無洗米のデメリットとは|まずい?美味しく食べるコツを紹介

「無洗米は美味しくない」そうイメージしている人は、もしかしたら多いかもしれません。なぜ無洗米がまずいと言われるのか、今回はその理由や無洗米のデメリットについて解説します。

無洗米は水で研がなくても良いお米ですが、特徴はそれだけではありません。

美味しく食べるためのコツや、無洗米の魅力についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

無洗米とは?見分け方についてはこちらもご参照ください。

無洗米の見分け方とは|メリット・デメリットと美味しく炊くコツを紹介

無洗米のデメリット

無洗米のデメリット

無洗米は研ぐ手間が省けて簡単に炊ける良さがある一方、デメリットも存在します。まずは、無洗米のデメリットを解説します。

無洗米のデメリット

炊き上がりが硬くなる

無洗米のデメリットとしてまず挙げられるのが、炊き上がりが硬くなることです。なぜ無洗米は精白米に比べて硬く感じるのか、それにはヌカが関係しています。

精白米は玄米から通常のヌカを取り除き、「肌ヌカ」と呼ばれる薄い層だけを残していますが、無洗米は肌ヌカも除去します。

肌ヌカは乾燥を防ぐ役割があるため、取り除かれている無洗米は乾燥しやすいのです。そのため、いつも通りの水加減で炊いた無洗米は硬い炊き上がりになってしまいます。

肌糠がないため乾燥しやすい

銘柄が少ない

無洗米は精白米と比較して銘柄が少ないため、お米にこだわりがある場合や、好きな銘柄がある人は、デメリットに感じるかもしれません。

「いつも食べているブランド米の無洗米を購入したい」と思っても、販売されていない可能性があります。

しかし、無洗米の生産量は2000年で20万トン以下だったものが、2017年には40万トン以上に増加しているとの調査結果もありますので、将来的には無洗米の銘柄は増えていくことが期待できそうです。

精白米に比べ銘柄が少ない

参考:全国無洗米協会

におい移りしやすい

先ほど、無洗米は肌ヌカが除去されているため乾燥しやすいと説明しましたが、加えて乾燥によってにおいを吸収しやすいというデメリットもあります。

乾燥とにおい移りを防ぐためにも、無洗米は密閉容器に入れて涼しい場所で保管すると良いでしょう。

乾燥しやすいのでにおいが移りやすい

お米はそもそも高温多湿が苦手なので、冷蔵庫での保管がおすすめです。タッパーやジップロックに小分けして、野菜室で保管するなど工夫してみてください。

精白米に比べて価格が高い

お米売り場で「精白米より無洗米の方が価格が高い」と思ったことがある人は多いかもしれません。

無洗米が割高なのは、「洗う手間がかからない分、高めの価格で設定している」「製造工程が精白米よりも多いから」など、さまざまな理由が考えられます。

しかし、無洗米は肌ヌカが取り除かれている分、内容量が精白米より少し多くなるため、実質は同じくらいの価格とも言われています。

精白米に比べ価格が高い

無洗米がまずいと言われる理由

無洗米にはデメリットがありますが、まずいと言われる理由についても紹介します。

無洗米がまずいと言われる理由

吸水しにくいから

精白米は水でお米を研いで肌ヌカを洗い流しますが、これによってお米の表面に細かい傷がつき、水が浸透しやすくなります。

無洗米はこの工程がない上に乾燥しているため、水を吸いにくいのです。水を十分に吸っていないお米は、ふっくらした炊き上がりにならないため、甘みを感じづらくパサついた食感になってしまいます。

