新米は収穫から時間をおいていない分、新鮮でおいしいため、「年に1回は食べたい」という方が多いでしょう。しかし、新米ならではの特徴ゆえに、水加減に注意しないとせっかくのおいしさも半減してしまいます。
本記事では新米の水加減はどれくらいがちょうどよいか、新米の特徴を踏まえながら紹介します。銘柄別の水加減や新米を炊く際のコツはもちろん、おいしさを長続きさせる保存方法もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
新米とは?
そもそも新米とは、「収穫年の12月31日までに包装されたお米」を指します。
収穫される時期は地域によって異なり、早いところは沖縄で6月、遅いところで北海道や東北などの10月です。そのため、市場に新米が回るのも、地域によってさまざまとなっています。
新米の定義やお米の選び方について振り返りたい方は、関連記事の「新米の時期はいつから?おいしいお米の選び方と保管方法」をぜひ参考にしてください。
古いお米との見分け方について詳しく知りたい方は、「古いお米の見分け方|どれくらい大丈夫?新米との違いも解説」もあわせてチェックしましょう。
新米の水加減はどれくらいがちょうどよい?
新米は普通のお米や古米にくらべると、基本的に「少なめ」がちょうどよいとされています。
具体的な量の目安は、下表のとおりです。
お米:水の量 | 1合(180ml)炊く際に必要な水の量 | |
---|---|---|
新米 | 1:1.1 | 200ml |
古米 | 1:1.2 | 210ml |
無洗米 | 1:1.5 | 230ml |
玄米 | 1:1.7 | 288ml |
このように新米の水加減が少なめでよい背景には、以下に挙げる新米の特徴が影響しています。
- お米に含まれる水分が多い
- お米が柔らかく、水分を吸収しやすい
逆に水が多くなるとべチャッとした炊き上がりになり、おいしさが半減してしまうため、注意が必要です。
なお、新米のようなもちもちした食感を再現したいときは、白米にもち米を混ぜる方法もあります。ただし、もち米は新米よりもさらに水分が多いため、炊飯に必要な水の量も少なくなります。
もち米を混ぜて炊くときの水加減について詳しく知りたい方は、関連記事の「白米ともち米を混ぜて炊くには?やり方や注意点をまとめました」をぜひ参考にしてください。
【お米の銘柄別】新米の水加減
同じ新米でも、銘柄によって水加減を変えるとより一層おいしいご飯となります。
たとえば、もちもちとした食感の銘柄米であれば、水加減を控えめにすることでべチャッとした食感を防げます。逆にしっかりとした食感の銘柄米は、少し水を多めにしたほうが硬い炊き上がりにならずに済みます。銘柄別の特徴は、下図のとおりです。
新米を購入した際は、普段よく食べている銘柄米に合わせて水加減を調整しましょう。
なお、コシヒカリをはじめとした特A米の特徴や銘柄別の味について知りたい方は、関連記事の「【令和4年度最新】特A米の銘柄一覧!味の傾向は?おいしいお米の選び方」もあわせてチェックしてみてください。
【少なめの水加減以外も!】新米を炊くときのコツ
新米を炊く際、水加減以外にも押さえたいコツは以下の3つです。
- 浸水時間は短めにする
- 高火力・短時間で炊飯する
- 炊飯後は混ぜすぎない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.浸水時間は短めにする
新米を炊く際の浸水時間は、短めでもOKです。通常の目安は下表のようになっているため、最短の時間で浸水しても問題ありません。
夏場 | 冬場 | |
---|---|---|
精白米・無洗米 | 30分 | 1時間~1時間半 |
玄米 | 5時間~6時間 (可能であれば8時間) | 12時間 |
なお、お米の浸水時は水温を下げることで、水がゆっくりとしみ渡り、よりふっくらとした炊き上がりになります。具体的な方法は、以下の2つです
- 水を加えたあと、内がまやボウルごと冷蔵庫に入れる
- 水を加える際、氷も追加する
浸水のコツについて詳しく知りたい方は、関連記事の「お米の浸水時間は?冷蔵庫で長時間おけばワンランク上の炊きあがり」もあわせてチェックしてみてください。
2.高火力・短時間で炊飯する
新米は水分が多く粘り気が出やすい分、高火力で短時間の炊飯がおすすめです。炊飯器によっては新米モードが搭載されているケースもあるため、有効活用しましょう。新米モードがない場合は、早炊きモードで代用できます。
なお、土鍋の場合は急速に温度が上昇しすぎると、お米の甘みを損なううえ、芯が残りやすくなります。そのため、新米であっても中盤の最弱火は十分時間を確保しましょう。
土鍋を使った基本的な炊き方について振り返りたい方は、「土鍋ご飯なら浸水なしでも大丈夫?下準備のひと手間がおいしさの近道」をぜひ参考にしてください。
3.炊飯後は混ぜすぎない
ほぐし方は普通のお米と同じですが、混ぜすぎに注意です。ご飯がつぶれて粘り気が強くなり、各銘柄本来の食感を楽しめなくなります。
なお、蒸らし時間は通常10分~15分ほどですが、新米の場合は短めでも十分おいしく食べられます。炊飯後の新米は「サッと蒸らして、サクッとほぐす」と覚えておくとよいでしょう。
新米のおいしさを長続きさせる保存方法
せっかく買った新米でも保存方法を間違ってしまうと、どんどんおいしさが落ちていってしまいます。そのような状態を避けるために留意したいのは、保存環境です。具体的には、以下の3つを満たした場所が望ましいとされています。
- 温度は15℃前後
- 湿度は70%前後
- 直射日光を避けた冷暗所
とくにおすすめなのは、冷蔵庫の野菜室です。野菜室は上記の条件を満たしているうえ、密閉空間が保たれている分、カビや虫の発生も抑えられます。
お米を野菜室で保存するメリットや具体的な方法を知りたい方は、関連記事の「米は野菜室に保存するのが正解?温度や湿度など最適な環境とは」もあわせてチェックしてみてください。
新米の水加減は銘柄によっても違う
新米の水加減は少なめが基本ですが、銘柄によって微調整が必要です。普段食べているご飯がもちもちするタイプなら水の量を少し減らし、噛みごたえがあるタイプなら少し多めがおすすめです。
炊飯時に使う道具や好みもよっても変わるため、自分に合った水加減を見つけていきましょう。