
特A米とは、「米の食味ランキング」で味や香りが優秀だと評価されたお米を指します。
しかし、「どんなお米が特A米に選ばれているの?」「特A米っておいしい?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、令和3年の特A米や、代表的な特A米における味の傾向を紹介します。
おいしいお米の選び方もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
特A米の銘柄はどれ?令和4年の食味ランキング
食味ランキングでは基準米(コシヒカリ)とくらべて、味や香りといった「食味」がどれくらい良いかを評価します。
その中でも、特A米は特に優秀であるとされた銘柄です。
令和4年の食味ランキングでは、152点中19銘柄(40産地品種)が特A米として選出されました。それぞれの品種と産地は、次のとおりです。赤字は、令和3年度には特A評価を受けていなかった銘柄です。
1 | ななつぼし | 北海道 |
2 | ゆめぴりか | 北海道 |
3 | ふっくりんこ | 北海道 |
4 | 青天の霹靂 | 青森(津軽) |
5 | 銀河のしずく | 岩手(中) |
6 | つや姫 | 宮城、山形(村山・置賜)、大分(北部) |
7 | ひとめぼれ | 秋田(中央)、福島(中通)、大分(西部) |
8 | 雪若丸 | 山形(置賜・庄内) |
9 | コシヒカリ | 福島(会津)、茨城(県央・県南)、新潟(上越・魚沼)、岐阜(美濃・飛騨)、三重(伊賀) |
10 | 彩のきずな | 埼玉(県西) |
11 | いちほまれ | 福井 |
12 | にこまる | 静岡(西部)、岡山(県南)、愛媛、高知(県北・県西)、長崎 |
13 | ヒノヒカリ | 京都(山城)、愛媛 |
14 | きぬむすめ | 鳥取、島根、岡山 |
15 | 星空舞 | 鳥取 |
16 | 恋の予感 | 広島 |
17 | おいでまい | 香川 |
18 | 元気つくし | 福岡 |
19 | さがびより | 佐賀 |
このうち、特A米に初選出された銘柄は、次の2産地品種です。
- にこまる【岡山(県南)】
- 星空米【鳥取】
星空米は品種として初めて特A評価を受けました。星空舞は鳥取県が開発し2019年から作付けが始まった新しい品種です。
また、特A米に返り咲いた銘柄は、次の産地品種となっています。
- つや姫【山形(村山・置賜)】
- 雪若丸【山形(庄内)】
- コシヒカリ【茨城(県央)、三重(伊賀)】
- いちほまれ【福井】
- にこまる【岡山(県南)、愛媛、長崎】
- ヒノヒカリ【愛媛】
- おいでまい【香川】
特A米の銘柄を決める食味とは
特A米は、全国各地のさまざまな銘柄が選ばれていることがわかりました。
しかし、「そもそも、食味って何?」と疑問に思う方も多いでしょう。
ここでは「食味ランキング」はもちろん、似たような指標である「食味値」についても紹介します。
食味ランキングは試験米の評価
食味ランキングの評価項目は、次の6つです。
以上の評価点が基準米を上回れば、特A米やAに選出されるのです。
しかし、実はランキングの評価では、試験用のお米を使用します。
つまり、特A米だからといって、必ずしも「とびきりおいしい」というわけではありません。
逆に、Bランク以下であっても、おいしく食べられるお米が多いでしょう。
ランキングは、参考にする程度にとどめておくことをおすすめします。
食味値は販売米の評価
食味値とは販売用のお米について、そのおいしさを個別に評価する数値です。
お米のおいしさは同じ銘柄であっても、収穫年や農家によって異なってきます。田んぼや植え付ける位置によっても、味が違ってくることも珍しくありません。
その違いを明らかにするのが、食味計という機器を使って計測する食味値です。
食味値は、次の4つから算出されます。
そして、食味値が70点以上(100点満点中)であれば、70%以上の人がおいしいと感じるといわれています。ちなみに、日本米の食味値は65~75点が標準です。
食味値は客観的な指標となるため、インターネット販売も行っている農家では、食味値を公表して販促するケースが増えてきています。
特A米の銘柄別味の傾向
特A米の評価対象は試験米のため、そのおいしさはあくまでも参考に過ぎません。
しかし、「特A米への選出回数が多いお米は、味もよいのでは?」と気になる方も多いでしょう。
ここでは特A米の選出回数が多い銘柄をピックアップし、それぞれの味の傾向を紹介します。
コシヒカリ
「コシヒカリ」は特に魚沼産の選出回数が多く、特A米に選ばれるのは4年連続、合計31回にもおよびます。
その味の傾向はもっちりとして、粘り気が強いのが特徴的です。
甘味も強く、おかずなどがなくてもお米単体で十分味を楽しむことができます。
ゆめぴりか
北海道産の「ゆめぴりか」は、同じく北海道産の「きらら397」に「コシヒカリ」などを掛け合わせて生まれた銘柄です。
コシヒカリよりも、もっちり感や粘り気が強い傾向にあります。
また、コシヒカリを掛け合わせていることで、甘味が非常に強くなっています。
ひとめぼれ
岩手や福島などで作られている「ひとめぼれ」は、甘味は感じられるものの、それほどしつこくありません。
粘り気は少なめなため、しっかりとした噛み心地のお米が好きな方にぴったりでしょう。
また、吸水性がよく、好みに合わせた炊き分けがしやすい傾向にあります。
もっちりさせたい場合は水多め、硬めがいい場合は水を少なめにするなど、さまざまな味わい方ができる銘柄です。
おいしいお米の選び方
特A米に限らず自分好みのおいしいお米を選びたい方は、次の3つをチェックしましょう。
- 精米日
- 粒の状態
- 袋の状態
精米したお米は劣化が早くなるため、できるだけ早めに食べきることをおすすめします。
粒の大きさがそろっている、ひび割れや欠けがないのもおいしいお米です。袋の破損状態とあわせて、ぜひチェックしてみてください。
また、おいしさの感じ方は人によって異なります。そのため、味や食感の好みに合わせて選ぶのもひとつの方法です。
たとえば、これまで特A米に選ばれた銘柄の味や食感は、次のようになっています。
- 甘い×もちもち(ゆめぴりか、にこまるなど)
- 甘い×しっかり(ひとめぼれ、つや姫など)
- あっさり×しっかり(はえぬき、銀河のしずくなど)
- あっさり×もちもち(みずかがみ、彩のきずななど)
自分好みの銘柄がよくわからないという方は、1つずつお試しで取り寄せてみるのもよいでしょう。
特A米にはおいしい銘柄がいっぱい!
特A米は香りや味などの食味が優秀ですが、銘柄によってその特徴は大きく異なります。
今回紹介した内容を参考に自分好みの銘柄を見つけて、おいしくいただいていきましょう。