水の量が足りていないから

無洗米は精白米よりも多めに水を入れて炊く必要があるため、いつも通りの水加減で炊いてしまうと、水分が足りず美味しく感じられません。

精白米は、研ぎながらある程度水を吸いますが、無洗米は研ぐ必要がないので吸っている水の量が少ないのです。

また、肌ヌカが除去されている分、同じお米1合でも精白米より無洗米の方が量が多くなるため、水の量も少し増やす必要があります。

においを感じることがあるから

無洗米のヌカはほとんど除去されていますが、保管時に付着した汚れやゴミなどがにおいの原因になることがあります。

すすいだりせずそのまま水を入れて炊くと、汚れがお米に吸水されてにおいを感じることがあるかもしれません。

無洗米を美味しく食べる3つのコツ

無洗米はデメリットばかりではありません。ちょっとしたひと工夫で精白米と変わらない美味しさを感じることができます。

無洗米を美味しく食べるコツ

冷水でさっとすすぐ

無洗米でもお米の表面に細かい汚れが付着していることがあるので、よりおいしく食べるためには冷水ですすいだ方が良いでしょう。

すすぎは1回で問題ありません。無洗米はすでにヌカがついていないため、精白米を研ぐときと同じように何度も洗ってしまうと水を吸い過ぎてしまい、べちゃっとした仕上がりになるので注意しましょう。

すすぎは1回、ささっと

精白米を炊くよりも少し多めの水で炊く

無洗米を美味しく炊くためには水加減が重要です。無洗米は通常よりも多めの水が必要であることをご説明しましたが、具体的にどのくらいの水を足した方が良いのでしょうか。

精白米の場合は、お米1合(150g)に対して水200ccが一般的ですが、無洗米は210〜230ccが適量です。普段より大さじ1〜2杯程度の水を足すと覚えておきましょう。

大さじ1~2杯程度水を多く

炊飯器によっては無洗米モードが備わっていることがあります。無洗米モードは水をより吸わせるために余熱時間が長く設定されているので、搭載されている場合は利用してみてください。

吸水時間を長くする

無洗米でもふっくら美味しいごはんにするためには、炊く前にしっかり吸水させることが大切です。

目安として夏は30~60分、冬は60~90分です。少し長いと感じた人もいるかもしれませんが、吸水時間が足りないとお米に芯が残ったり、パサパサした仕上がりになってしまいます。

吸水時間を長く

また、水を入れる前の乾いたお米を軽くかき混ぜて、表面に薄い傷をつけると吸水率が上がります。

無洗米には良いところもたくさんある

無洗米はコツを掴めば美味しく食べられることが分かりました。続いて、無洗米ならではの良いところや魅力を紹介します。

無洗米のメリット

お米を研ぐ必要がない

無洗米の最大の魅力は、やはりお米を研ぐ必要がないことです。毎日お米を炊く家庭は研ぐ作業を負担に感じていることも多く、特に冬場は冷たい水がつらいと感じる人も少なくないでしょう。

精白米は、研ぎ方が炊き上がりに影響することがありますが、無洗米は研ぐ必要がないためその心配がありません。

いつでも安定した美味しさでお米が食べられる点は、無洗米の魅力です。

水道代の節約になる

無洗米にすることで水道代が節約できます。3合のお米を炊くのに必要な水の量は約4.5Lと言われていますが、毎日炊いたことを想定すると、年間で2Lのペットボトル828本分に相当します。

毎日炊く家庭や、1度に大量に炊くような大家族は、お米を研ぐだけでも意外に多くの水を使っているかもしれません。水道代が節約できる点は嬉しいポイントです。

環境に優しい

お米の研ぎ汁に含まれる窒素やりんなどの栄養素は、下水処理の際に完全に浄化しきれず、そのまま通過してしまいます。有害な成分ではないので、排水してはいけないものではありませんが、下水が整備されていない場所においては水質汚染の原因になります。

研ぎ汁が発生しない無洗米は環境に優しい一面もあるのです。

また、無洗米を製造するときに発生する肌ヌカは肥料に使われ、有効活用されることもあります。

無洗米はデメリットばかりではない!

無洗米は、製造工程で肌ヌカを取り除くため、精白米と比べて水を吸いにくく、乾燥しやすいデメリットがあります。

「無洗米はまずい」と言われる理由は、このような無洗米の特徴を知らずに、精白米と同じように炊いてしまうからです。

お米に水をしっかり吸わせ、水加減のコツを掴めば無洗米でも美味しく炊くことができます。無洗米は時間や水道代の節約にもなりますので、上手に活用してみてください。