「さわのはな」は、1997年に県の奨励品種から外れて種籾の供給がなくなったにも関わらず、一部の農家さんたちの強い思いで栽培が続けられているお米です。懐かしい甘味と玄米食に向いた特性から、現在も根強い人気があります。
この記事では「さわのはな」が復活したストーリーや購入方法について解説します。
山形県の希少米「さわのはな」が復活した経緯や特徴を紹介
「さわのはな」は、一度は生産が途絶えかけたものの、山形県内の数十戸の農家さんの強い思いで栽培が続けられています。こちらでは「さわのはな」が復活した経緯や特徴を紹介します。
- 「さわのはな」復活ストーリー
- 「さわのはな」の味の特徴
- 「さわのはな」が玄米に向く理由
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 「さわのはな」復活ストーリー
「さわのはな」は、1960年に山形県尾花沢市の県農業試験場で開発されたお米です。1956年に新潟県などの奨励品種に登録されたコシヒカリ、1963年のササニシキとほぼ同時期です。「さわのはな」の作付け面積は約2割を占め1990年代までは、山形県の主力品種の一つでした。
しかし「稲が倒れやすいため機械化に向かない」「収量を増やそうとすると味が落ちる」「白濁した粒が多く見た目が悪い」などの理由から、「はえぬき」や「どまんなか」といった新しい品種がデビューすると生産量は減っていきました。そして1997年に、ついに県の奨励品種から外されて、種籾の流通がなくなりました。
「さわのはな」の種籾の流通がなくなったものの、一部農家の間では慣れ親しんだ味を惜しみ、自家用での生産は続いていました。そして「さわのはな」の生産を続ける農家は、長井市の遠藤孝太郎さんを中心に「さわのはな倶楽部」を結成し、1997年に種子栽培を始め、1999年に供給を始めました。
「さわのはな倶楽部」の活動は現在まで続いており、置賜(おきたま)地域、最上地域を中心に約50戸の農家が栽培を続けています。
2. 「さわのはな」の味の特徴
「さわのはな」は、粘りがあり甘味が強いことが特徴です。特に、冷めてから味が出てくるタイプということです。炊きたて直後は柔らかめで、冷めてからは弾力ある食感を楽しめます。
山形県のお米屋さん尾形米穀店さんは「さわのはな」の特徴を次のように説明します。
最近のどのお米とも似ていない、言葉では表現しづらいのですが、強いて言えば「もそっと」した、舌触りのある食感が個性的です。舌触りがツルッとしているつや姫と食べ比べると、違いが良くわかります。
引用:さわのはなの特徴|山形県長井市 遠藤孝太郎産 – 山形米の専門店 尾形米穀店
味、食感ともに今のお米とはちょっと違うものを感じれそうですね。
3. 「さわのはな」が玄米に向く理由
「さわのはな」は、玄米食に向いているとも言われています。玄米は厚い皮によってもそもとした食べにくい食感になりますが「さわのはな」はやわらかく食べやすいと評判です。
また胚芽が大きいので、玄米食特有のプチプチとした食感もより楽しめます。逆に胚芽が大きいため、精米してしまうと元々小さい粒せいもあり、目減りが大きくなります。
「さわのはな」は玄米好きの方の中では有名なようで、飲食店でも使われているようです!
国分寺南口にある食材にこだわったヴィーガン料理が楽しめる喫茶店「café Slow (カフェスロー)」にて #国分寺グルメ
— くちぶえ村の村長🍣すし職人と口笛奏者の二刀流 (@KuchibueSoncho) February 10, 2024
『季節のヴィーガン・発酵スロープレート』1680円
+ちょい足しミニカレー200円
☆高橋さんの山形在来さわのはな玄米・ひたし豆
★醤油麹と玄米甘酒ドレッシングのサラダ… pic.twitter.com/2TnczCWdl5
食堂ひとつむぎのランチ
— yuka (@ruka8881) September 17, 2020
さわのはな玄米はふっくら、お椀もおかずもしみじみ味わい深い。
美味しくて、からだも心も満たされる。
ごちそうさまでした💕 pic.twitter.com/czV4h0nByM
山形県の希少米「さわのはな」のおすすめの購入方法・購入先
「さわのはな」は、主に以下の3つの方法で手に入れられます。
- 遠藤孝太郎さんのお米を購入する
- 農家さんからネットで直接購入する
- ふるさと納税の返礼品で受け取る
希少米であるため値段はやや高価です。
項目 | 値段 |
---|---|
ネット販売価格 | 2,000円/2kg~ |
ふるさと納税額 | 10,000円/5kg~ |
1. 遠藤孝太郎さんのお米を購入する
「さわのはな倶楽部」の遠藤孝太郎さんのお米は、楽天市場で購入できます。遠藤さんのお米はアイガモや紙マルチを使って雑草対策をしているため、除草剤を使用していません。また有機質100%肥料を使用しているため、化学肥料も不使用です。
遠藤さんの「さわのはな」は「全国米食味分析鑑定コンクール」において、平成18年~平成20年の3年連続特別優秀賞を受賞するなど高く評価されています!
また「さわのはな倶楽部」のお米は、メールで「名前・住所・連絡先」を送り、購入案内を郵送で受け取る方法で購入できます。詳しくは「さわのはな倶楽部Webサイト」をご覧ください。
2. 農家さんからネットで直接購入する
「さわのはな」は、産直サイトや農家さんのオンラインショップでも購入できます。
産直ひろば「農家のつくえ」は、最上地域のお米・野菜直送店です。高橋広一さんのお米を玄米で購入できます。「森の家」のお米は、無農薬無化学肥料で作らています。お米の肥料は米ぬかと、大豆のみを使用し、動物性の肥料は一切使用していないことが特徴です。
TUNAGIで購入できる「おいしいファーム」、激選米.comの「電気農場」さんのお米は、農薬・化学肥料は不使用のJAS有機栽培米です。
3. ふるさと納税の返礼品で受け取る
ふるさと納税では、楽天ふるさと納税で「戸沢村」、さとふるで「山形県」が返礼品にしています。山形県の返礼品では「玄米」で受け取ることが可能です。
山形県の希少米「さわのはな」をぜひお試しください
「さわのはな」は、機械化や化学肥料の使用が進んだ現代の農業には合わない品種として淘汰されてしまいました。しかし「さわのはな」の美味しさが忘れられない一部の農家さんの熱意で復活し、少しずつですが自然農を目指す方を中心に栽培が広がってきています。
「さわのはな」に興味を持った方は、ぜひ一度食べてみてください!