に挙げる2つ保存方法を試してみましょう。
- 密閉容器を使用する
- 冷暗所に保管する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 密閉容器を使用する
お米を新鮮な状態で保つためには購入時の袋そのままではなく、密閉容器を使って保存することが大切です。
密閉容器は酸素や湿気をシャットアウトし、お米を長持ちさせます。とくに以下の3つは密閉性が高いため、おすすめです。
- タッパー
- ジップロック
- 米びつ など
次項の保管場所に合わせて、保存しやすい大きさ・形の密閉容器を準備しましょう。
2. 冷暗所で保管する
お米は直射日光や高温を避け、冷暗所で保管しましょう。具体的には「気温5〜15℃」「湿度70%以下」の場所が最適だといわれています。
自宅内であれば、床下収納や日陰の部屋がおすすめです。とくに冷蔵庫は温度・湿度ともに一定のため、お米の保存に適した環境といえます。
温度変化にともなう結露でカビを発生させないためにも、保管場所から取り出す際は素早く済ませましょう。
お米の保存方法については、関連記事の「お米が冷蔵庫に入らない!NGなのは?上手な保存方法を解説!」で詳しく紹介しています。ぜひチェックしてみてください!
茶色い粒のお米をおいしく食べる方法
最後に茶色い粒のお米をおいしく食べる方法として、変色部分の取り方や新鮮なお米との混合方法を紹介します。
- 変色部分の取り除き方
- 新鮮なお米との混合方法
1. 変色部分の取り除き方
茶色く変色した粒が少ない場合は、ふるいなどを活用しながら1つずつ手で取り除きます。
また、虫が混入している場合は、以下のような方法で除去するのがおすすめです。
- ザルを使って虫をふるい落とす
- 新聞紙にお米を広げて、虫が逃げるのを待つ(※)
- たっぷりの水にお米をつけ、浮いた虫を洗い流す など
※お米につく虫は光を嫌う習性があるため
なお、お米は虫に食べられると中が空洞になるため、洗米時に浮いてきたときはそちらも合わせて取り除くとよいでしょう。
2. 新鮮なお米との混合方法
変色したお米は往々にして古くなっているため、新鮮なお米と混ぜて使うことで食べやすくなります。いわゆる、手作りのブランド米です。
混ぜる際には新鮮なお米の比率を調整して、好みの組み合わせを見つけてみてください。たとえば、新米3割・古米7割であればパサパサしすぎず、ほどよい食感を楽しめます。
また、茶色い粒の見た目や風味が気になる場合は、以下のような料理で味を変えてしまうのも1つの方法です。
- チャーハン
- リゾット
- 炊き込みご飯 など
「食べる分には問題ないし、捨ててしまうのはもったいない」と感じる場合は、ブレンドや調理方法を工夫してみましょう。
お米に茶色い粒があっても大抵は食べられる
お米に茶色い粒が混じっている場合、さまざまな原因が考えられます。多くの場合は取り除くことで、普通のお米と変わらず食べることが可能です。
ただしカビが原因の場合は健康を害する可能性があるため、食べずに捨てるのが無難です。判断が難しいときは、購入元へ問い合わせてみてください。
茶色い粒があるお米はアレンジ料理に使うなど、工夫しながらおいしく食べていきましょう。