洗米は、精米後に残った米ぬかや細かいゴミを取り除くために行います。しかし、今は精米技術が進歩し、昔ほど力を入れた洗米は不要です。
本記事では洗米のやり方について、新米・古米・玄米・無洗米の4パターンに分けて紹介します。洗米と同じように気をつけたい、保管や浸水など各工程のコツもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
洗米のやり方【新米編】
新米を洗米する際のやり方は、以下のとおりです。
- 手早くすすぐ
- 軽い力で研ぐ
- 水を入れ替える
お米の種類によって省く工程もありますが、基本的なやり方として覚えておくとよいでしょう。
なお、新米と古米の違いや見分け方について振り返りたい方は、関連記事の「古いお米の見分け方|どれくらい大丈夫?新米との違いも解説」もあわせてチェックしてみてください。
1.手早くすすぐ
お米は乾物であり、水に触れたとたん急速に吸水が進みます。そのため、同時に米ぬかのにおいも吸収されないよう、1回目の洗米では手早くすすぎましょう。具体的な手順は、以下のとおりです。
- 内がまやボウルにたっぷり水を張る
- お米を入れる
- 2~3回混ぜたあと、水をすべて捨てる
水を張ってからお米を入れる理由は、水を入れている間に米ぬかのにおいを吸収しないようにするためです。お米を入れてから水を捨てるまで、約10秒を目安に素早く済ませましょう。
2.軽い力で研ぐ
軽くすすいだあとは、お米が浸る程度の水を入れて本格的な洗米を行います。一定のスピードを維持しながら、シャカシャカとかき混ぜるように研ぎましょう。手はソフトボールを握ったときのような形で、指を立てながら軽い力を加えます。
以下のような研ぎ方をするとお米が割れてしまう原因になり、炊き上がりが悪くなる可能性があります。
- ゴシゴシと強い摩擦をかける
- ギュッギュッと力を入れる
- 泡立て器で乱暴にかき混ぜる
現在は精米技術が進んでいるため、ぬかを落とすために強く研ぐ必要はありません。洗米はあくまでも、お米の表面にうすく残っている肌ぬかを取り除くためであるため、必要以上の力を加えないようにしましょう。
3.水を取り換える
研いだあとは研ぎ汁をすべて捨てたあと、再度水に浸して「2.」~「3.」を繰り返します。研ぐ回数は、2〜3回程度で十分です。水が透明になるまで研ごうとすると、でんぷん質や水溶性ビタミンなども流れ出てしまい、お米本来のおいしさが失われてしまいます。
「洗米すればするほど、おいしくなる」というわけではないため、お米がうっすら透ける程度に水が澄んだら炊飯に移りましょう。
洗米のやり方【古米編】
基本的なやり方は、新米と同じです。ただし、古米は乾燥して水分が少なくなっている分、炊き上がりが硬くなりやすい傾向にあります。
そのため、洗米では少し力を入れながら研ぐことで、あえて細かい傷を付けて吸水を促すのがコツです。
なお、浸水後に水切り(ザル上げ)することも、吸水率アップにつながります。お米の水切りについて詳しく知りたい方は、関連記事の「お米の水切りとは?炊きあがりに影響がある正しいやり方」もあわせてチェックしてみてください。
洗米のやり方【玄米編】
玄米は白米とは違い、お米に傷がつくよう強く研ぐことが基本です。玄米同士を強くこすり合わせるように研ぐことで細かい傷が付き、浸水がより早く進みます。
玄米を研ぐ際は、金ざるを使って、玄米を押し付けるように研ぐと効率的です。
そのため、浸水時間を短くしたいときにも有効です。玄米の炊き方や浸水時間について振り返りたい方は、関連記事の「玄米の浸水時間はどのくらい?時短で炊く方法も紹介」をぜひ参考にしてください。
洗米のやり方【無洗米編】
無洗米はその名のとおり、基本的には洗米を必要としません。精白米に残っているような、肌ぬかも取り除かれているためです。ただし、完全に取り除かれているわけではなく、かつ細かいゴミも混入している可能性があります。
