お米の選び方とは?見た目なの?特徴を知って見極めよう!

いつの時代も、日本人の食卓に欠かせないのが「お米」です。日常的に食べるからこそ、おいしいものを選びたいと思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、「おいしいお米ってどう見分ければいいの?」「どこで買えばいいんだろう?」とお悩みの方もいるでしょう。

今回は、おいしいお米の選び方を紹介します。

お米を選ぶときに参考になるランキングチャートや、おすすめの購入先もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

おいしいお米を選ぶには?6つの選び方を紹介

おいしいお米の選び方には、6つの方法があります。

自分好みのおいしいお米を探している方は、1つずつチェックしていきましょう。

おいしいお米の選び方

銘柄(ブランド)で選ぶ

自分好みの味や食感がわからないという方は、人気が高い・有名な銘柄を選ぶのもよいでしょう。

食味ランキングなどをチェックし、優秀なお米であると評価された銘柄(品種・産地)を選ぶのもおすすめです。

食味ランキングで評価の高い銘柄を選ぶ

後ほどお米のランキングチャートを紹介するので、そちらをぜひ参考にしてみてください。

味や食感で選ぶ

実は、「おいしい」という感覚は人それぞれ違います。そのため、自分好みの味や食感をもとにお米を選ぶのもおすすめです。

お米の場合、味や食感は次の4つのタイプに分けられます。代表的なお米の銘柄とともに見てみましょう。

甘い×もちもち コシヒカリ、ゆめぴりか、にこまる、いのちの壱など
甘い×しっかり ひとめぼれ、雪若丸、いちほまれ、富富富など
あっさり×しっかり あきたこまち、ななつぼし、ササニシキ、つがるロマンなど
あっさり×もちもち みずかがみ、あきさかり、夢つくし、ヒノヒカリなど

参考:パナソニック「2019年Wおどり炊き搭載モデル 特長を知る」

柔らかい噛み心地が好きなら「もちもち」を、硬めの歯ごたえが好きなら「しっかり」など、自分好みのお米を選んでみてはいかがでしょうか。

米の味と触感甘いあっさりもちもりしっかり

栽培方法で選ぶ

食の安全性を重視したい方は、栽培方法で選ぶのもひとつの方法です。特に、次の4つは農薬や化学肥料の使用が少ない栽培方法となっています。

農薬や化学肥料が少ない4つの栽培方法

種類 特徴
特別栽培米 農薬の使用回数や化学肥料の窒素量を、生産地の慣行栽培より5割以上減らして栽培する方法
有機栽培米
(オーガニック)
3年以上農薬・化学肥料使っていない田んぼで栽培する方法
JASの認定を受けている
無農薬栽培 農薬を使用しないで栽培する方法
「栽培期間中農薬不使用」と表記されることもある
減農薬栽培 農薬を生産地の慣行栽培より5割以上減らして栽培する方法

ただし、無農薬や減農薬は現在、商品への表示が禁止されています。無農薬は「残留農薬もない」という誤解を与えかねないからです。

価格で選ぶ

日常的に食べるお米だからこそ、価格も考慮したい方も多いでしょう。

次に挙げるのは、お米の販売価格(円/5kg袋)が高い産地品種です。なお、販売価格は2021年6月時点での数字となっています。

  • 1位:コシヒカリ(新潟・魚沼) 2,526円
  • 2位:ゆめぴりか(北海道) 2,374円
  • 3位:つや姫(山形) 2,352円
  • 4位:新之助(新潟) 2,341円
  • 5位:コシヒカリ(山梨) 2,329円

また、お米の販売価格が安い産地品種は、次のとおりです。

  • 1位:コシヒカリ(宮崎) 1,325円
  • 2位:ハナエチゼン(福井) 1,335円
  • 3位:ふさこがね(千葉) 1,572円
  • 4位:コシヒカリ(千葉) 1,636円
  • 5位:ふさおとめ(千葉) 1,723円

