お米をおいしく炊くコツの1つとして、しっかりと浸水させることが挙げられます。とくに、冷蔵庫に入れておくとワンランク上の炊き上がりとなるため、おすすめです。
本記事では、お米の浸水時間中に冷蔵庫に入れるのがおすすめな理由を紹介します。浸水時に役立つアイテムや、おいしさを持続させる保存方法もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
お米の浸水時間はどれくらい必要?
お米の浸水時間は夏場で30分、冬場で1時間〜1時間半ほどが目安となっています。夏場になると浸水時間が短くなる理由は、水温が高いほど、お米の吸水が進みやすいためです。
なお、玄米の場合は、短くとも5時間〜6時間程度の浸水時間が必要になります。玄米は食物繊維が多く、普通のお米と同じ感覚で浸水させると吸水不十分で芯が残ってしまうためです。
玄米の浸水時間について詳しく知りたい方は、関連記事の「玄米の浸水時間はどのくらい?時短で炊く方法も紹介」をあわせてチェックしてみてください。
お米の浸水時間中は冷蔵庫に入れるのがおすすめな理由
お米を浸水させる際は、水を入れたあとに冷蔵庫で冷やすのがおすすめです。水温が低くなることで吸水がゆっくり進み、お米の中心部まで水分が浸透する分、炊飯後の粘り気が強くなります。
また、甘味成分であるアミラーゼが水に溶け出るのを防ぎ、ご飯の甘みが増す点もメリットです。
具体的には、におい移りがないようラップをかけ、2時間程度じっくり浸水させましょう。
なお、浸水が不十分だと芯が残り、食感が悪くなってしまいます。お米に芯が残った場合の対処法や予防法について詳しく知りたい方は、関連記事の「お米に芯が残ったらどうする?食べられる?原因と5つの対処法」をぜひ参考にしてください。
冷蔵庫以外も!お米の浸水時に役立つアイテム
冷蔵庫へ入れる以外にも、お米の浸水時間中に使うことでご飯のおいしさをアップさせてくれるアイテムが2つあります。
- 氷
- はちみつ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 氷
冷蔵庫に内がまを入れるスペースがない場合は、氷を入れるのがおすすめです。冷蔵庫に入れるときのように水温が下がることで浸水がゆっくり進み、おいしく炊きあがります。
具体的には計量カップに氷を入れ、そのうえで水の量を通常どおり測るとちょうどよくなります。氷の数は、1合につき3~4個程度が目安です。製氷皿で作っておくと、洗米後にパッと入れるだけで済むため、手軽さを求める方にも向いています。
夏場であれば水温が高いため、氷を入れたうえで冷蔵庫で浸水させると、より一層おいしく炊きあがるでしょう。
2. はちみつ
はちみつには高い保水効果があるため、お米がはちみつでコーティングされると吸水した水分が逃げにくくなります。その結果、柔らかくツヤのある炊き上がりになるのです。
また、はちみつにある消化酵素はお米のデンプンをブドウ糖へ分解し、甘みも増幅してくれます。はちみつの量は、お米1合に対し小さじ1/2杯でOKです。先ほど紹介した氷と併用すると、炊いた直後も冷めたあともおいしいご飯を食べられます。
お米のおいしさを維持するうえで大切な保存のコツ
お米をおいしく食べるためには、浸水時間の確保はもちろん、炊飯前後の保管方法にも注意を払う必要があります。
- お米を買ってきたら冷蔵庫で保存する
- お米を炊いたあとは冷凍庫で保存する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. お米を買ってきたら冷蔵庫で保存する
お米の保存は冷蔵庫、とくに野菜室がおすすめです。直射日光に当たらないうえ、保管にちょうどよい温度・湿度を一定に保ちやすい傾向にあります。その結果、お米の酸化やカビを防ぎ、おいしさを長持ちさせてくれるのです。
野菜室での保存方法について詳しく知りたい方は、関連記事の「米は野菜室に保存するのが正解?温度や湿度など最適な環境とは」もあわせてチェックしてみてください。
2. お米を炊いたあとは冷凍庫で保存する
お米を炊いたあと、食べるまで時間が空く場合は冷凍庫で保存しましょう。冷蔵庫で保存するとお米のデンプンが老化し、食感が硬くなってしまうためです。
そもそも、炊飯前のお米は水に溶けにくく硬いベータデンプンですが、炊飯すると柔らかく粘り気があるアルファデンプンに変化します。しかし、冷蔵庫で冷やされると再度ベータデンプンに戻るうえ、再加熱しても食感は元には戻りません。
一方、冷凍庫での保存ではアルファデンプンに入り込んだ水分も一緒に冷凍されるため、再加熱後も柔らかくおいしい状態を維持できます。
なお、炊いたお米は冷蔵・冷凍以外にも常温保存という選択肢もあります。ただし、季節によっては食中毒の危険性が非常に高まるため、あまりおすすめできません。
ご飯の常温保存におけるリスクや季節別の保存時間について知りたい方は、関連記事の「ご飯を常温で一晩放置!安全に食べられる目安や見分け方法」をぜひ参考にしてください。
お米の浸水に関するよくある質問
最後に、お米の浸水に関するよくある質問と回答を2つ紹介します。
- 水の量は内がまの目盛りに合わせればOK?
- 浸水時間は長ければ長いほどよい?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 水の量は内がまの目盛りに合わせればOK?
基本的に、水の量は内がまの目盛りに合わせればOKですが、確認するときの位置に注意が必要です。上から見下ろすと、ちょうどよい水の量でも目盛りより少ないように見えます。
浸水前に水の量を確認する際は、目盛りまで目の位置を下げて正面から見るようにしましょう。
2. 浸水時間は長ければ長いほどよい?
お米の浸水時間は、長ければよいというものではありません。必要以上に浸水時間を長くとると、雑菌が繁殖してしまうためです。とくに、室温や水温が高くなりやすい夏場は雑菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクがあります。
そのため、お米を浸水させる際は長くても2時間程度にとどめることが大切です。今回紹介したように冷蔵庫で浸水させると、夏場も安全かつおいしく食べられるでしょう。
冷蔵庫でお米を浸水させるとおいしさ倍増!
お米の浸水に必要な時間は水温に左右されるため、季節ごとで長さが異なります。もっとも短いのは夏場の30分、長くて冬場の1時間半です。
このとき、冷蔵庫に入れるとお米の中心部まで浸水が進むなどによって、普段よりも粘り気があり、もっちりとした食感を楽しめるようになります。お米の炊き方にこだわりたい方は、冷蔵庫を有効活用した浸水に挑戦してみてはいかがでしょうか。