そのため、普通のお米と同様にしっかり研ぐ必要はないものの、すすぐ程度の洗米は行っても問題ありません。
無洗米の洗米について詳しく知りたい方は、関連記事の「無洗米はホントに洗わないの?普通のお米との違いを教えます」をぜひ参考にしてください。
洗米以外も!おいしく炊くうえで重要な5つの工程
お米をおいしく炊くうえで、洗米以外にも留意すべき工程が5つあります。
- 保管
- 計測
- 浸水
- 炊飯
- 保温
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.保管
お米の鮮度を保つためには、正しい方法で保管することが大切です。もっとも理想的なのは、1食分ずつ小分けにしたうえで、冷蔵庫の野菜室に入れる方法になります。野菜室は、お米の保管に適した温度・湿度が一定に保たれ、カビや虫の発生も抑えられます。
お米の保管方法や野菜室保存がおすすめな理由について詳しく知りたい方は、関連記事の「米は野菜室に保存するのが正解?温度や湿度など最適な環境とは」もあわせてチェックしてみてください。
2.計測
お米と水の量を正確にはかるのも、おいしく炊き上げるうえで重要です。水が少ないと芯が残り、多すぎるとベチャベチャとしたごはんになってしまいます。具体的には、下表を目安に好みの食感にあわせて調整するとよいでしょう。
お米:水の量 | 1合(180ml)炊く際に必要な水の量 | |
---|---|---|
新米 | 1:1.1~1.2 | 200ml~220ml |
古米 | 1:1.3 | 230ml~240ml |
玄米 | 1:1.6 | 290ml~300ml |
無洗米 | 1:1.4 | 250ml~260ml |
なお、お米の計量は専用カップ以外にも、さまざまな日用品で代用できます。正しいはかり方や代用品の使い方について知りたい方は、関連記事の「お米の計量カップがないときは?代用できる?簡単な測り方4選」をぜひ参考にしてください。
3.浸水
洗米後には浸水時間を確保し、お米の中心部まで水が行き渡るようにしましょう。浸水時間は夏場が30分、冬場は1時間〜1時間半ほどが目安です。
よりおいしく炊き上げたい場合は、氷やはちみつを入れる方法もあります。浸水のコツや役立つアイテムについて知りたい方は、関連記事の「お米の浸水時間は?冷蔵庫で長時間おけばワンランク上の炊きあがり」もあわせてチェックしてみてください。
4.炊飯
炊飯器を使用する際は、お米の状態にあわせたモードを選びましょう。たとえば、玄米を炊く際は通常の炊飯モードを使用すると、芯が残る可能性があります。逆にしっかり浸水させたお米は、早炊きモードでも問題ありません。
また、炊き込みご飯を作る際は調味料を混ぜたあと、お米の上に具材を乗せます。具材も混ぜ込んでしまうと、炊飯時に起きる水の対流を阻害し、炊きムラが起きてしまうためです。
とくに無洗米は炊き込みご飯で失敗しやすいため、上手に炊く方法を知りたい方は関連記事の「無洗米で炊き込みご飯!失敗しない炊き方のコツを紹介!」をぜひ参考にしてください。
5.保温
炊き上がったごはんは、なるべく早めに食べきるか、冷凍保存しましょう。保温時間が長くなると、変色やにおいの原因となります。
ごはんに芯が残っていて保温を続けたい場合は、水やお酒を加えて炊き直すか、電子レンジを活用するのがおすすめです。再加熱の方法について詳しく知りたい方は、関連記事の「お米に芯が残ったらどうする?食べられる?原因と5つの対処法」もあわせてチェックしてみてください。
洗米のやり方はお米によって異なる
洗米のやり方は、お米の状態や種類によって若干異なります。いずれにおいても大切なのは、きれいな水で手早く済ませることです。米ぬかのにおいを吸収する時間を減らせば、お米本来の風味を楽しめます。
おいしいごはんを食べたい方は、お米の状態や種類によって洗米のやり方を使い分けていきましょう。