お米は、日本人にとって欠かせない食材の1つです。毎日おいしく食べたいものですが、時には「臭い」などのトラブルが発生するときもあるでしょう。
今回は、お米が臭いときに考えられる原因と対処法を紹介します。臭いお米をおいしく炊く方法や、においを防ぐ保存方法もあわせて解説しています。
お米のにおいが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
お米が臭いときに考えられる5つの原因
お米が臭いときに考えられる原因は、主に以下の5つです。
- 経年劣化
- 精米が不十分
- 過度な保温
- におい移り
- 雑菌の繁殖
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 経年劣化
経年劣化により古くなったお米はぬかが酸化し、独特のにおいを放ちます。ぬか臭さは、炊き上がったあとも抜けません。
軽い精米でにおいが軽減するケースもありますが、残量が多い場合は早めに買い替えたほうがよいでしょう。
なお、お米の賞味期限や古米の見分け方について詳しく知りたい方は、関連記事の「古いお米の見分け方|どれくらい大丈夫?新米との違いも解説」もあわせてチェックしてみてください。
2. 洗米が不十分
洗米が不十分だと米ぬかがきれいに取れず、においの原因となります。酸っぱいにおいだけでなく、炊き上げ後に黄色く変色し、見た目もよくありません。
また、しっかり洗えていると思っていても、実は研ぎ方が間違っているケースもあります。とくに新米は組織がやわらかく、洗米時の力加減やスピードに注意が必要です。
3. 過度な保温
保温のしすぎも、お米が臭い状態を引き起こします。長時間の加熱によって、メイラード反応が出現するためです。
メイラード反応とは、糖類とアミノ酸などが熱によって茶色く変色する化学反応を指します。
通常は香りや風味を深めるメイラード反応ですが、時間が経つとお米が焦げ臭くなったり、黄色く変色したりする原因になります。
4. におい移り
におい移りによって、お米が臭くなるケースも少なくありません。具体的には、以下のような状況が原因になります。
- 炊飯器にしゃもじを入れっぱなしにしている
- 炊飯器に汚れが残っている(内釜やパッキンなど)
- 調味料を使った料理のにおいが残っている
また、保存の段階で香りの強い食材などが近くにあり、そのにおいを吸収してしまっているケースもあります。
5. 雑菌の繁殖
雑菌が繁殖すると、お米が臭いだけでなく、食中毒のリスクも出てきます。とくに以下のような状況は、要注意です。
- 炊飯器に汚れが残っている
- 蓋を開けっぱなしにしている
- 保温停止から時間が経っている など
また、元来お米に付着し、品質などに有益な効果をもたらすバチルス菌も、増殖しすぎるとにおいの原因になります。
お米が臭いときの対処法5選
お米が臭いときの対処法は、主に以下の5つです。
- 食べきれる量のお米を買う
- 丁寧に洗米する
- 長時間の保温は避ける
- 使用後の炊飯器はすみずみまで洗う
- 炊飯器のお手入れ機能を活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 食べきれる量のお米を買う
お米を買うときは短期間で食べきれるよう、世帯人数などに合わせて購入量を調整しましょう。
たとえば1人暮らしであれば、1か月の米消費量は約4.8kgです。5kg分を買えば、長期保存する必要がなく、お米が古くなったときのぬか臭さを防止できます。
消費量の目安について詳しく知りたい方は「一人暮らしのお米|何キロ消費する?ベストな保存方法とは」記事もぜひ参考にしてみてください。
2. 丁寧に洗米する
においの原因となりやすい米ぬかを落とすためにも、洗米は丁寧に行いましょう。ただし、力任せの研ぎ方では米粒が割れ、お米の旨味が流れてしまいます。
そのため、洗米時は汚れを浮かせて取る意識で、優しくかき回しながら研ぐことが大切です。また、水分とともにぬか臭さも吸収しないよう、短時間で済ませます。
節水や時短を重視する方は、無洗米を購入するのも1つの方法です。
3. 長時間の保温は避ける
メイラード反応によってお米が臭い状態にならないよう、長時間の保温は避けましょう。
また、お米を炊く際は、基本的に1回で食べきれる量にします。食べきれなかった、あるいは数日分をまとめて炊くなどの場合は、早めに冷凍保存するのがおすすめです。
4. 使用後の炊飯器はすみずみまで洗う
使用後の炊飯器は、パッキンなども含め、すみずみまで洗いましょう。洗ったあとに、しっかり乾燥させることも大切です。
なお、炊き込みごはんなど調味料を使った料理のあとは、重曹またはクエン酸を活用したにおい消しも有効です。水とともに炊飯し、釜が冷えてから各パーツを洗浄します。
酸性汚れには重曹、カビのようなにおいにはクエン酸と使い分けるのもよいでしょう。
5. 炊飯器のお手入れ機能を活用する
炊飯器によっては、お手入れ機能が付いています。まだ使ったことがない方は、取扱説明書を見ながら活用してみてください。
たとえば、パナソニックの炊飯器「SR-VSX1シリーズ」では、30分ほどでお手入れが完了します。
各部品はその後水洗いする必要はありますが、特別な道具や材料が不要な分、心理的なハードルは大きく下がるでしょう。
臭いお米をおいしく炊く方法
実は臭いお米でも、原因が「古い」あるいは「洗米が不十分」といった場合には問題なく食べられます。よりおいしく炊きたい方は、下表のような一手間を加えるのがおすすめです。
分量(1合に対し) | 臭いが軽減する理由 | |
---|---|---|
竹炭 | 薄皮2~3枚ほど | 消臭とともに、かまどで炊いたような風味になるため |
氷 | 1かけ | 低温からじっくり炊くことで、米の甘味が出やすいため |
日本酒 | 大さじ1杯 | 魚や肉と同様に臭み消しの効果が得られるため |
また、大根おろしの汁やはちみつなどを入れるケースもあります。試行錯誤しながら、味や風味が好きな方法を見つけ出してみてください。
お米が臭くならない保存方法
お米が臭くならない保存方法のコツは、主に以下の3つです。
- 密閉性が高い容器を使う(米びつやタッパーなど)
- 空いた容器は洗浄・乾燥させてから新しいお米を入れる
- 高温多湿を避ける
逆に次のような保存方法は、お米が臭い状態を引き起こしかねません。
- 水気が多いところに置く
- 米袋のまま保存する
- 保存容器を洗わない
もっとも理想的な保存場所は冷蔵庫ですが、難しい場合は床下収納や日陰が多い部屋などがおすすめです。
お米の上手な保存方法や役立つアイテムについて詳しく知りたい方は、関連記事の「お米が冷蔵庫に入らない!NGなのは?上手な保存方法を解説!」もあわせてチェックしてみてください。
「お米が臭い」問題はさまざまな原因がある
お米が臭いときに考えられる原因には、経年劣化や雑菌の繁殖などが挙げられます。いずれも適切な保存や洗米、炊飯器のお手入れを行えば避けられる原因です。
また、臭いお米でも食中毒のリスクがなければ、竹炭や日本酒などを入れることでおいしく食べられます。
お米の味や風味を損なわないよう、日頃のお手入れなどを丁寧に行い、嫌なにおいを防いでいきましょう。