2014年に神奈川県から小千谷市の岩沢集落に移住して早8年、せいのうれいと申します。
栄養学を学び、食品メーカーで微生物の培養をし、はたまたNGOのボランティアとしてケニアで子供の支援に関わったり、そのほかにも介護職や事務職や飲食業や、あれやこれやと職を転々としてここにたどり着きました。
現在の本業は(何が本業か分からないのですが、中でも自分が事業主として行っているものは)【ポレポレ工房】という菓子製造業ということになりますでしょうか。たまに講師業なんかもしています。
そのほかにも、農業法人での事務のアルバイト、受託の事務仕事、地元集落のお年寄りの集いの場お手伝い、などもしており、いわゆるフリーランス的な働き方です。少し前にこれを、【イナカフリーランス】と名付けてくれた人がありましたが、いい肩書で気に入っています。
その傍ら、畑と田んぼで作物を作るということもしております。
今回は、少し前に麹と米粉を使った料理研修の講師をさせて頂きましたので、その様子をお伝えします。
テーマは米粉の料理と麹の料理です。
麹を作れると色々楽しめる
麹って、なんですか?
答え・・・お米や麦や豆などに麹菌を付けて発酵させたもの。
分かるような分からないような…って感じですよね。
では発酵って何ですか?
答え・・・菌が生命活動を行う過程で、その働きによって食品の成分や味や特性に変化をもたらすこと。
少し前から、発酵ブームでいろいろな発酵食品が注目されていますが、わが国の誇る伝統食である味噌、醤油、漬物、納豆などは古くから伝わる発酵食品で、日本の食文化と発酵は切り離せないものがあります。
発酵については、奥が深すぎてきりがないので、ここでは割愛します。
わたしは移住する前から自分で何でも作るのが好きで、梅干しや味噌などは自分で手作りしていました。
数年前に移住してきてから、お米で麹を作ることを始めました。
米どころ新潟、お米はたくさんとれます。お米って、出荷する規格に粒の大きさもあるんですね。つまり基準を満たさない小粒なお米は、売り物にならないわけではないけれど、価値がだいぶ落ちてしまうのです。
そんなお米を使って麹にしています。自分で作ればたくさんできるので、いろんなものにふんだんに使うことができます。それってかなりうれしいです。
保温の際は、初めはこたつで作っていましたが、最近はわりとまとまった量を仕込むことが多いので、こちらを使っています。
その名も『こうじ君』です。クーラーボックスのようなものに、センサーが付いていて設定した温度に保温できるのです。
麹は買う物だと思っていたのですが、自分で作れるんですね。これで色々楽しんでいます。
麹を使った加工品
麹をさらに発酵させた食品としては、甘酒、味噌は代表格ですね。
先日の研修では麹を使ってつくる甘酒と、甘酒の応用編みたいなものとして発酵かぼちゃ、発酵あんこを皆さんにご紹介しました。
これ、美味しいんですよ。
麹の甘さの特徴は、くどくなくて優しい奥深い、なんともたまらない風味、食べ出すとなぜか止まらないのです。
ただこれらは短時間では作ることはできないので、今回は私が作ってきたものを皆さんに提供。
ちなみに、私はいろんな調味料に麹を混ぜて楽しんでます。塩こうじ、醤油麹はもちろん、玉ねぎ麹、ナンプラー麹、ハバネロ麹などなど。これらを使うと料理の味も格段にアップしますよ。
米粉でガレット作りました
さて次は米粉の料理です。
ポレポレ工房の売りというか代表的な素材が、米粉です。
商品ではやはり焼菓子に使うことが多いのですが、今回はだれでも手軽にできるガレットを調理実習で皆さんに作って頂きました。
ガレットの発祥はフランス。そば粉を使って丸く薄く焼き上げたものです。これを米粉で作ってみました。
米余りのこのご時世。お米はご飯として食べる以外に、米粉としていろいろ使えるんです。しかもけっこう簡単。
材料も、米粉、水、塩のみ。これを水で溶いて焼くだけ。
ちょっとくらい形がいびつでも問題ありません。
チーズとハム(今回は鶏ハム)で土手を作って真ん中に卵を落として。
蓋をして卵がお好みの固さになるまで弱火で加熱します。
火が通ったら縁を四角く折り込んで、出来上がりです。
皆さんなかなか上手に作られていました。
赤米と黒米も
せっかくなので、普通の米粉以外にも赤米と黒米の米粉も使って焼いて頂きました。
私はいつも、魚沼市の農家さんから無農薬のコシヒカリの粉を仕入れいているのですが、こちらではコシヒカリ以外に赤いもち米の【紅香】(べにか)、紫のもち米(いわゆる黒米)【紫宝】(紫宝)も作られています。
パッケージのデザインもかわいいのです。ネットショップもありますよ。
こめ、つくります。そして、おとどけします。 (shop-pro.jp)
赤いガレットと紫のガレット。
これらの色のついたお米には、白米にはない栄養素もたくさん含まれており、主に色素の由来となるポリフェノール(アントシアニン、カテキン、タンニンなど)、ミネラル(カルシウム、マグネシウムなど)体の抗酸化作用を高めてくれて免疫力アップにも効果が期待できます。
もち米だけあって、もっちもちになります。これは先ほどの発酵かぼちゃ、発酵あんこと一緒に食べると和風のおやつになりますね~。
お楽しみの試食タイム。
皆さんの感想、わたしの感想
試食しながら、参加してくださった皆さんの感想を一言ずつ。
●みんなでわいわい料理をして楽しかった
●発酵のことをもっと知りたくなった
●子供が生まれて食の安全を重視するようになった
●高齢者のお料理を作っているので取り入れてみたい
などなど、うれしいお言葉を頂きました。
何でも便利になって、安価で手軽なものがいくらでも手に入る世の中ですが、昔からの食文化や食べる物を手作りすることの大切さも、もっともっと皆さんに感じてもらえるようになったらうれしいな~と思います。
コメント
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[…] 今回は料理教室レポートです~麹と米粉~ […]
[…] 手づくり麹を使ったお料理教室のレポートはこちら。 […]