参考:農林水産省「米の消費動向」

以上から、同じ銘柄でも産地によって値段が変わることがよくわかります。

販売価格は都度変動しますが、ひとつの目安として参考にしてみてはいかがでしょうか。

精米日で選ぶ

銘柄などのこだわりが特にない方は、精米日を確認して選ぶと無難です。

このとき、なるべく精米日から日が経っていないお米を選びましょう。精米日から日が経つと、米が劣化して味が落ちてしまうからです。

夏なら2週間以内、冬なら1か月以内を目安に食べきれる精米日を選ぶと、十分おいしく食べられます。

精米日は夏は2週間以内、冬は1か月以内

見た目で選ぶ

おいしいお米は、粒や袋の状態からも見分け可能です。具体的には、次のような特徴があるお米を選ぶようにしましょう。

  • 粒の大きさがそろっている
  • 粒にひびが入っていない
  • 粒が欠けていない
  • 粒に透明感がある
  • 袋の損傷がない
  • 袋が湿っていない

特に、袋に損傷があると、異物混入の恐れがあるため注意が必要です。輸送や保管の仕方が荒く、お米の状態があまりよくない可能性もあります。

野菜は「見た目が悪くても味は良い」ことがありますが、お米は見た目が味に影響します。例えば、割れたお米が混ざっていると炊きあがりがべちゃっとしてしまうため注意が必要です。

野菜と違ってお米の見た目は味に影響する

また、お米の見た目は、農林水産省の農産物検査のひとつとして実施される「等級制度」も参考になるでしょう。

お米の農産物検査では、粒の状態によって1〜3等、規格外という4種類の等級がつけられます。このうち、最も見た目が美しいのが1等です。

整粒(粒のそろい具合) 水分 汚れや割れのある粒、異物などの混入
1等 70 15.0 15
2等 60 15.0 20
3等 45 15.0 30
規格外 1~3等に適合しない、かつ異物穀粒や異物の混入が50%未満

(単位:%)
参考:農林水産省「玄米の検査規格」

2022年からは目視だった鑑定が機械前提となるため、より精度の高い結果が期待できます。見た目でお米を選ぶときにも、大いに参考にできるでしょう。

お米の選び方で参考になる3大ランキング

お米の選び方はさまざまありますが、はじめは「どれを選んだらいいかわからない」という方も少なくありません。

そこで、お米の選び方で参考になる3つのランキングを紹介します。

お米選びの参考になる3大ランキング

米の食味ランキング

「米の食味ランキング」は、日本穀物検定協会が年1回開催する試験米のランキングチャートです。

味や香りなどの食味が優れたお米には、特A米というランクがつけられます。2022年に特A米に選出された銘柄は、16銘柄42品種です。

コシヒカリやつや姫などの全国栽培の銘柄のほか、ななつぼしや雪若丸などの産地オリジナルの銘柄も特A米として選ばれています。

参考:日本穀物検定協会「平成元年産からの特Aランク一覧表」

お米日本一コンテスト

「お米日本一コンテスト」は、静岡県で年1回開催されているお米のコンテストです。機器審査や食味官能審査により、優れた出品米を栽培した個々の農家へ最高金賞や金賞が送られます。産地の表彰を行うものではないため、ご注意ください。

2022年の主な受賞は、次のとおりです。

氏名 生産地 品種
特別最高金賞 有限会社 源丸屋 河村秀樹  岐阜県 コシヒカリ
最高金賞 米の匠みのりガーデン 五十嵐成生 山形県 コシヒカリ
株式会社 米風土鳥取 長尾達也 鳥取県 ゆうだい21
小見山 益彦 静岡県 歓喜の風
御殿場・小山エコ栽培米出荷組合 遠藤 博雄 静岡県 コシヒカリ
茅野 純和 長野県 コシヒカリ
静岡県知事賞 小見山 益彦 静岡県 歓喜の風

引用:静岡県「第19回お米日本一コンテストinしずおか(2022)」

米・食味分析鑑定コンクール

「米・食味分析鑑定コンクール」は、米食味鑑定士協会が年1回開催しているコンクールです。

国際総合部門をはじめとした7部門があり、それぞれ食味分析計や食味官能検査などをもとに、生産者のお米を評価します。産地の表彰を行うものではないため、ご注意ください。

2022年の国際総合部門で金賞を受賞した主な農家は、次のとおりです。

氏名 生産地 品種
(株)雪ほたか
小林 仁志
 群馬県川場村  ゆうだい21
米の匠みのりガーデン
五十嵐 成生
山形県新庄市 コシヒカリ
JAながの 一番開花の会
小池 幸喜
長野県飯山市 コシヒカリ
奧出雲仁多米(株)
おいしい仁多米を作る会
島根県奥出雲町 コシヒカリ
あがつまさくや姫生産組合
大塚 知紀
群馬県東吾妻町 コシヒカリ
天栄米栽培研究会
内山 正勝
 福島県天栄村 コシヒカリ
天栄村ブランド化推進協議会
吉成 邦市
 福島県天栄村 ゆうだい21
サイトウ農産
齊藤 慶治
宮城県大崎市 たきたて
飛騨高山おいしいお米プロジェクト
(株)和仁農園 和仁 浩太郎
岐阜県高山市 コシヒカリ
嬬恋村おいしい米づくり研究会
小嶋 良一
群馬県嬬恋村 ミルキークイーン
天栄米栽培研究会
芳賀 育実
福島県天栄村 ゆうだい21
あがつまさくや姫生産組合
小池 康弘
群馬県東吾妻町 コシヒカリ
(株)まんま農場
小林 達樹
岐阜県高山市 ゆうだい21
(株)みつわ農園
永田 政和
岐阜県飛騨市 コシヒカリ
山ノ内米研究会
布施谷 裕泉
長野県山ノ内町 コシヒカリ
JA会津よつば 西会津ミネラル有機栽培米研究会
三瓶 鉄江
福島県西会津町 コシヒカリ
津南町稲作生産改善組合
(農)グリーンアース津南 桑原 健
新潟県津南町 コシヒカリBL
清水 房雄 長野県小諸市 コシヒカリ

参考:米食味鑑定士協会「第24回米食味分析鑑定コンクール:国際大会結果発表」

おいしいお米はどこで買えばいい?

先ほども紹介したように、おいしいお米の条件には精米日や粒の状態も深く関係しています。購入場所によって、お米の保存状態も変わってくるでしょう。

最後に、一般的な入手経路を振り返りながら、おいしいお米が買えるおすすめの場所を紹介します。

最も多い入手経路はスーパーマーケット

お米の購入場所トップ5は、2021年6月時点で次のようになっています。

  • 1位:スーパーマーケット
  • 2位:家族や知人などから無償で入手
  • 3位:インターネットショップ
  • 4位:ドラッグストア
  • 5位:生協

なお、購入単価トップ5は次のとおりです。

  • 1位:デパート
  • 2位:米穀専門店
  • 3位:インターネットショップ
  • 4位:生協
  • 5位:産地直売所

インターネットショップや生協は購入単価が比較的高いものの、購入場所として選んでいる方も多いことがわかります。

参考:農林水産省「米の消費動向」

おすすめの購入場所は3つ

おいしいお米が買えるおすすめの場所は、次の3つです。

  • 農家
  • 貯蔵環境がわかるところ
  • 五つ星お米マイスターがいるところ

農家からの直接購入ではその場で精米してくれるため、最もよい状態で食べられるメリットがあります。

また、お米はどれだけおいしいものでも、保存状態が悪いと味が落ちてしまいます。そのため、貯蔵環境がわかるところ、特に低温貯蔵しているところがおすすめです。

さらに、お米の専門知識がある「五つ星お米マイスター」がいるところもよいでしょう。

品質や嗜好による米の選び方などを教えてくれるため、よりおいしいお米に出会うチャンスに恵まれます。

参考:日本米穀商連合会「五つ星マイスター取得者検索」

選び方を身につけておいしいお米をいただこう!

お米の選び方は見た目や味のほか、ブランドや栽培方法など重視する点によっても変わってきます。

今回紹介した内容を参考に、自分好みのおいしいお米を探していきましょう。